【TO】パッケージの『種類(TO-220やTO-92など)』と『特徴』を解説!

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半導体(ICやトランジスタ等)のパッケージにはTO(Transistor Outline)SOT(Small Outline Transistor)など様々な種類があります。さらに、『TO(Transistor Outline)』から始まるパッケージには様々な種類があります。下記に一例を示します。

  • 小電力のトランジスタなどに使われるTO-92
  • 比較的放熱量の多い部品に使われるTO-220
  • TO-220よりさらに大きなTO-247
  • パワートランジスタ初期のパッケージで形状が帽子に似ているTO-3

この記事では『TO(Transistor Outline)とは何か』、『TOから始まるパッケージの種類と特徴』などを図を用いて分かりやすく説明するよう心掛けています。ご参考になれば幸いです。

『TO』から始まるパッケージについて

『TO』から始まるパッケージについて

TOは『Transistor Outline』の頭文字を取ったものです。その名の通り、トランジスタに多く用いられているパッケージですが、ICやダイオードなどにも用いられています。

TOから始めるパッケージ名は様々あり、TO番号を組み合わせて表記をします。例えば、『小電力のトランジスタなどに使われるTO-92』、『比較的放熱量の多い部品に使われるTO-220』、『TO-220よりさらに大きなTO-247』などがあります。

パッケージ材質としては、プラスチック、金属、セラミックのものがあります。

では次に『TOから始まるパッケージの種類』を順番に説明していきます。

TO-92

TO-92

TO-92はリードピッチ(リード間の距離)が1.27mmの挿入実装用パッケージです。パッケージが長くなったタイプは『TO-92MOD』と呼ばれています。TO-92は『TO-226AA』とJEDEC規格で表記されることもあります。

TO-92は『トランジスタやサイリスタなどの3端子デバイス』や『電圧レギュレータなどのリード数の少ないIC』などに使われています。

TO-92の主なメリットは製造コストが低く、サイズが小さいことです。しかし、多くの熱を拡散できる構造ではないため、消費電力が大きくなる場合には使用することができません。

TO-252

TO-252

TO-252はリードをフォーミングすることで表面実装できるようにしたパッケージです。DPAK・PPAK・SC-63と様々な呼ばれ方があります。

TO-252のリードピッチは1.27mmです。

ロングリード品をSC-64と表記しているメーカーもあります。

TO-252はTO-92と同じく『トランジスタやサイリスタなどの3端子デバイス』や『電圧レギュレータなどのリード数の少ないIC』などに使われています。

TO-220・TO-202・TO-263・TO-218

次にリードピッチ(リード間の距離)が2.54mmであるTO-220・TO-202・TO-263・TO-218について説明します。

TO-220

TO-220

TO-220はリードピッチ(リード間の距離)が2.54mmの挿入実装用パッケージです。放熱器(ヒートシンク)に取り付けるための金属タブ(タブフレーム)を持っています。

TO-220はパッケージの上部にビス穴があるため、放熱器にビス止めすることができるようになっています。そのため、比較的放熱量の多い部品に使われています。また、放熱器の取り付け部分が『金属のパッケージ』と『プラスチックで覆われたフルモールドのパッケージ』があります。フルモールド品はTO-220FMと表記されることがあります。

ピン数は3ピン・5ピン・7ピンのものがありますが、このパッケージは主にトランジスタに使われることが多いため、3ピンのTO-220が最も一般的に使用されています。

TO-202

TO-202

TO-202はリードピッチ(リード間の距離)が2.54mmの挿入実装用パッケージです。

背面に平らな金属タブ(タブフレーム)があるのが特徴的です。

TO-263

TO-263

TO-263はリードピッチ(リード間の距離)が2.54mmであり、TO-220の金属タブが小さくなった形をしているパッケージです。D2PAK・DDPAKと様々な呼ばれ方があります。

通常、リードがフォーミングされており、表面実装できるようにしています。

ピン数は3ピン・5ピン・7ピンのものがあります。

TO-218

TO-218

TO-218は挿入実装用パッケージです。

ピン数は2~5ピンあります。リードピッチ(リード間の距離)はピン数によって異なります。例えば、3ピンのリードピッチは5.2mm程度ですが、5ピンのリードピッチは2.54mmとなります。

背面に平らな金属タブ(タブフレーム)を持っているのが特徴です。

TO-247・TO-3P・TO-264

TO-220よりも大きなトランジスタTO-247・TO-3P・TO-264について説明します。リードピッチ(リード間の距離)が5.45mmとなっています。

TO-247

TO-247

TO-247はリードピッチ(リード間の距離)が5.45mmの挿入実装用パッケージです。

放熱量が大きい部品に使われるパッケージです。TO-247はこの後に説明するTO-3Pと形が似ています。

TO-3P

TO-3P

TO-3Pはリードピッチ(リード間の距離)が5.45mmの挿入実装用パッケージです。

放熱量が大きい部品に使われるパッケージです。TO-3PはTO-247と形が似ています。

TO-264

TO-264

TO-264はリードピッチ(リード間の距離)が5.45mmの挿入実装用パッケージです。

ピン数は2~5ピンあります。

TO-254・TO-257・TO-258・TO-259・TO-267

パッケージが金属製であるTO-254・TO-257・TO-258・TO-259・TO-267について説明します。

TO-254

TO-254

TO-254は挿入実装用パッケージです。標準的なリードピッチ(リード間の距離)は3.81mmとなります。

本体が金属製であり、裏面に平らな金属タブ(タブフレーム)があります。TO-254は金属本体と気密封止によりTO-220等よりも高価になりますが、信頼性が高くなっています。

TO-254はこの後に説明するTO-257と形が似ていますが、TO-257よりも大きくなっています。

TO-257

TO-257

TO-257は挿入実装用パッケージです。TO-220のプラスチック成型部が金属になったパッケージになっています。

TO-257はTO-254と形が似ていますが、TO-254よりも小さいです。

TO-258

TO-258

TO-257は挿入実装用パッケージです。標準的なリードピッチ(リード間の距離)は5.08mmとなります。

TO-258はTO-257と形が似ています。

TO-259

TO-259

TO-259は挿入実装用パッケージです。TO-258に似ていますが、本体に取り付けられている金属タブ(タブフレーム)が異なります。

TO-259に取り付けられている金属タブ(タブフレーム)はヒートシンクとして機能します。また、金属タブにはビス穴があるため、ヒートシンクにネジ止めすることも可能です。

TO-267

TO-267

TO-267は挿入実装用パッケージです。標準的なリードピッチ(リード間の距離)は5.08mmとなります。

TO-3・TO-66

次に『パワートランジスタの初期のパッケージであるTO-3』と『TO-3よりも形状が小さいTO-66』について説明します。どちらも帽子のような形状をしています。

TO-3

TO-3

TO-3はパワートランジスタの初期のパッケージです。現在ではほとんど使われていません。

TO-3は円筒部分の直径が22.2mm、高さが5.7mm程度の金属パッケージであり、形状は帽子に似ています。

左右にある2つの穴を利用して、ビスで放熱器に固定できる構造になっています。

TO-3はこの後に説明するTO-66と形が似ていますが、TO-66よりも直径が長くなっています。

TO-66

TO-66

TO-66は円筒部分の直径が12.4mm、高さが5.7mm程度の金属パッケージであり、形状は帽子に似ています。

左右にある2つの穴を利用して、ビスで放熱器に固定できる構造になっています。

TO-66はTO-3と形が似ていますが、TO-3よりも直径が短くなっています。

ピン数は3ピン・5ピン・9ピンなどがあります。

TO-5・TO-33・TO-39・TO-18・TO-72・TO-46・TO-52・TO-99・TO-100・TO-8

パッケージが金属性の円筒形状であるTO-5・TO-33・TO-39・TO-18・TO-72・TO-46・TO-52・TO-99・TO-100・TO-8について説明します。現在ではほとんど使われていないパッケージです。

TO-5

TO-5

円筒部分の直径が8.1mm、高さが6.3mm程度の金属パッケージです。

TO-5・TO-33・TO-39は形状が似ています。TO-18・TO-72にも形状は似ていますがヘッド部分の形が少し異なります。

TO-33

TO-33

円筒部分の直径が8mm、高さが2.5mm程度の金属パッケージです。

TO-5・TO-33・TO-39は形状が似ています。TO-18・TO-72にも形状は似ていますがヘッド部分の形が少し異なります。

TO-39

TO-39

円筒部分の直径が8mm、高さが2.5mm程度の金属パッケージです。

TO-5・TO-33・TO-39は形状が似ています。TO-18・TO-72にも形状は似ていますがヘッド部分の形が少し異なります。

TO-18

TO-18

円筒部分の直径が4.7mm、高さが4.8mm程度の金属パッケージです。

TO-18・TO-72は形状が似ています。TO-5・TO-33・TO-39にも形状は似ていますがヘッド部分の形が少し異なります。

TO-72

TO-72

円筒部分の直径が4.7mm、高さが4.8mm程度の金属パッケージです。

TO-18・TO-72は形状が似ています。TO-5・TO-33・TO-39にも形状は似ていますがヘッド部分の形が少し異なります。

TO-46

TO-46

円筒部分の直径が4.7mm、高さが2.4mm程度の金属パッケージです。

TO-52よりわずかに高さが低くなっています。

TO-52

TO-52

円筒部分の直径が4.7mm、高さが3.4mm程度の金属パッケージです。

TO-46よりわずかに高さが高くなっています。

TO-99

TO-99

円筒部分の直径が8mm、高さが4mm程度の金属パッケージです。

底面には8本のピンが円周状に配置されています。また、8本のピンの中央には底面をプリント基板から浮かせるために1mm程度の突起があります。

形状はTO-100に似ています(TO-100は10ピンです)。

TO-100

TO-100

円筒部分の直径が8mm、高さが4mm程度の金属パッケージです。

底面には10本のピンが円周状に配置されています。また、10本のピンの中央には底面をプリント基板から浮かせるために1mm程度の突起があります。

形状はTO-99に似ています(TO-99は8ピンです)。

TO-8

TO-8

円筒部分の直径が14mm程度の金属パッケージです。

高さは色々あります。直径が長いため、円筒部分が短めになっています。

その他

TO-126

TO-126

『トランジスタやサイリスタなどの3端子デバイス』などに使うパッケージです。

一般的に背面に金属プレートが付いており、本体には穴が空いているため、ヒートシンクにビス止めすることができます。

TO-36

TO-36

TO-36は中央にある穴を利用して、ビスで放熱器に固定できる構造になっています。

まとめ

この記事では半導体(ICやトランジスタ等)のパッケージの『TO』について、以下の内容を説明しました。なお、本記事の内容は当サイトの管理人の備忘録となっていますので、参考程度にしてください。

  • 『TO』から始まるパッケージについて
  • 『TO』から始まるパッケージの種類(TO-220やTO-92等)

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