半導体やICのパッケージにはQFPやLQFPなど様々な種類があります。
この記事では『QFP』が付くパッケージの種類について詳しく説明しています。
QFPとは
QFP(Quad Flat Package)はリードがパッケージの4側面から出ており、リード形状がガルウィング形(L字形)のパッケージです。
ピンピッチは1.0mm,0.8mm,0.65mm,0.5mm,0.4mm,0.3mmなど様々な種類があります。ピンピッチが狭くなるにつれてリードピンが曲がりやすくなるので注意してください。
QFPの後に付く数字はピン数を表します。例えば、QFP44の場合、44ピンのQFP(各辺から11ピン出ている)となります。
また、QFPの前に英文字が付くことで、「パッケージ取り付け高さ」や「ピンピッチ」等が変わります。例えば、「L」はパッケージ取り付け高さLが『1.20mm<高さL≦1.70mm』ということを意味しています。そのため、QFPの前に「L」がついた「LQFP」はパッケージの取り付け高さが『1.20mm<高さL≦1.70mm』のQFPということになります。
なお、ガルウィング形については下記の記事で詳しく説明していますのでご参考にしてください。
リードがパッケージの2側面から出ており、リード形状がガルウィング形(L字形)のパッケージはSOP(Small Outline Package)と呼ばれています。
リードの保護を表す英文字の追加
QFPの前に「B」,「G」が付くと、リードの保護が付きます。
BQFP
QFPの前に付いている「B」は「バンパー付き」を表します。
そのため、「BQFP(QFP with Bumper)」はバンパー付きのQFPということになります。
GQFP
QFPの前に付いている「G」は「ガードリンク付き」を表します。
そのため、「GQFP(QFP with Guard Ring)」はガードリンク付きのQFPということになります。
ピンピッチを表す英文字の追加
QFPの前に「F」が付くと、ピンピッチが変わります。
FQFP
QFPの前に付いている「F」は「ファインピッチ」を表します。
「F」が付くことにより、ピンピッチが以下のように短くなります。
- 基本パッケージがBGAorLGAの場合(FBGA or FLGA):ピンピッチが0.8mm以下
- 基本パッケージがQFPの場合(FQFP):ピンピッチが0.5mm以下
そのため、「FQFP(Fine-pitch Quad Flat Package)」はピンピッチが0.5mm以下のQFPということになります。
パッケージ取り付け高さを表す英文字の追加
QFPの前に「L」,「T」,「V」,「W」が付くと、パッケージ取り付け時の高さが変わります。
LQFP
QFPの前に付いている「L」はパッケージ取り付け高さLが『1.20mm<高さL≦1.70mm』ということを意味しています。
そのため、「LQFP(Low-Profile Quad Flat Package)」はパッケージの取り付け高さが『1.20mm<高さL≦1.70mm』のQFPということになります。
TQFP
QFPの前に付いている「T」はパッケージ取り付け高さTが『1.00mm<高さT≦1.20mm』ということを意味しています。
そのため、「TQFP(Thin Quad Flat Package)」はパッケージの取り付け高さが『1.00mm<高さT≦1.20mm』のQFPということになります。
ピン数は44ピン~120ピン程度あります。
ピンピッチは0.8mm,0.65mm,0.5mm,0.4mmなど様々なタイプがあります。
VQFP
QFPの前に付いている「V」はパッケージ取り付け高さVが『0.80mm<高さV≦1.00mm』ということを意味しています。
そのため、「VQFP(Very thin Quad Flat Package)」はパッケージの取り付け高さが『0.80mm<高さV≦1.00mm』のQFPということになります。
現在はLQFPの分類に取り込まれていることが多いですが、一部のメーカーではこの名称を使用しています。
WQFP
QFPの前に付いている「W」はパッケージ取り付け高さWが『0.65mm<高さW≦0.80mm』ということを意味しています。
そのため、「WQFP(Very-Very thin Quad Flat Package)」はパッケージの取り付け高さが『0.65mm<高さW≦0.80mm』のQFPということになります。
外形上の機能追加を表す英文字の追加
QFPの前に「H」が付くと、「ヒートシンク付き(基板実装面側の面にサーマルパッドと呼ばれる放熱面が追加)」のパッケージとなります。
HQFP
QFPの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HQFP(QFP with Heat Sink)」はヒートシンク付きのQFPということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。
HLQFP
LQFPの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HLQFP(LQFP with Heat Sink)」はヒートシンク付きのLQFPということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。
HTQFP
TQFPの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HTQFP(TQFP with Heat Sink)」はヒートシンク付きのTQFPということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。
材料を表す英文字の追加
QFPの前に「P-」,「C-」,「G-」が付くと、パッケージの材質が変わります。
P-QFP
QFPの前に付いている「P-」は「プラスチック」を表します。
そのため、「P-QFP(Plastic QFP)」はパッケージ材質がプラスチックのQFPということになります。
C-QFP
QFPの前に付いている「C-」は「セラミック」を表します。
そのため、「C-QFP(Ceramic QFP)」はパッケージ材質がセラミックのQFPということになります。
G-QFP
QFPの前に付いている「G-」は「ガラス封止のセラミック」を表します。
そのため、「G-QFP(Glass sealed ceramic QFP)」はパッケージ材質がガラス封止のセラミックのQFPということになります。
本記事のまとめ
この記事では半導体やICのパッケージの『QFP』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- QFPとは
- QFPの後に付く数字はピン数を表す
- QFPの前に付く英文字により「パッケージ取り付け高さ」や「ピンピッチ」が変わる
お読み頂きありがとうございました。
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