半導体やICのパッケージにはPGAやLGAなど様々な種類があります。
この記事では『PGA』が付くパッケージの種類について詳しく説明しています。
PGAとは
PGA(Pin Grid Array)はピンがパッケージの底面に格子状に配列されたパッケージです。パッケージから剣山みたいにピンが出ています。
ピンピッチは通常2.54mm(100ミル)となっています。
ピン数は400ピン以上配置されることもあります。
また、PGAの前に英文字が付くことで、「パッケージ材質」が変わります。
ピンではなく、ボール状のはんだ(はんだボール)がパッケージの底面に格子状に配列されたパッケージはBGA(Ball Grid Array)と呼ばれており、表面実装が可能となっています。
補足
- パッケージの材料によりプラスチック製のPGA(P-PGA)とセラミック製のPGA(C-PGA)があります。
- 表面実装可能なBGAが開発されるまでは、PGAはパソコン向けのCPU等では多ピンの主流パッケージでした。現在ではプラスチック製のPGA(P-PGA)はほとんど使われておらず、セラミック製のPGA(C-PGA)は一部のハイエンド用途(高速かつ大規模な論理LSIなど)では使われていることがあります。
- パッケージの材料を特に示していない時はセラミック製のPGA(C-PGA)であることが多いです。
- プラスチック製のPGA(P-PGA)の方がコストが安くなっています。
ピンピッチを表す英文字の追加
PGAの前に「S」が付くと、ピンピッチが変わります。また、PGAの前に「I」が付くと、格子状の配列が変わります。
SPGA
PGAの前に付いている「S」は「Shrink(縮小)」を表しています。そのため、「SPGA(Shrink PGA)」は基本パッケージであるPGAのピンピッチを縮小(Shrink)したパッケージということになります。その他の基本パッケージ(SOP,DIP,ZIPなど)でも同様の考え方です。
IPGA
PGAの前に付いている「I」は「インタースティシャル」を表しており、「IPGA(Interstitial PGA)」はパッケージの端子が格子状以外(例えば千鳥パターン)のパッケージのPGAということを意味しています。
外形上の機能追加を表す英文字の追加
PGAの前に「H」が付くと、「ヒートシンク付き」のパッケージとなります。
HPGA
PGAの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HPGA(PGA with Heat Sink)」はヒートシンク付きのPGAということになります。
材料を表す英文字の追加
PGAの前に「P-」,「C-」,「S-」が付くと、パッケージの材質が変わります。
P-PGA
PGAの前に付いている「P-」は「プラスチック」を表します。
そのため、「P-PGA(Plastic PGA)」はパッケージ材質がプラスチックのPGAということになります。
C-PGA
PGAの前に付いている「C-」は「セラミック」を表します。
そのため、「C-PGA(Ceramic PGA)」はパッケージ材質がセラミックのPGAということになります。
G-PGA
PGAの前に付いている「G-」は「ガラス封止のセラミック」を表します。
そのため、「G-PGA(Glass sealed ceramic PGA)」はパッケージ材質がガラス封止のセラミックのPGAということになります。
PGAのその他のパッケージ
FCPGA
「FCPGA(Flip-Chip PGA)」はフリップ・チップ接続(Flip-Chip bonding)のPGAです。フリップ・チップ接続とは、ワイヤーボンディングとリードフレームを使わず、ダイの表面にあらかじめ作っているインターボーザーでダイを固定する方法です。
OPGA
「OPGA(Organic PGA)」は有機プラスチック製のインターボーザー上にダイが実装されているPGAです。
SPGA
「SPGA(Staggered PGA)」はピンが千鳥状に並んであるPGAです。
本記事のまとめ
この記事では半導体やICのパッケージの『PGA』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- PGAとは
- PGAの前に付く英文字により「パッケージ材質」等が変わる
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