『DIP』とは?パッケージの種類を解説!【半導体&IC】

スポンサーリンク

半導体(ICやトランジスタ等)のパッケージにはDIP (Dual In-line Package)SIP (Single In-line Package) など様々な種類があります。

この記事では『DIP』について

  • DIPとは
  • DIPの種類

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

DIPとは

DIPとは

DIP (Dual In-line Package) はリードがパッケージの2側面から出ており、挿入実装用であるパッケージです。パッケージの長辺の2側面からリードが下方向に伸びています。

ピンピッチは様々な距離があります。通常2.54mm (100ミル) だが、1.778mm (70ミル) のものもあります。

パッケージの幅は15.2mm (600ミル)10.16mm (400ミル)7.62mm (300ミル) などがあります。

ピン数は6ピン~64ピンあります。

DIPの後に付く数字はピン数を表します。例えば、DIP16の場合、16ピンのDIPとなります。

また、DIPの前に英文字が付くことで、「パッケージ材質」等が変わります。

補足

  • リードがパッケージの2側面から出ており挿入実装用のパッケージをDIP (Dual In-line Package) といいます。一方、リードがパッケージの1側面から出ており挿入実装用のパッケージをSIP (Single In-line Package) といいます。
  • DIPはDILと表記されることがあります。
  • DIPは1965年に発明され、ICの実装に適していることから1980年代までは主流のICパッケージでした。1980年以降は表面実装用パッケージが開発されたため、使用されることが少なくなりましたが、今でも汎用ロジック等には使われています。
  • DIPのピンピッチは通常2.54mm (100ミル) なので、ブレッドボードや汎用の基板に取り付けやすくなっています。また、ソケットを用いて取り外し可能にすることもできます。

あわせて読みたい

SIP』については下記の記事で詳しく説明しています。興味のある方は下記のリンクからぜひチェックをしてみてください。

ピンピッチを表す英文字の追加

DIPの前に「S」が付くと、ピンピッチが変わります。

SDIP

DIPの前に付いている「S」は「Shrink (縮小) 」を表しています。そのため、「SDIP(Shrink Dual In-line Package) 」は基本パッケージであるDIPのピンピッチを縮小 (Shrink) したパッケージということになります。その他の基本パッケージ(SOP,ZIP,PGAなど)でも同様の考え方です。

外形上の機能追加を表す英文字の追加

DIPの前に「H」が付くと、「ヒートシンク付き (基板実装面側の面にサーマルパッドと呼ばれる放熱面が追加) 」のパッケージとなります。

HDIP

DIPの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。

そのため、「HDIP (DIP with Heat Sink) 」はヒートシンク付きのDIPということになります。

HSDIP

SDIPの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。

そのため、「HSDIP (SDIP with Heat Sink) 」はヒートシンク付きのSDIPということになります。

PDIP

DIPの前に付いている「P」は「ピギーパック付き」を表します。

そのため、「PDIP (DIP with Piggy back) 」はピギーパック付きのDIPということになります。

材料を表す英文字の追加

DIPの前に「P-」,「C-」,「G-」が付くと、パッケージの材質が変わります。

P-DIP

DIPの前に付いている「P-」は「プラスチック」を表します。

そのため、「P-DIP (Plastic DIP) 」はパッケージ材質がプラスチックのDIPということになります。

C-DIP

DIPの前に付いている「C-」は「セラミック」を表します。

そのため、「C-DIP (Ceramic DIP) 」はパッケージ材質がセラミックのDIPということになります。

G-DIP

DIPの前に付いている「G-」は「ガラス封止のセラミック」を表します。

そのため、「G-DIP (Glass sealed ceramic DIP) 」はパッケージ材質がガラス封止のセラミックのDIPということになります。

その他のDIP関連のパッケージ

CERDIP

CERDIP (CERamic DIP) 」はパッケージ本体がセラミックガラス封止されたパッケージの俗称です。JEITAのパッケージコードでは「G-DIP」に相当します。

WDIP

WDIP (DIP with Window package) 」はUV(紫外線)除去のための透明な窓がついたDIPです。メーカーにより表記が様々です。STMicroelectronics社ではFDIPと呼ばれています。

PowerDIP

PowerDIP」はICが発生する熱をリードピンを通して放熱するように作られたDIPです。中央付近のリードピンがまとめてグランド(アース)端子になっていることが多くなっています。

まとめ

この記事では半導体(ICやトランジスタ等)のパッケージの『DIP』について、以下の内容を説明しました。

  • DIPとは
  • DIPの後に付く数字はピン数を表す

お読み頂きありがとうございました。

当サイトでは電気に関する様々な情報を記載しています。当サイトの全記事一覧は以下のボタンから移動することができます。

全記事一覧

また、記事下に当サイトの人気記事を記載しています。ご参考になれば幸いです。

スポンサーリンク