コンバータ(スイッチングレギュレータ)の『種類』について

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この記事ではコンバータ(スイッチングレギュレータ)について

  • コンバータ(スイッチングレギュレータ)の『種類』と『特徴』
  • 昇圧コンバータの『特徴』
  • 降圧コンバータの『特徴』
  • 昇降圧コンバータの『特徴』
  • SEPICコンバータの『特徴』
  • Zetaコンバータの『特徴』
  • Cukコンバータの『特徴』
  • フライバックコンバータの『特徴』
  • フォワードコンバータの『特徴』

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

コンバータ(スイッチングレギュレータ)の『種類』

コンバータ(スイッチングレギュレータ)の『種類』

コンバータ(スイッチングレギュレータ)には上表に示すように『昇圧コンバータ』や『降圧コンバータ』など様々な種類があります。

例えば、昇圧コンバータは下記の特徴があります。

  • 昇圧することができる(〇)が、降圧はできない(×)
  • 入力電流のリプルは小さい(〇)が、出力電流のリプルが大きい(×)

一方、降圧コンバータは下記の特徴があります。

  • 降圧することができる(〇)が、昇圧はできない(×)
  • 出力電流のリプルは小さい(〇)が、入力電流のリプルが大きい(×)

また、昇降圧コンバータは下記の特徴があります。

  • 昇圧も降圧もできる(〇)
  • 入力電流と出力電流のリプルが大きい(×)
  • 入力電圧と出力電圧が反転する(×)

このように、各コンバータにより特徴に違いがあります。これから、各コンバータの特徴について順番に説明していきます。

補足

昇圧と降圧の意味は下記となります。

  • 昇圧:出力電圧\(V_{OUT}\)が入力電圧\(V_{IN}\)よりも高くなること
  • 降圧:出力電圧\(V_{OUT}\)が入力電圧\(V_{IN}\)よりも低くなること

昇圧コンバータ

昇圧コンバータ

昇圧コンバータはその名の通り、昇圧することができるコンバータです。また、入力部にあるインダクタ\(L\)により、「入力電流リプルが小さい」といった特徴もあります。

昇圧コンバータはインダクタ\(L\)、MOSFET\(Q\)、ダイオード\(D\)、出力コンデンサ\(C_{OUT}\)で構成されています。

昇圧コンバータの出力電圧\(V_{OUT}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_{OUT}=\frac{1}{1-D}V_{IN}\tag{1}
\end{eqnarray}

上式において、オンデューティ比\(D\)はMOSFET\(Q\)の1周期\(T\)におけるオン期間\(T_{ON}\)の割合なので、次式で表されます。

\begin{eqnarray}
D=\frac{T_{ON}}{T}=\frac{T_{ON}}{T_{ON}+T_{OFF}}=T_{ON}×f_{SW}\tag{2}
\end{eqnarray}

(2)式において、\(f_{SW}\)はMOSFET\(Q\)のスイッチング周波数です。また、(2)式から分かるように、オンデューティ比\(D\)は1より小さい値なので、(1)式より出力電圧\(V_{OUT}\)は入力電圧\(V_{IN}\)よりも高くなることが分かります。

補足

  • 昇圧コンバータは『ブーストコンバータ(Boost Converter)』や『ステップ・アップ・コンバータ』や『昇圧チョッパ』とも呼ばれています。

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降圧コンバータ

降圧コンバータ

降圧コンバータは昇圧コンバータと逆の特徴があり、降圧することができるコンバータです。また、出力部にあるインダクタ\(L\)により、「出力電流リプルが小さい」といった特徴もあります。

降圧コンバータはMOSFET\(Q\)、インダクタ\(L\)、ダイオード\(D\)、出力コンデンサ\(C_{OUT}\)で構成されています。

降圧コンバータの出力電圧\(V_{OUT}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_{OUT}=DV_{IN}\tag{3}
\end{eqnarray}

オンデューティ比\(D\)は1より小さい値なので、(3)式より出力電圧\(V_{OUT}\)は入力電圧\(V_{IN}\)よりも低くなることが分かります。

補足

  • 降圧コンバータは『バックコンバータ(Buck Converter)』や『ステップ・ダウン・コンバータ』や『降圧チョッパ』とも呼ばれています。

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昇降圧コンバータ

昇降圧コンバータ

昇降圧コンバータその名の通り、昇圧も降圧もできるコンバータです。しかし、「入力電流と出力電流のリプルが大きい」、「入力電圧\(V_{IN}\)と出力電圧\(V_{OUT}\)が反転する」といった特徴があります。

昇降圧コンバータはMOSFET\(Q\)、インダクタ\(L\)、ダイオード\(D\)、出力コンデンサ\(C_{OUT}\)で構成されています。

昇降圧コンバータの出力電圧\(V_{OUT}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_{OUT}=-\frac{D}{1-D}V_{IN}\tag{4}
\end{eqnarray}

上式から分かるように、出力電圧\(V_{OUT}\)の式にマイナスがつきます。すなわち、昇降圧コンバータは昇降圧できますが、「入力電圧\(V_{IN}\)と出力電圧\(V_{OUT}\)が反転する」という特徴があるので注意してください。

また、オンデューティ比\(D\)を0~1に変化させた時の\(\left|\displaystyle\frac{V_{OUT}}{V_{IN}}\right|\)のグラフを上図に示しています。

オンデューティ比\(D\)が0.5より大きい時は\(\left|\displaystyle\frac{V_{OUT}}{V_{IN}}\right|\)が1より大きく(\(|V_{OUT}|{>}|V_{IN}|\))、オンデューティ比\(D\)が0.5より小さい時は\(\left|\displaystyle\frac{V_{OUT}}{V_{IN}}\right|\)が1より小さく(\(|V_{OUT}|{<}|V_{IN}|\))なるため、昇降圧できることが式から分かります。

補足

  • 昇降圧コンバータは『バックブーストコンバータ(Buck-Boost Converter)』や『昇降圧チョッパ』とも呼ばれています。
  • 「入力電圧\(V_{IN}\)と出力電圧\(V_{OUT}\)が反転する」という特徴があるため、『反転型コンバータ』や『反転型チョッパ』とも呼ばれています。

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SEPICコンバータ

SEPICコンバータ

SEPICコンバータも昇圧も降圧もできるコンバータです。

SEPICコンバータはMOSFET\(Q\)、インダクタ\(L_1\),\(L_2\)、コンデンサ\(C\)、ダイオード\(D\)、出力コンデンサ\(C_{OUT}\)で構成されています。

昇圧も降圧もできるコンバータとしては、先ほど説明した昇降圧コンバータが有名ですが、昇降圧コンバータは「入力電圧\(V_{IN}\)と出力電圧\(V_{OUT}\)が反転する」という特徴がありました。

一方、SEPICコンバータは昇降圧コンバータと比較すると、インダクタとコンデンサが1つずつ多く必要となりますが、入力電圧\(V_{IN}\)と出力電圧\(V_{OUT}\)を同極性にすることができます

また、入力部にあるインダクタ\(L_1\)により、「入力電流リプルが小さい」といった特徴もあります。

SEPICコンバータの出力電圧\(V_{OUT}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_{OUT}=\frac{D}{1-D}V_{IN}\tag{5}
\end{eqnarray}

オンデューティ比が0.5より大きい時は昇圧動作(\(V_{OUT}{>}V_{IN}\))、0.5より小さいときは降圧動作(\(V_{OUT}{<}V_{IN}\))をします。

補足

  • SEPICコンバータの「SEPIC」は「Single Ended Primary Inductor Converter」の略であり、日本語では「セピック」と呼ぶことが多いです。

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Zetaコンバータ

Zetaコンバータ

Zetaコンバータも昇圧も降圧もできるコンバータです。

ZetaコンバータはMOSFET\(Q\)、インダクタ\(L_1\),\(L_2\)、コンデンサ\(C\)、ダイオード\(D\)、出力コンデンサ\(C_{OUT}\)で構成されています。

ZetaコンバータはInverse SEPIC(反転SEPIC)との別名があり、SEPICコンバータの入力と出力を反転させ、MOSFET\(Q\)とダイオード\(D\)を入れ替えた回路形態となっています。

SEPICコンバータは入力部にあるインダクタ\(L_1\)により、「入力電流リプルが小さい」といったメリットがありますが、「出力電流のリプルが大きい」といったデメリットがあります。

一方、ZetaコンバータはSEPICコンバータと真逆で、出力側にインダクタ\(L_2\)があるため、「出力電流リプルが小さい」といったメリットがありますが、「入力電流のリプルが大きい」といったデメリットがあります。

Zetaコンバータの出力電圧\(V_{OUT}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_{OUT}=\frac{D}{1-D}V_{IN}\tag{6}
\end{eqnarray}

オンデューティ比が0.5より大きい時は昇圧動作(\(V_{OUT}{>}V_{IN}\))、0.5より小さいときは降圧動作(\(V_{OUT}{<}V_{IN}\))をします。

補足

  • 「Zeta」は日本語では「ジータ」と呼ぶことが多いです。

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Cukコンバータ

Cukコンバータ

Cukコンバータも昇圧も降圧もできるコンバータです。

CukコンバータはMOSFET\(Q\)、インダクタ\(L_1\),\(L_2\)、コンデンサ\(C\)、ダイオード\(D\)、出力コンデンサ\(C\)\(C_{OUT}\)で構成されています。

昇圧も降圧もできるコンバータとしては、先ほど説明した昇降圧コンバータが有名ですが、昇降圧コンバータは「入力電流と出力電流のリプルが大きい」という特徴がありました。

一方、Cukコンバータは昇降圧コンバータと比較すると、インダクタとコンデンサ\(C\)が1つずつ多く必要となりますが、入力部にインダクタ\(L_1\)、出力部にインダクタ\(L_2\)があるため、入力電流と出力電流のリプルを小さくすることができます。

Cukコンバータの出力電圧\(V_{OUT}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_{OUT}=-\frac{D}{1-D}V_{IN}\tag{7}
\end{eqnarray}

Cukコンバータは「昇降圧でき、入力電流と出力電流のリプルも小さい」といった特徴がありますが、上式から分かるように、出力電圧\(V_{OUT}\)の式にマイナスがつきます。すなわち、「入力電圧\(V_{IN}\)と出力電圧\(V_{OUT}\)が反転する」という特徴があるので注意してください。

オンデューティ比が0.5より大きい時は昇圧動作(\(|V_{OUT}|{>}|V_{IN}|\))、0.5より小さいときは降圧動作(\(|V_{OUT}|{<}|V_{IN}|\))をします。

補足

  • Cukコンバータの「Cuk」はカリフォルニア工科大学の電気工学教授であるSlobodan Cukさんが発案したので名付けられています。
  • 「Cuk」は日本語では「チュック」や「チューク」と呼ぶことが多いです。

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フライバックコンバータ

フライバックコンバータ

フライバックコンバータは、昇圧も降圧もできる絶縁型コンバータです。

絶縁型コンバータにはフライバックコンバータフォワードコンバータなど様々な種類がありますが、フライバックコンバータは他の絶縁型コンバータと比較すると、部品点数が少なく、MOSFET\(Q\)、トランス\(T\)、ダイオード\(D\)、出力コンデンサ\(C_{OUT}\)のみで構成されています。トランス\(T\)は1次と2次を逆極性に接続しています。

フライバックコンバータの出力電圧\(V_{OUT}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_{OUT}=N×\frac{D}{1-D}V_{IN}\tag{8}
\end{eqnarray}

また、(8)式において\(N\)はトランス\(T\)の巻数比であり、一次巻線の巻数を\(N_1\)、二次巻線の巻数を\(N_2\)とすると、次式で表されます。

\begin{eqnarray}
N=\frac{N_2}{N_1}\tag{9}
\end{eqnarray}

なお、(8)式は昇降圧コンバータの出力電圧\(V_{OUT}\)の式に\(-N\)を掛けたものとなります。

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フォワードコンバータ

フォワードコンバータ

フォワードコンバータは、昇圧も降圧もできる絶縁型コンバータです。

フォワードコンバータはMOSFET\(Q\)、トランス\(T\)、ダイオード\(D_1\)、還流ダイオード\(D_2\)、インダクタ(チョークコイル)\(L_F\)、出力コンデンサ\(C_{OUT}\)で構成されています。トランス\(T\)は1次と2次を同極性に接続しています。

フォワードコンバータはフライバックコンバータよりも大電力を出力することができます。しかし、フライバックコンバータと比較すると、還流ダイオード\(D_2\)とインダクタ\(L_F\)が別途必要となります。

フォワードコンバータの出力電圧\(V_{OUT}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_{OUT}=N×DV_{IN}\tag{10}
\end{eqnarray}

また、(10)式において\(N\)はトランス\(T\)の巻数比であり、一次巻線の巻数を\(N_1\)、二次巻線の巻数を\(N_2\)とすると、次式で表されます。

\begin{eqnarray}
N=\frac{N_2}{N_1}\tag{11}
\end{eqnarray}

なお、(10)式は降圧コンバータの出力電圧\(V_{OUT}\)の式に\(N\)を掛けたものとなります。

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まとめ

この記事ではコンバータ(スイッチングレギュレータ)について、以下の内容を説明しました。

  • コンバータ(スイッチングレギュレータ)の『種類』と『特徴』
  • 昇圧コンバータの『特徴』
  • 降圧コンバータの『特徴』
  • 昇降圧コンバータの『特徴』
  • SEPICコンバータの『特徴』
  • Zetaコンバータの『特徴』
  • Cukコンバータの『特徴』
  • フライバックコンバータの『特徴』
  • フォワードコンバータの『特徴』

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