【SOT】パッケージの『種類(SOT-23など)』と『特徴』を解説!

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半導体(ICやトランジスタ等)のパッケージにはSOT(Small Outline Transistor)SOD(Small Outline Diode)など様々な種類があります。

この記事では『SOT』について

  • SOTとは
  • SOTの種類
    • ピンピッチが『0.5mm』のSOT-523
    • ピンピッチが『0.65mm』のSOT-323
    • ピンピッチが『0.95mm』のSOT-23
    • ピンピッチが『1.5mm』のSOT-89
    • ピンピッチが『1.9mm』のSOT-143
    • ピンピッチが『2.3mm』のSOT-223

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

SOTとは

『SOT』のパッケージの種類

SOTとは『Small Outline Transistor』の頭文字を取ったものです。

SOTはトランジスタのために開発された表面実装用のパッケージなので、3ピンのSOTが多いです。現在は、トランジスタだけでなくその他の半導体(ダイオード等)やICにもSOTを用いています。

SOTは上図に示すようにピンピッチの違いによりパッケージ名が異なります。

よく使われるパッケージとしては、ピンピッチが0.95mmSOT-23、ピンピッチが1.5mmSOT-89、ピンピッチが1.9mmSOT-143、ピンピッチが2.3mmSOT-223などがあります。

また、ピン数によってパッケージコードを変えて表記する場合もあったり、同じ形状でもメーカーにより様々な呼び方があります。

そのため、本記事では、『SOT』から始まるパッケージの種類と特徴をまとめました。参考にしていただければ幸いです。

SOT-523

SOT-523

SOT-523はピンピッチが0.5mmの表面実装型パッケージです。ピン数は3~6ピンがあります。

ピン数によってパッケージコードを変えて表記する場合があります。SOT-523の数字の真ん中("2"の箇所)が"4"になると4ピン(SOT-543)"5"になると5ピン(SOT-553)となります。

また、同じ形状でも様々な呼び方があります。例えば、「SOT-523」は東芝では「SSM」で呼ばれています。

ピンピッチ0.5mmのパッケージ

パッケージ
コード
JEDEC
コード
JEITA
コード
リード形ピン数サイズ
(W×L×H)
各メーカーの表記方法
SOT-523
SOT-416
SC-75
SC-75A
ガルウィング31.6×1.6×0.7【東芝】
・SSM
【ローム】
・EMD3(ダイオード)
・EMT3(トランジスタ)
SOT-416FL
SOT-490
SC-81
SC-89
フラットリード31.6×1.6×0.7【パナソニック】
・SSMini3-F3-B
【ローム】
・EMD3F(ダイオード)
・EMT3F(トランジスタ)
SOT-543SC-107Aフラットリード41.6×1.6×0.7【ローム】
・EMD4(ダイオード)
SOT-553SC-107BBフラットリード51.6×1.6×0.7【東芝】
・ESV
【ローム】
・EMD5(ダイオード)
・EMT5(トランジスタ)
SOT-563SC-107C
SC-75-6
フラットリード61.6×1.6×0.7【東芝】
・ES6
【ローム】
・EMD6(ダイオード)
・EMT6(トランジスタ)
【KEC】
・TES6
【その他の表記】
・SS-Mini6

補足

「SC-75A」は「SC-75」と比較すると3ピンが少し太くなっています。

また、パッケージサイズの高さが0.55mmでピンピッチが0.5mmの表面実装型パッケージもあります。以下に示します。

パッケージ
コード
JEDEC
コード
JEITA
コード
リード形ピン数サイズ
(W×L×H)
各メーカーの表記方法
SOT-665フラットリード51.6×1.6×0.55【パナソニック】
・SSMini5-F3-B
SOT-666
SOT-666-6
フラットリード61.6×1.6×0.55【パナソニック】
・SSMini6-F3-B

SOT-323

SOT-323

SOT-323はピンピッチが0.65mmの表面実装型パッケージです。ピン数は3~6ピンがあります。

ピン数によってパッケージコードを変えて表記する場合があります。SOT-323の数字の真ん中("2"の箇所)が"4"になると4ピン(SOT-343)"5"になると5ピン(SOT-353)となります。

なお、フラットリード品には末尾に"F"が付きます。例えば、4ピンのフラットリード品はSOT-343Fとなります。

また、同じ形状でも様々な呼び方があります。例えば、「SOT-323」は東芝では「USM」で呼ばれています。

ピンピッチ0.65mmのパッケージ

パッケージ
コード
JEDEC
コード
JEITA
コード
リード形ピン数サイズ
(W×L×H)
各メーカーの表記方法
SOT-323SC-70ガルウィング32.0×2.1×0.9【東芝】
・USM
【パナソニック】
・SMini3-G1-B
【ローム】
・UMD3(ダイオード)
・UMT3(トランジスタ)
【KEC】
・USM
SOT-323FSC-85フラットリード32.0×2.1×0.7【東芝】
・UFM
【パナソニック】
・SMini3-F2-B
【ローム】
・UMD3F(ダイオード)
・UMT3F(トランジスタ)
SOT-343SC-82
SC-82A
ガルウィング42.0×2.1×0.9【ローム】
・UMD4(ダイオード)
SOT-343Fフラットリード42.0×2.1×0.7
SOT-353SC-88A
SC-70-5
ガルウィング52.0×2.1×0.9【東芝】
・USV
【ローム】
・UMD5(ダイオード)
・UMT5(トランジスタ)
【KEC】
・USV
SOT-353FSC-113CBフラットリード52.0×2.1×0.7【パナソニック】
・SMini5-F3-B
SOT-363SC-88
SC-70-6
ガルウィング62.0×2.1×0.9【東芝】
・US6
【ローム】
・UMD6(ダイオード)
・UMT6(トランジスタ)
【KEC】
・US6
【その他の表記】
・S-Mini6
SOT-363FSC-113DBフラットリード52.0×2.1×0.7【東芝】
・UF6
【パナソニック】
・SMini6-F3-B

なお、ピンピッチが0.65mmのノンリード(リードがない)の表面実装型パッケージもあります。以下に示します。

パッケージ
コード
JEDEC
コード
JEITA
コード
リード形ピン数サイズ
(W×L×H)
各メーカーの表記方法
SOT-1118ノンリード62.0×2.0×0.75【東芝】
・UDFN6
SOT-1220ノンリード62.0×2.0×0.75【東芝】
・UDFN6B

SOT-23

SOT-23

SOT-23はピンピッチが0.95mmの表面実装型パッケージです。ピン数は3~6ピンがあります。

ピン数によってパッケージコードを変えて表記する場合があります。例えば、5ピンの場合には、「SOT-23-5」や「SOT-25」等と表記されることがあります。

また、同じ形状でも様々な呼び方があります。例えば、「SOT-23-3」は東芝では「S-Mini」で呼ばれています。

なお、「SOT-23」と「SOT23-3」はピンピッチが0.95mmで3ピンの表面実装型パッケージですが、サイズが「2.9×2.4×1.0」の場合もあれば「2.9×2.8×1.1」の場合もあるので注意してください。

ピンピッチ0.95mmのパッケージ

パッケージ
コード
JEDEC
コード
JEITA
コード
リード形ピン数サイズ
(W×L×H)
各メーカーの表記方法
SOT-23
SOT-23-3
TO-236ABガルウィング32.9×2.4×1.0【パナソニック】
・NMini3-R1-B
【ローム】
・SSD3(ダイオード)
・SST3(トランジスタ)
SOT-23
SOT-23-3
SOT-346
TO-236
TO-236AA
SC-59
SC-59A
ガルウィング32.9×2.8×1.1【東芝】
・S-mini
【パナソニック】
・Mini3-G3-B
【ローム】
・SMD3(ダイオード)
・SMT3(トランジスタ)
【その他の表記】
・MPAK
SOT-25
SOT-23-5
SOT-753
MO-178
MO-178AA
SC-74Aガルウィング52.9×2.8×1.1【東芝】
・SMV
【パナソニック】
・Mini5-G3-B
【ローム】
・SMD5(ダイオード)
・SMT5(トランジスタ)
SOT-26
SOT-23-6
SOT-457
MO-178ABSC-74
SC-59-6
ガルウィング62.9×2.8×1.1【東芝】
・SM6
【パナソニック】
・Mini6-G4-B
【ローム】
・SMD6(ダイオード)
・SMT6(トランジスタ)
【KEC】
・TS6
【その他の表記】
・SSOT-6
・TSOP6
SOT-346TSC-96ガルウィング32.9×2.8×0.85【ローム】
・TSMT3(トランジスタ)
ガルウィング52.9×2.8×0.85【ローム】
・TSMD5(ダイオード)
SC-95ガルウィング62.9×2.8×0.85【ローム】
・TSMD6(ダイオード)
・TSMT6(トランジスタ)
SOT-23Fフラットリード32.9×2.4×0.8

SOT-89

SOT-89

SOT-89はピンピッチが1.5mmの表面実装型パッケージです。ピン数は3ピン,5ピンがあります(3ピンの方が一般的です)。

ピン数によってパッケージコードを変えて表記する場合があります。例えば、5ピンの場合には、「SOT-89-5」と表記されることがあります。

また、同じ形状でも様々な呼び方があります。例えば、「SOT-89」と「SOT-89-3」はロームでは「MPT3」で呼ばれています。

ピンピッチ1.5mmのパッケージ

パッケージ
コード
JEDEC
コード
JEITA
コード
リード形ピン数サイズ
(W×L×H)
各メーカーの表記方法
SOT-89
SOT-89-3
TO-243AASC-62フラットリード34.5×4.0×1.5【ローム】
・MPT3(トランジスタ)
【ルネサス】
・Power Mini Mold
【その他の表記】
・UPAK
SOT-89-5フラットリード54.5×4.0×1.5

SOT-143

SOT-143

SOT-143はピンピッチが1.9mmの表面実装型パッケージです。ピン数は4ピンがあります。

1つのピンだけ他のピンより幅広になっているのが特徴です。

同じ形状でも様々な呼び方があります。「SOT-143」はパナソニックでは「Mini4-G4-B」で呼ばれています。

ピンピッチ1.9mmのパッケージ

パッケージ
コード
JEDEC
コード
JEITA
コード
リード形ピン数サイズ
(W×L×H)
各メーカーの表記方法
SOT-143TO-253
TO-253AA
SC-61A
SC-61B
ガルウィング42.9×2.8×1.1【パナソニック】
・Mini4-G4-B

SOT-223

SOT-223

SOT-223はピンピッチが2.3mmの表面実装型パッケージです。ピン数は4ピン~8ピンがあります。

4ピンの時にピンピッチが2.3mmとなっています。5ピンの「SOT-223-5」はパッケージの片方の側面から足が5本出ており、ピンピッチは1.27mmとなります。8ピンの「SOT-223-8」はパッケージの両方の側面から足が4本ずつでおり、ピンピッチは1.53mmとなります。

ピンピッチ2.3mm(←4ピンのみ)のパッケージ

パッケージ
コード
JEDEC
コード
JEITA
コード
リード形ピン数サイズ
(W×L×H)
各メーカーの表記方法
SOT-223
SOT-223-4
TO-261AASC-73ガルウィング46.5×7.0×1.8
SOT-223-5ガルウィング56.5×7.0×1.8
SOT-223-8ガルウィング86.5×7.0×1.6

また、SC-64(TO-251)をフォーミングして表面実装できるようにしたパッケージである「SOT-428」もピンピッチが2.3mmとなっています。以下に示します。

パッケージ
コード
JEDEC
コード
JEITA
コード
リード形ピン数サイズ
(W×L×H)
各メーカーの表記方法
SOT-428TO-252
TO-252AA
SC-63ガルウィング36.5×9.5×2.3【ローム】
・CPT3(トランジスタ)
【その他の表記】
・DPAK

その他のSOTから始まるパッケージ

今まで説明したパッケージ以外にもSOTから始めるものがあります。以下に示します。

パッケージ
コード
JEDEC
コード
JEITA
コード
リード形ピン数サイズ
(W×L×H)
ピンピッチ各メーカーの表記方法
SOT-723SC-105AAガルウィング31.2×1.2×0.50.4【東芝】
・VESM
【ローム】
・VMD3(ダイオード)
・VMT3(トランジスタ)
SOT-883SC-101ノンリード30.6×1.0×0.380.35【東芝】
・CST3
【パナソニック】
・ML3-N4-B
SOT-923SC-116Bフラットリード30.6×1.0×0.380.175【パナソニック】
・USSMini3-F1-B

まとめ

この記事では半導体(ICやトランジスタ等)のパッケージの『SOT』について、以下の内容を説明しました。

  • SOTとは
  • SOTの種類
    • ピンピッチが『0.5mm』のSOT-523
    • ピンピッチが『0.65mm』のSOT-323
    • ピンピッチが『0.95mm』のSOT-23
    • ピンピッチが『1.5mm』のSOT-89
    • ピンピッチが『1.9mm』のSOT-143
    • ピンピッチが『2.3mm』のSOT-223

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