半導体やICのパッケージにはSONやLSONなど様々な種類があります。
この記事では『SON』が付くパッケージの種類について詳しく説明しています。
SONとは
SON(Small Outline Non-leaded package)はリードがなく、代わりに電極パッドが接続用の端子として用意されたパッケージです。電極パッドはパッケージの2側面から出ています。
リードがないため、チップサイズとほぼ同じ大きさでパッケージを製作することができます。
また、SONの前に英文字が付くことで、「パッケージ取り付け高さ」や「パッケージの材質」等が変わります。例えば、「L」はパッケージ取り付け高さLが『1.20mm<高さL≦1.70mm』ということを意味しています。そのため、SONの前に「L」がついた「LSON」はパッケージの取り付け高さが『1.20mm<高さL≦1.70mm』のSONということになります。
電極パッドがパッケージの4側面から出ているものは、QFN(Quad Flat Non-leaded package)と呼ばれています。
パッケージ取り付け高さを表す英文字の追加
SONの前に「L」,「T」,「V」,「W」等が付くと、パッケージ取り付け時の高さが変わります。
LSON
SONの前に付いている「L」はパッケージ取り付け高さLが『1.20mm<高さL≦1.70mm』ということを意味しています。
そのため、「LSON(Low-Profile SON)」はパッケージの取り付け高さが『1.20mm<高さL≦1.70mm』のSONということになります。
TSON
SONの前に付いている「T」はパッケージ取り付け高さTが『1.00mm<高さT≦1.20mm』ということを意味しています。
そのため、「TSON(Thin Small SON)」はパッケージの取り付け高さが『1.00mm<高さT≦1.20mm』のSONということになります。
VSON
SONの前に付いている「V」はパッケージ取り付け高さVが『0.80mm<高さV≦1.00mm』ということを意味しています。
そのため、「VSON(Very thin SON)」はパッケージの取り付け高さが『0.80mm<高さV≦1.00mm』のSONということになります。
WSON
SONの前に付いている「W」はパッケージ取り付け高さWが『0.65mm<高さW≦0.80mm』ということを意味しています。
そのため、「WSON(Very-Very thin SON)」はパッケージの取り付け高さが『0.65mm<高さW≦0.80mm』のSONということになります。
USON
SONの前に付いている「U」はパッケージ取り付け高さUが『0.50mm<高さU≦0.65mm』ということを意味しています。
そのため、「USON(Ultra thin SON)」はパッケージの取り付け高さが『0.50mm<高さU≦0.65mm』のSONということになります。
XSON
SONの前に付いている「X」はパッケージ取り付け高さXが『高さX≦0.50mm』ということを意味しています。
そのため、「XSON(Extra thin SON)」はパッケージの取り付け高さが『高さX≦0.50mm』のSONということになります。
外形上の機能追加を表す英文字の追加
SONの前に「H」が付くと、「ヒートシンク付き(基板実装面側の面にサーマルパッドと呼ばれる放熱面が追加)」のパッケージとなります。
HSON
SONの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HSON(SON with Heat Sink)」はヒートシンク付きのSONということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。
HLSON
LSONの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HLSON(LSON with Heat Sink)」はヒートシンク付きのLSONということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。
HTSON
TSONの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HTSON(TSON with Heat Sink)」はヒートシンク付きのTSONということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。
HVSON
VSONの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HVSON(VSON with Heat Sink)」はヒートシンク付きのVSONということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。
HWSON
WSONの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HWSON(WSON with Heat Sink)」はヒートシンク付きのWSONということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。
HUSON
USONの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HUSON(USON with Heat Sink)」はヒートシンク付きのUSONということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。
HXSON
XSONの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。
そのため、「HXSON(XSON with Heat Sink)」はヒートシンク付きのXSONということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。
材料を表す英文字の追加
SONの前に「P-」,「C-」が付くと、パッケージの材質が変わります。
P-SON
SONの前に付いている「P-」は「プラスチック」を表します。
そのため、「P-SON(Plastic SON)」はパッケージ材質がプラスチックのSONということになります。
C-SON
SONの前に付いている「C-」は「セラミック」を表します。
そのため、「C-SON(Ceramic SON)」はパッケージ材質がセラミックのSONということになります。
本記事のまとめ
この記事では半導体やICのパッケージの『SON』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- SONとは
- SONの前に付く英文字により「パッケージ取り付け高さ」や「パッケージ材質」が変わる
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