『QFN』とは?パッケージの種類を解説!【半導体&IC】

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半導体(ICやトランジスタ等)のパッケージにはQFN(Quad Flat Non-leaded package)SON(Small Outline Non-leaded package)など様々な種類があります。

この記事では『QFN』について

  • QFNとは
  • QFNの種類

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

QFNとは

QFNとは

QFN(Quad Flat Non-leaded package)はリードがなく、代わりに電極パッドが接続用の端子として用意されたパッケージです。電極パッドはパッケージの4側面から出ています。

リードがないため、チップサイズとほぼ同じ大きさでパッケージを製作することができます。

また、QFNの前に英文字が付くことで、「パッケージ取り付け高さ」や「パッケージの材質」等が変わります。例えば、「L」はパッケージ取り付け高さLが『1.20mm<高さL≦1.70mm』ということを意味しています。そのため、QFNの前に「L」がついた「LQFN」はパッケージの取り付け高さが『1.20mm<高さL≦1.70mm』のQFNということになります。

『SON』と『QFN』の違い

電極パッドがパッケージの2側面から出ているか4側面から出ているかでパッケージ名称が変わります。

  • 2側面から出ている:SON(Small Outline Non-leaded package)
  • 4側面から出ている:QFN(Quad Flat Non-leaded package)

SON(Small Outline Non-leaded package)』については下記の記事で詳しく説明しています。興味のある方は下記のリンクからぜひチェックをしてみてください。

『QFP』・『QFJ』・『QFN』の違い

パッケージの4側面から出ているものが、ガルウィング形(L字形)のリードかJ字形のリードか電極パッドかでパッケージ名称が変わります。

  • ガルウィング形(L字形)のリード:QFP(Quad Flat Package)
  • J字形のリード:QFJ(Quad Flat J-leaded package)
  • 電極パッド:QFN(Quad Flat Non-leaded package)

QFP(Quad Flat Package)』と『QFJ(Quad Flat J-leaded package)』については下記の記事で詳しく説明しています。興味のある方は下記のリンクからぜひチェックをしてみてください。

『QFP』とは?パッケージの種類を解説!【半導体&IC】
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『QFJ』とは?パッケージの種類を解説!【半導体&IC】
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パッケージ取り付け高さを表す英文字の追加

QFNの前に「L」,「T」,「V」,「W」等が付くと、パッケージ取り付け時の高さが変わります。

LQFN

QFNの前に付いている「L」はパッケージ取り付け高さLが『1.20mm<高さL≦1.70mm』ということを意味しています。

そのため、「LQFN(Low-Profile QFN)」はパッケージの取り付け高さが『1.20mm<高さL≦1.70mm』のQFNということになります。

TQFN

QFNの前に付いている「T」はパッケージ取り付け高さTが『1.00mm<高さT≦1.20mm』ということを意味しています。

そのため、「TQFN(Thin QFN)」はパッケージの取り付け高さが『1.00mm<高さT≦1.20mm』のQFNということになります。

VQFN

QFNの前に付いている「V」はパッケージ取り付け高さVが『0.80mm<高さV≦1.00mm』ということを意味しています。

そのため、「VQFN(Very thin QFN)」はパッケージの取り付け高さが『0.80mm<高さV≦1.00mm』のQFNということになります。

WQFN

QFNの前に付いている「W」はパッケージ取り付け高さWが『0.65mm<高さW≦0.80mm』ということを意味しています。

そのため、「WQFN(Very-Very thin QFN)」はパッケージの取り付け高さが『0.65mm<高さW≦0.80mm』のQFNということになります。

UQFN

QFNの前に付いている「U」はパッケージ取り付け高さUが『0.50mm<高さU≦0.65mm』ということを意味しています。

そのため、「UQFN(Ultra thin QFN)」はパッケージの取り付け高さが『0.50mm<高さU≦0.65mm』のQFNということになります。

XQFN

QFNの前に付いている「X」はパッケージ取り付け高さXが『高さX≦0.50mm』ということを意味しています。

そのため、「XQFN(Extra thin QFN)」はパッケージの取り付け高さが『高さX≦0.50mm』のQFNということになります。

外形上の機能追加を表す英文字の追加

QFNの前に「H」が付くと、「ヒートシンク付き(基板実装面側の面にサーマルパッドと呼ばれる放熱面が追加)」のパッケージとなります。

HQFN

QFNの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。

そのため、「HQFN(QFN with Heat Sink)」はヒートシンク付きのQFNということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。

HLQFN

LQFNの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。

そのため、「HLQFN(LQFN with Heat Sink)」はヒートシンク付きのLQFNということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。

HTQFN

TQFNの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。

そのため、「HTQFN(TQFN with Heat Sink)」はヒートシンク付きのTQFNということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。

HVQFN

VQFNの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。

そのため、「HVQFN(VQFN with Heat Sink)」はヒートシンク付きのVQFNということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。

HWQFN

WQFNの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。

そのため、「HWQFN(WQFN with Heat Sink)」はヒートシンク付きのWQFNということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。

HUQFN

UQFNの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。

そのため、「HUQFN(UQFN with Heat Sink)」はヒートシンク付きのUQFNということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。

HXQFN

XQFNの前に付いている「H」は「ヒートシンク付き」を表します。

そのため、「HXQFN(XQFN with Heat Sink)」はヒートシンク付きのXQFNということになります。基板実装面側の面に、サーマルパッドと呼ばれる放熱面が設けられています。

材料を表す英文字の追加

QFNの前に「P-」,「C-」,「S-」が付くと、パッケージの材質が変わります。

P-QFN

QFNの前に付いている「P-」は「プラスチック」を表します。

そのため、「P-QFN(Plastic QFN)」はパッケージ材質がプラスチックのQFNということになります。

C-QFN

QFNの前に付いている「C-」は「セラミック」を表します。

そのため、「C-QFN(Ceramic QFN)」はパッケージ材質がセラミックのQFNということになります。

S-QFN

QFNの前に付いている「S-」は「シリコン」を表します。

そのため、「S-QFN(Silicon QFN)」はパッケージ材質がシリコンのQFNということになります。

QFNと同様のパッケージ

LCC,CLCC

LCC(Lead Chip Carrier)」,「CLCC(Ceramic Lead Chip Carrier)」はパッケージ材質がセラミックのQFNです。JEITAのパッケージコードでは「C-QFN」に相当します。米国で1980年代に呼称されました。

DFN

DFN(Dual Flatpack No-leaded)」は電極パッドがパッケージの2側面または4側面から出ています。1側面のみに電極パッドがあるものもあります。

まとめ

この記事では半導体(ICやトランジスタ等)のパッケージの『QFN』について、以下の内容を説明しました。

  • QFNとは
  • QFNの前に付く英文字により「パッケージ取り付け高さ」や「パッケージ材質」が変わる

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