この記事ではツェナーダイオードの『電流定格』について
- ツェナーダイオードの電流定格の一覧
- 平均整流電流IF
- 繰り返しせん頭順電流IFRM
- 最大ツェナー電流IZM
- 最大サージツェナー電流IZSM
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
ツェナーダイオードの電流定格
ツェナーダイオードのデータシートの絶対最大定格を見ると電流定格が記載されています。
データシートにより記載されている内容が異なりますが、電流定格には「平均整流電流IF」、「繰り返しせん頭順電流IFRM」、「最大ツェナー電流IZM」、「最大サージツェナー電流IZSM」など様々な種類があります。
次に各電流定格について順番に説明します。
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平均整流電流IF
ツェナーダイオードの絶対最大定格に記載されている平均整流電流IFは、「流すことができる順方向電流の平均値の最大値」です。
英語のデータシートでは、平均整流電流IFは「Continuous Forward Current」や「Forward Current」等で記載されています。
繰り返しせん頭順電流IFRM
ツェナーダイオードの絶対最大定格に記載されている繰り返しせん頭順電流IFRMは、「指定条件における繰り返し順方向電流のピーク値」です。
特に指定がない場合、パルス幅tp=10msの半波正弦波が指定条件であることが多いです。
英語のデータシートでは、繰り返しせん頭順電流IFRMは「Repetitive Peak Forward Current」等で記載されています。
最大ツェナー電流IZM
ツェナーダイオードの絶対最大定格に記載されている最大ツェナー電流IZMは、その名の通り「ツェナー電流の最大値」です。
もう少し具体的に説明すると、「電力定格を超えることなくツェナーダイオードに流すことができる電流値」となります。
ツェナー電流IZが大きい場合、ツェナーダイオードにかかる電力(PZ=IZ×VZ)が大きくなるため、ツェナーダイオードが昇温します(VZはツェナー電圧)。昇温した結果、ツェナーダイオードの温度定格を超えると、損傷する可能性があります。そのため、ツェナー電流には最大値が規定されています。
英語のデータシートでは、最大ツェナー電流IZMは「Maximum Zener Current」等で記載されています。
最大サージツェナー電流IZSM
ツェナーダイオードの絶対最大定格に記載されている最大サージツェナー電流IZSMは、「指定条件におけるツェナーサージ電流の非反復ピーク値」です。
指定条件は例えば、「tp=100μs, square wave, Ta=25℃ prior to surge」のようにデータシート上に記載されています。
英語のデータシートでは、最大サージツェナー電流IZSMは「Non-repetitive Peak Reverse Current」や「Maximum Zener Surge Current」等で記載されています。
まとめ
この記事ではツェナーダイオードの『電流定格』について、以下の内容を説明しました。
- ツェナーダイオードの電流定格の一覧
- 平均整流電流IF
- 繰り返しせん頭順電流IFRM
- 最大ツェナー電流IZM
- 最大サージツェナー電流IZSM
お読み頂きありがとうございました。
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