この記事ではダイオードの『接合容量』について
- ダイオードの接合容量の説明
- 接合容量の電圧特性について
を図を用いて分かりやすく説明しています。
ダイオードの『接合容量』とは
ダイオードはP型半導体とN型半導体を接続したものですが、このP型半導体とN型半導体の境界には空乏層と呼ばれるキャリア(正孔や自由電子)がほとんどない領域があります。
そのため、ダイオードは『P型半導体(正孔が多く存在)とN型半導体(自由電子が多く存在)のキャリアがある領域』が『空乏層という絶縁体』を挟む構造となっています。この構造はコンデンサの構造と似ています。そのため、PN接合部分には静電容量が生じています。
この「PN接合部分に生じる静電容量」を接合容量と呼びます。
補足
- 接合容量は「端子間容量」と呼ばれることもあります。
- 接合容量は英語では「Junction Capacitance」と書きます。
接合容量の電圧特性
ダイオードの『接合容量C-逆方向電圧VR特性』を上図に示しています。ダイオードに印加する逆方向電圧(カソードにプラス、アノードにマイナス)VRが大きいほど、空乏層の幅が広くなるため、接合容量Cが小さくなります。
この特性を積極的に利用した素子が可変容量ダイオード(バリキャップやバラクタとも呼ばれている)です。可変容量ダイオードはその名の通り、接合容量が変化するダイオードであり、ダイオードに印加する逆方向電圧VRで容量を可変させています。
なお、可変容量ダイオード以外のダイオードでも接合容量は存在します。一例として下記にルネサス製1S2076Aのデータシートの一部を示します。指定条件(VR=1V, f=1MHz)でのダイオードの接合容量の値(C=3pF)が記載されています。
まとめ
この記事ではダイオードの『接合容量』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- ダイオードの接合容量の説明
- 接合容量の電圧特性について
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