『テブナンの定理』と『ノートンの定理』の違い!

スポンサーリンク


この記事ではテブナンの定理ノートンの定理について

  • テブナンの定理ノートンの定理の『違い』と『変換方法』

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

『テブナンの定理』と『ノートンの定理』の違い

『テブナンの定理』と『ノートンの定理』の違い

テブナンの定理ノートンの定理も『複数の電源で構成されている回路(図1)』を『シンプルな等価回路』に変換することができる定理です。

テブナンの定理ノートンの定理の特徴を下記に示します。

テブナンの定理

端子A-B間を開放した時の開放電圧が\(V_O\)、端子A-B間を開放した時の合成抵抗が\(R_O\)の時、『複数の電源で構成されている回路(図1)』を『電圧源\(V_O\)抵抗\(R_O\)直列接続されている等価回路(図2)』に変換することができる定理。

この時、抵抗\(R\)に流れる電流\(I\)は次式で表すことができる。

\begin{eqnarray}
I=\frac{V_O}{R_O+R}\tag{1}
\end{eqnarray}

テブナンの定理については、下記の記事で詳しく説明しています。

テブナンの定理とは?分かりやすく説明します!

ノートンの定理

端子A-B間を短絡した時の短絡電流が\(I_O\)、端子A-B間を開放した時の合成コンダクタンスが\(G_O\)の時、『複数の電源で構成されている回路(図1)』を『電流源\(I_O\)コンダクタンス\(G_O\)並列接続されている等価回路(図3)』に変換することができる定理。

この時、抵抗\(R\)にかかる電圧\(V\)は次式で表すことができる。

\begin{eqnarray}
V=\frac{I_O}{G_O+G}\tag{2}
\end{eqnarray}

ノートンの定理については、下記の記事で詳しく説明しています。

ノートンの定理とは?分かりやすく説明します!

『テブナンの定理』と『ノートンの定理』の変換方法

『テブナンの定理』と『ノートンの定理』の変換方法

上図に示す回路(図4)において、テブナンの定理を用いると、『電圧源\(V_O\)と抵抗\(R_O\)が直列接続されている等価回路(図5)』に変換することができます。この時、電圧源\(V_O\)と抵抗\(R_O\)は以下の値となります。

\begin{eqnarray}
V_O&=&\frac{20}{3}{\mathrm{[V]}}\tag{3}\\
\\
R_O&=&\frac{4}{3}{\mathrm{[{\Omega}]}}\tag{4}
\end{eqnarray}

上式の導出方法については、下記の記事で詳しく説明しています。

テブナンの定理とは?分かりやすく説明します!

一方、上図に示す回路(図4)において、ノートンの定理を用いると、『電流源\(I_O\)とコンダクタンス\(G_O\)が並列接続されている等価回路(図6)』に変換することができます。この時、電流源\(I_O\)とコンダクタンス\(G_O\)は以下の値となります。

\begin{eqnarray}
I_O&=&5{\mathrm{[A]}}\tag{5}\\
\\
G_O&=&\frac{3}{4}{\mathrm{[S]}}\tag{6}
\end{eqnarray}

上式の導出方法については、下記の記事で詳しく説明しています。

ノートンの定理とは?分かりやすく説明します!

また、電圧源と電流源は等価変換することができます。変換式は次式となります。

電圧源と電流源の変換式

\begin{eqnarray}
V_O&=&r_iI_O\tag{7}\\
\\
r_v&=&r_i\tag{8}
\end{eqnarray}

電圧源と電流源の変換については下記の記事で説明しています。

電圧源と電流源の『違い』と『変換方法』について!

(7)式において、\(r_v\)は電圧源\(V_O\)の内部抵抗であり、\(r_i=R_O\)となります。\(r_i\)は電流源\(I_O\)の内部抵抗であり、\(r_i=\displaystyle\frac{1}{G_O}\)となります。

電圧源と電流源の変換式に(3)式と(4)式を代入すると、次式が成り立ちます。

電圧源➡電流源への置換

\begin{eqnarray}
I_O&=&\frac{V_O}{r_v}=\frac{V_O}{R_O}=\frac{\displaystyle\frac{20}{3}}{\displaystyle\frac{4}{3}}=5{\mathrm{[V]}}\tag{9}\\
\\
G_O&=&\frac{1}{r_i}=\frac{1}{r_v}=\frac{1}{R_O}=\frac{1}{\displaystyle\frac{4}{3}}=\frac{3}{4}{\mathrm{[S]}}\tag{10}
\end{eqnarray}

(9)式と(10)式は(5)式と(6)式に等しくなります。したがって、電圧源と電流源の変換式を用いれば、『テブナンの定理によって変換した電圧源\(V_O\)と抵抗\(R_O\)が直列接続されている等価回路(図5)』を『電流源\(I_O\)とコンダクタンス\(G_O\)が並列接続されている等価回路(図6)』に変換することができます。

同様に電圧源と電流源の変換式に(5)式と(6)式を代入すると、次式が成り立ちます。

電流源➡電圧源への置換

\begin{eqnarray}
V_O&=&r_iI_O=\frac{1}{G_O}I_O=\frac{1}{\displaystyle\frac{3}{4}}×5=\frac{20}{3}{\mathrm{[V]}}\tag{11}\\
\\
r_v&=&r_i=\frac{1}{G_O}=\frac{1}{\displaystyle\frac{3}{4}}=\frac{4}{3}{\mathrm{[{\Omega}]}}\tag{12}
\end{eqnarray}

(11)式と(12)式は(3)式と(4)式に等しくなります。したがって、電圧源と電流源の変換式を用いれば、『テブナンの定理によって変換した電圧源\(V_O\)と抵抗\(R_O\)が直列接続されている等価回路(図5)』を『電流源\(I_O\)とコンダクタンス\(G_O\)が並列接続されている等価回路(図6)』に変換することができるということになります。

まとめ

この記事ではテブナンの定理ノートンの定理について、以下の内容を説明しました。

  • テブナンの定理ノートンの定理の『違い』と『変換方法』

お読み頂きありがとうございました。

当サイトでは電気に関する様々な情報を記載しています。当サイトの全記事一覧は以下のボタンから移動することができます。

全記事一覧

また、下記に当サイトの人気記事を記載しています。ご参考になれば幸いです。

スポンサーリンク