インダクタ(コイル)

『飽和磁束密度(最大磁束密度)』とは?詳しく説明します

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飽和磁束密度とは

『飽和磁束密度(最大磁束密度)』とは?
飽和磁束密度\(B_S\)とは、磁性体(コア)が磁気飽和する時の磁束密度のことを言います。

B-H曲線を用いて、もう少し詳しく説明します。

コイル(インダクタ)は、磁性体(コア)に巻線を巻くことで構成されています。コイル(インダクタ)に流す電流\(I[A]\)と磁界の強さ\(H[A/m]\)には比例関係があるため、コイル(インダクタ)に流す電流\(I[A]\)が大きくすると、磁界の強さ\(H[A/m]\)が大きくなります。

また、理想的には、磁界の強さ\(H[A/m]\)と磁束密度\(B[T]\)は比例関係にあり、透磁率\({\mu}\)を用いると以下の式で表されます。
\begin{eqnarray}
B={\mu}H
\end{eqnarray}
つまり、電流\(I[A]\)が大きくなる(磁界の強さ\(H[A/m]\)が大きくなる)と、磁束密度\(B[T]\)も大きくなります。

しかし、実際には、透磁率\({\mu}\)は必ずしも一定の値ではなく、磁界の強さ\(H[A/m]\)によって変化するため、B-H曲線はヒステリシスカーブを描きます。

このB-H曲線は徐々に緩やかになり、最終的には、電流\(I[A]\)を流しても(磁界の強さ\(H[A/m]\)が大きくなっても)磁束密度\(B[T]\)が一定となります。その箇所が飽和磁束密度\(B_S\)となります。飽和磁束密度\(B_S\)の箇所では、透磁率\({\mu}\)が非常に小さくなり、真空での透磁率\({\mu}_0(=4{\pi}×10^{-7})\)に近い値となります。

飽和磁束密度の箇所では、コイル(インダクタ)が磁気飽和しているため、インダクタンスが急激に減少し空芯コイル(コアのないコイル)と同じ状態になります。磁気飽和している場合、下図のようにコイル(インダクタ)に電圧を印可すると過大な電流が流れるようになります。
『飽和磁束密度(最大磁束密度)』の時の電流波形

この過大な電流は以下の式において、インダクタンス\(L\)が小さくなると、電流の変化率\(\displaystyle\frac{di}{dt}\)が大きくなることから分かります。
\begin{eqnarray}
V=L\frac{di}{dt}
\end{eqnarray}

補足

  • 飽和磁束密度\(B_S\)の変数を\(B_sat\)としている参考書もよく見かけます。
  • 飽和磁束密度\(B_S\)は、最大磁束密度\(B_M\)と等価です。
  • 飽和磁束密度\(B_S\)は、英語では『Saturation Magnetic Flux Density』と書きます。
  • B-H曲線は、B-Hカーブ、磁気ヒステリシス曲線、ヒステリシスカーブとも呼ばれています。
  • 磁性体(コア)は磁束を集める能力に限界があるため、磁界の強さ\(H[A/m]\)が大きくなるにつれ、B-H曲線は徐々に緩やかになります。

その他

コイル(インダクタ)に流す電流\(I[A]\)と磁界の強さ\(H[A/m]\)の関係式については後日アップします。
この曲線についての詳細は後日アップします。

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