インダクタ(コイル)

『ヒステリシス損失』とは?「式」や「原因」について詳しく説明します

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『ヒステリシス損失』とは?

『ヒステリシス損失』とは
鉄・フェライト・コバルトなどの磁性体に巻線を巻いたコイル(インダクタ)に電流\(I\)を流すと磁界(磁場)\(H\)が発生します。この磁界\(H\)によって、磁性体は磁化を帯びます(磁化されます)。

コイルに交流電流を流した場合、交番磁界(時間と共に大きさと方向が変化を繰り返す磁界)が発生しますが、鉄心のヒステリシスによって、磁束密度\(B\)はヒステリシスループを描きます。

ヒステリシス損失とは、ヒステリシスループで囲まれた面積となります。ヒステリシスループ1周による鉄心のエネルギー損失\(W_H\)は以下の式で表されます(\(K_H\):鉄心材料のヒステリシス係数、\(B_M\):最大磁束密度)。
\begin{eqnarray}
W_H={K_H}{{B_M}^{1.6}}
\end{eqnarray}

上式は1周でのエネルギー損失\(W_H\)となっています。周波数\(f\)で磁性体を磁化させる場合、ヒステリシスループは1秒間に\(f\)回周ることになるため、ヒステリシス損失\(P_H\)は

\begin{eqnarray}
P_H={K_H}f{{B_M}^{1.6}}
\end{eqnarray}

となります。

これらの式は理論式ではなく、スタインメッツ(Steinmetz)というアメリカの電気工学者が実験から求めた実験式となっています。

最大磁束密度\(B_M\)にある「1.6」は材料の条件によっては、「2」とする場合があります。そのため、参考書によって「1.6」の場合もあれば「2」の場合もあります。

補足

  • ヒステリシス損失は鉄損の一要因です(もう一要因は渦電流損)。
  • ヒステリシス損失は、鉄心内の磁束方向の変化によって、鉄心中の磁気分子の方向と配列が変化し、分子相互間で摩擦が生じることによるものです。
  • ヒステリシス損失は、英語では『Hysteresis loss』と書きます。
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