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【透磁率のまとめ】特徴や比透磁率などの用語などを詳しく説明します!

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この記事では、透磁率について基本的な内容を説明した後、透磁率の特徴透磁率の関連用語(比透磁率・初透磁率・最大透磁率)などをついて詳しく説明します。

透磁率とは

透磁率とは
透磁率(とうじりつ)とは物質の磁束の通りやすさ(磁化のしやすさ)のこと意味します。

物質を磁界の中に置くと、物質は磁気を帯びて磁石と同じような性質となります(上図の場合、A側がS極でB側がN極の磁石のような感じです)。このとき、磁界の強さH[A/m]を大きくすると、物質中の磁束密度B[T](磁石としての強さを表す)も比例して大きくなります。この時の変化率のことを透磁率μといいます。

磁界の強さH[A/m]、物質中の磁束密度B[T]、透磁率μの関係を式で表すと、
\begin{eqnarray}
B={\mu}H
\end{eqnarray}
となります。この透磁率μの単位は[H/m](ヘンリー毎メートル)または[N/A2](ニュートン毎平方アンペア)となります。なお、一般的には、この後に説明する比透磁率μrの方が透磁率μより多く用いられています。

この時、磁界の強さH[A/m]が同じの場合、透磁率μが大きい(磁束が通りやすい)ほど、物質中の磁束密度B[T]が大きくなります。すなわち、透磁率μが大きいほど、物質中を通る磁束が増えて磁石としての強さが増すということになります。

比透磁率とは

比透磁率とは
比透磁率μrとは、真空の透磁率μ0(=4π×10-7[H/m])を基準の”1”として、相対的に物質の透磁率を表したものです。すなわち、式で書くと、物質の透磁率μと真空の透磁率μ0との比であり、以下の式で表されます。
\begin{eqnarray}
{\mu}_r=\frac{{\mu}}{{\mu}_0}
\end{eqnarray}
木材やアルミニウムのような物質は物質中に磁束がほとんど通らないため、磁石としての性質がなく、比透磁率μrはほぼ1となります。一方、鉄などの磁石にくっつく物質は物質中に磁束が通りやすく、磁石としての性質があり、比透磁率μrは5000程度となります。なお、比透磁率μr"比"透磁率なので単位はありません。

補足

  • 透磁率は英語では『Magnetic Permeability』といいます。
  • 透磁率は磁束密度B[T]と磁界の強さH[A/m]の関係を表すB-Hカーブ(磁化曲線)の傾きになります(この記事の後半に詳しく説明しています)。
  • 比透磁率μrの大きさによって常磁性体強磁性体反磁性体に分類されます。
  • 具体的には鉄の比透磁率μrは120~20000程度と状態によって変わります。

【透磁率の特徴】磁界の強さ(≒電流の大きさ)によって変化します

【透磁率の特徴】磁界の強さ(≒電流の大きさ)によって変化します
先ほど、磁界の強さH[A/m]と磁束密度B[T]は比例関係にあり、透磁率μを用いると
\begin{eqnarray}
B={\mu}H
\end{eqnarray}
の関係式が成り立つことを説明しました。つまり、磁束密度B[T]と磁界の強さH[A/m]の関係を表すB-Hカーブ(磁化曲線)は上図の青色の直線となり、この青色の線の傾きが透磁率μとなります。青色の直線は傾きが変わらないため、透磁率μは一定ということになります。

しかし、実際のB-Hカーブは上図の赤色の線のようになり、透磁率μは一定ではなく、磁界の強さH[A/m]によって、透磁率μが大きく変化します(B-Hカーブの傾きが変わっているのは透磁率μが変化しているためです)。また、磁界の強さH[A/m]は電流の大きさに比例するため、電流の大きさによって、透磁率μが大きく変化するということにもなります。

初透磁率μiと最大透磁率μmについて

初透磁率μiと最大透磁率μmについて
透磁率μには初透磁率μi最大透磁率μmという用語があります。

上図は磁束密度B[T]と磁界の強さH[A/m]の関係を表すB-Hカーブ(磁化曲線)と、透磁率μと磁界の強さH[A/m]の関係を表すμ-Hカーブ(μ曲線)です。μ-Hカーブ(μ曲線)はB-Hカーブ(磁化曲線)の傾き(θ)の大きさを示しています。

このB-Hカーブ(磁化曲線)とμ-Hカーブ(μ曲線)において、初透磁率μiと最大透磁率μmは以下の箇所を示しています。

  • 初透磁率μi
  • 磁界の強さH[A/m]が0の時における透磁率μです。一般的に透磁率と呼ばれるのは、この初透磁率μ0のことであり、フェライト材などのデータシートに載っているのも初透磁率μiの値となっています。

  • 最大透磁率μm
  • B-Hカーブ(磁化曲線)における透磁率μの最大値です。最大透磁率μmを超えると、透磁率μは徐々に減少していきます。

補足

磁界の強さH[A/m]が大きくなる(電流の大きさが増える)と磁束密度B[T]が増加しますが、やがて最大磁束密度BMに達し、それ以上磁束密度B[T]が増加しない状態となります。この状態が磁気飽和の状態です。磁気飽和に近づくにつれて、透磁率μは低下するため、インダクタンスも小さくなり、コイルとしての作用が小さくなります。

透磁率μと誘電率εは似ています

透磁率μと誘電率εは似ています
透磁率μとは物質の磁束の通りやすさ(磁化のしやすさ)のこと意味します。一方、誘電率εとは物質の誘電分極のしやすさのこと意味します。

この透磁率μと誘電率εはとても似ている関係なのです。

透磁率μには真空の透磁率μ0(=4π×10-7[H/m])を基準の”1”として、相対的に物質の透磁率を表した比誘電率μrがあることを説明しました。一方、誘電率には真空の誘電率ε0 (=8.85×10-12[F/m])を基準の”1”として、相対的に物質の誘電率を表した比誘電率ε0があります。透磁率と誘電率を整理すると上表のようになります。

まとめ

この記事では『透磁率』について、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • 透磁率とは
  • 比透磁率とは
  • 透磁率は磁界の強さ(≒電流の大きさ)によって変化すること
  • 初透磁率と最大透磁率について
  • 透磁率と誘電率について

お読み頂きありがとうございました。

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