CRタイマー回路について!【オペアンプで作成】

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この記事では『CRタイマー回路』について

  • オペアンプで作成するCRタイマー回路とは
  • オペアンプで作成するCRタイマー回路のシミュレーション

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

オペアンプで作成するCRタイマー回路

オペアンプで作成するCRタイマー回路

上図に示しているのは、オペアンプ、コンデンサ\(C_1\)、抵抗\(R_1\)~\(R_3\)で構成されているCRタイマー回路です。

上図の回路では、\(t=0{\mathrm{[s]}}\)で電源を入力してから、約60秒後にLEDが点灯するように(LEDに電流\(I_{LED}\)が流れるように)、コンデンサや抵抗の素子値を調整しています。

オペアンプの反転入力端子(「-」の端子)にかかる電圧\(V^-\)は、電源電圧\(V\)を抵抗\(R_1\)と抵抗\(R_2\)で分圧した電圧が入力されているため、一定値となります。

一方、オペアンプの非反転入力端子(「+」の端子)にかかる電圧\(V^+\)は、コンデンサ\(C_1\)にかかる電圧が入力されているため、電源が入力されると、コンデンサ\(C_1\)が充電されることで、オペアンプの非反転入力端子にかかる電圧\(V^+\)が徐々に増加します。

オペアンプの非反転入力端子にかかる電圧\(V^+\)」が「オペアンプの反転入力端子にかかる電圧\(V^-\)」を超えると、オペアンプの出力端子の電圧が高くなるため、LEDが点灯します(LEDに電流\(I_{LED}\)が流れます)。

補足

  • 電源の再入力時には、コンデンサ\(C_1\)に蓄えられている電荷を放電させなければ、LEDが点灯するまでの時間が短くなってしまいます。そのため、コンデンサ\(C_1\)の電荷放電用にスイッチ\(SW\)をコンデンサ\(C_1\)と並列に接続しています。
  • オペアンプではなく、コンパレータを使用してもCRタイマー回路は作成可能です。

オペアンプで作成するCRタイマー回路のシミュレーション

オペアンプで作成するCRタイマー回路のシミュレーション

LTspiceを用いて、CRタイマー回路をシミュレーションしてみましょう。

上図の左側に「シミュレーション回路図」、右側に「オペアンプの反転入力端子にかかる電圧\(V^-\)」、「オペアンプの非反転入力端子にかかる電圧\(V^+\)」、「LEDに流れる電流\(I_{LED}\)」の波形を示しています。

シミュレーション結果を見ると、\(t=0{\mathrm{[s]}}\)で電源を入力してから、約60秒後にLEDが点灯している(LEDに電流\(I_{LED}\)が流れている)ことが確認できます。

次に、「オペアンプの反転入力端子にかかる電圧\(V^-\)」と「オペアンプの非反転入力端子にかかる電圧\(V^+\)」についてもう少し詳しく説明します。

オペアンプの反転入力端子は、電源電圧\(V\)を抵抗\(R_1\)と抵抗\(R_2\)で分圧した電圧が入力されています。そのため、「オペアンプの反転入力端子にかかる電圧\(V^-\)」は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
V=\frac{R_2}{R_1+R_2}×V=\frac{12}{10+12}×10{\;}{\approx}{\;}5.5{\mathrm{[V]}}
\end{eqnarray}

一方、オペアンプの非反転入力端子は、コンデンサ\(C_1\)にかかる電圧が入力されています。上図に示している回路の場合、抵抗\(R_3\)が\(820{\mathrm{[k{\Omega}]}}\)、コンデンサ\(C_1\)が\(100{\mathrm{[μF]}}\)なので、時定数\({\tau}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
{\tau}=CR=100{\mathrm{[μF]}}×820{\mathrm{[k{\Omega}]}}=100×10^{-6}×820×10^3=82{\mathrm{[s]}}
\end{eqnarray}

オペアンプの非反転入力端子にかかる電圧\(V^+\)」は、電源入力時の時間を\(t=0{\mathrm{[s]}}\)とすると、時間\(t\)が時定数\({\tau}\)となった時に、電源電圧\(V\)の\(63.2{\mathrm{[{\%}]}}\))になります。

シミュレーション結果を見ると、「\(t={\tau}=CR=82{\mathrm{[s]}}\)」になった時に、「オペアンプの非反転入力端子にかかる電圧\(V^+\)」が\(6.32{\mathrm{[V]}}\)(電源電圧\(V=10{\mathrm{[V]}}\)の\(63.2{\mathrm{[{\%}]}}\))になっていることが分かります。

コンデンサ\(C_1\)の充電速度は抵抗\(R_3\)が大きい場合には遅くなり、抵抗\(R_3\)が小さい場合には早くなります。

あわせて読みたい

時定数』については下記の記事で詳しく説明しています。興味のある方は下記のリンクからぜひチェックをしてみてください。

まとめ

この記事では『CRタイマー回路』について、以下の内容を説明しました。

  • オペアンプで作成するCRタイマー回路とは
  • オペアンプで作成するCRタイマー回路のシミュレーション

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