その他

【静電誘導と誘電分極】違いと原理を図で詳しく説明します!

更新日:

スポンサーリンク

静電誘導とは

静電誘導
導体(金属のような電気を通す物質)に帯電体を近づけると、導体の帯電体に近い側には帯電体とは逆の電荷を生じ、帯電物体と離れた側には帯電体とは同じ電荷が生じます。このように、導体に帯電体を近づけると、導体内部の電荷に偏りが生じる現象を静電誘導といいます。

■図解
①導体に対して、帯電体を近づける等を行い、電界(電場)をかけます。
②導体内部には自由に動ける電荷(自由電子といい、マイナスの電荷です)があります。この自由電子が電界(電場)と逆向きに移動します。
③外からの電界(電場)と打ち消しあうまで、導体内部の自由電荷が移動します。この例だと、自由電子は導体の左側によるため、負に帯電します。一方、導体の右側は自由電子が減るため、正に帯電します。その結果、導体内部に電界(電場)が生じます。
④外からの電界(電場)と導体内部の電界(電場)が打ち消しあい、導体内部の電界(電場)はゼロとなります。また、電界(電場)がないため、導体内部は等電位となります。なお、導体表面に誘導された電荷に電気力線が終端され、導体表面において、電気力線は導体表面と垂直になります。

■帯電体を近づけるほど静電誘導で発生する電荷量が大きくなる
導体内の正の電荷と負の電荷は同じです。帯電体を近づけるほど、誘導される電荷の量は大きくなり、遠ざけるほど誘導される電荷の量は小さくなります。

■コンデンサ内に導体を入れることで直列接続となる
コンデンサ内に導体を入れる
このように導体内部は電気的に独立しています。図のようにコンデンサ内部に導体を入れることで、極板間隔の狭い2つのコンデンサをつなげた形となります。すなわち、コンデンサの直列接続となります。

誘電分極とは

誘電分極
絶縁体(下敷きのような電気を通さない物質)に帯電体を近づけると、絶縁体内部の分子や原子内の電子(マイナスの電荷)が静電気力を受けます。この電子は導体とは異なり自由に移動できる自由電子ではありません。そのため、分子や原子から離れることができず、個々の分子や原子で電荷の偏りが生じ、全体として電荷の偏りが発生します。これによって、絶縁体の帯電体に近い側には帯電体とは逆の電荷を生じ、帯電物体と離れた側には帯電体とは同じ電荷が生じます。これを誘電分極といいます。

■図解
①絶縁体に対して、帯電体を近づける等を行い、電界(電場)をかけます。
②分子・原子は最初、ランダムな方向に向いていて、全体としては電荷の偏りが無いのですが、電界(電場)を受けることで個々の分子・原子内の電子が静電気力を受けます。
③個々の分子・原子内がすべて偏り、隣同士の電荷は打ち消し合います。
④最終的に残る電荷は絶縁体の表面のみになります(一番外側は打ち消し合うことができないから)。なお、静電誘導と異なり、自由に動ける電子がないため、外からの電界(電場)を打ち消し合うことはできません。

静電誘導と誘電分極時の電界(電場)と電位のグラフ

静電誘導と誘電分極時の電界(電場)と電位のグラフ
では静電誘導時と誘電分極時の電界(電場)と電位のグラフはどのようになっているでしょうか。
上図は正電荷と負電荷を蓄えている極板の間において、電極間に何も挿入していないとき、誘電体(誘電率が小)を挿入したとき、誘電体(誘電率が大)を挿入したとき、導体を挿入したときの様子です。
■電極間に何も挿入していないとき
正電荷から負電荷に向かって電界が生じます。このとき電界の強さは一定です。電界の強さは一定なので、電位は直線的に変化します。

■電極間に誘電体(誘電率が小)を挿入したとき
誘電体(誘電率が小)が電極間に挟まると、誘電体で誘電分極が発生します。誘電分極によって、外から生じている電界と誘電体内で生じている電界の一部が打ち消し合い、誘電体内の電界が弱まります。また、一部のみ打ち消し合うため、電気力線の一部は誘電体内をそのまま通過します。これはすなわち、誘電体内には電界が存在し、電位差が生じるということになります。

■電極間に誘電体(誘電率が大)を挿入したとき
誘電体の誘電率が大きい場合は、誘電体の分極が大きくなり、電場の打ち消しが大きくなります。そのためよりいっそう誘電体内の電界が弱まります。また、通過する電気力線の数が減少するため、誘電体が小さいときと比較すると、電位差が小さくなります。これはつまり、誘電体の誘電率が大きいほど、誘電体内で生じる電圧は小さくなります。また言い換えると、電圧が同じ場合、誘電体挟まっているほど、そして大きいほど、多くの電荷を蓄えることができます。これがコンデンサに誘電体を利用している理由です。誘電率が大きい材料を挟むほど大きな容量のコンデンサを作ることができます。

■電極間に導体を挿入したとき
次に導体を挿入した場合です。正電荷側には負電荷が誘導され、負電荷側には正電荷が誘導されます。これは、導体内の自由電荷が外部の電界を打ち消し合うまで移動するため、導体内部には電界は生じません。つまりこれは、導体内では電位差が生じないということになります。
話は変わりますが、誘電率が大きくなるほど挿入した物体内部の電界が小さくことがわかりました。つまり、内部の電界がゼロである導体は誘電率がほぼ無限大と考えることができます。しかし、誘電体なら電極に接しても分極が生じますが、導体は電極に接すると電流が流れてしまうので性質が異なる点はありますよ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

Copyright© Electrical Information , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.