この記事では、バイポーラトランジスタに抵抗を内蔵した素子である『デジタルトランジスタ』について
- デジタルトランジスタの『回路記号』・『デジタルの意味』・『メリット』
などを図を用いて分かりやすく説明しています。
デジタルトランジスタ(デジトラ)とは?
デジタルトランジスタ(デジトラ)とは、バイポーラトランジスタに抵抗を内蔵した素子です。
デジタルトランジスタは抵抗内蔵トランジスタとも呼ばれています。
デジタルトランジスタではベース抵抗RBのことを入力抵抗R1、ベースエミッタ間抵抗RBEのことを入力抵抗R2と表します。
バイポーラトランジスタをスイッチ用途として用いる場合、ベース抵抗RBとベースエミッタ間抵抗RBEを接続し、入力電圧vINをHigh電圧⇔Low電圧と切り替えることで、バイポーラトランジスタをON/OFF制御するのが一般的です。
デジタルトランジスタには、このベース抵抗RBとベースエミッタ間抵抗RBEが内蔵されているので、入力電圧vINを印可するだけで、ON/OFF制御することができます。
入力抵抗R1とR2の抵抗比率(R2/R1)により、トランジスタがオンする電圧(入力オン電圧)とトランジスタがオフする電圧(入力オフ電圧)を変えることができます。
ベース抵抗RBとベースエミッタ間抵抗RBEの役割、デジタルトランジスタの抵抗比率については以下の記事を参照してください。
【『ベース抵抗』と『ベースエミッタ間抵抗』の役割】なんで付いているの?
【デジタルトランジスタ(デジトラ)】入力抵抗と抵抗比率について
デジタルトランジスタを最初に開発して特許化したのはMOSFETやICなど電子部品などで有名なロームです。
デジタルトランジスタのデジタルの由来
デジタルトランジスタには、ベース抵抗RBとベースエミッタ間抵抗RBEが内蔵されているので、外部に素子を追加せず、入力電圧vINを印可するだけで、デジタル的にトランジスタをON/OFF制御することができます。
これがデジタルトランジスタと言われている由来です。
デジタルトランジスタ(デジトラ)の種類
大きく分けてデジタルトランジスタには4種類あります。
バイポーラトランジスタと同じように、デジタルトランジスタにもNPN型とPNP型があります。
そして、入力抵抗(ベースエミッタ間抵抗)R2が接続されているものと接続されていないものがあります。
デジタルトランジスタ(デジトラ)の回路記号
回路記号には現在決まりはありません。
様々な書き方があります。
NPNトランジスタを例にとり、ネットや参考書等にある回路記号を上図にまとめています。
デジタルトランジスタ(デジトラ)のメリット
バイポーラトランジスタに抵抗を内蔵しているため主に以下の4つのメリットがあります。
- 実装面積の削減
- 実装時間の削減
- 実装費の削減
- 部品点数の削減
- トランジスタ単体コストの削減