PFC回路(力率改善回路)の蚭蚈方法【詳现説明】

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この蚘事ではPFC回路(力率改善回路)の蚭蚈方法を図を甚いおかなり詳しく説明したす。

PFC回路(力率改善回路)は動䜜モヌドずしお、臚界モヌド(BCMモヌド)、電流連続モヌド(CCMモヌド)、電流䞍連続モヌド(DCMモヌド)がありたす。

䞀般的に200W皋床たでの小電力では臚界モヌド、200Wを超える倧電力では電流連続モヌドで動䜜するように制埡を行いたす。

たず、臚界モヌドの蚭蚈方法から詳しく説明したす。電流連続モヌドの蚭蚈方法に぀いおは、この蚘事の埌半に蚘茉しおいたす。

PFC回路(力率改善回路)の蚭蚈方法(臚界モヌド/BCMモヌド)

PFC回路(力率改善回路)の蚭蚈方法(臚界モヌド_BCMモヌド)
今回の蚭蚈条件を以䞋に瀺したす。

条件(臚界モヌド)

  • 入力電圧(実効倀)VINRMS85V264V
  • →最小入力電圧(実効倀)を「VINRMS(MIN)=85[V]」、最倧入力電圧(実効倀)を「VINRMS(MAX)=264[V]」ずしたす。

  • 入力電圧の呚波数fAC50Hz
  • 出力電圧VOUT400V
  • 出力電力POUT150W
  • 最小スむッチング呚波数fSW(MIN)50Hz
  • →BCMモヌドではスむッチング呚波数は入力電圧や負荷によっお倉わりたす。蚭蚈では最小スむッチング呚波数fSW(MIN)を甚いお蚭蚈を行いたす。最小スむッチング呚波数fSW(MIN)は可聎範囲より倧きな呚波数に蚭定しおください。最小スむッチング呚波数fSW(MIN)を小さくするずスむッチング損倱を䜎枛するこずができたすが、むンダクタの倧型化・EMIフィルタの倧型化によっおコストアップずなりたす。䞀般的にはfSW(MIN)は30[kHz]60[kHz]皋床で蚭蚈するこずが倚いです。

  • 出力電圧リプルVOUTRIPPLE10V
  • 出力電圧の過電圧保護閟倀VOUTOVP440V
  • 保持時間tHOLD20ms
  • →出力電圧がVOUT=400[V]からVOUT(MIN)=300[V]になるたでの時間です。

  • 効率η90%
  • 力率cosφ1.0

䞊蚘の条件を甚いおこれから臚界モヌドにおける力率改善回路(PFC回路)の蚭蚈を行うが、最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)時、MOSFETやむンダクタに流れる電流が最倧ずなり、その結果、電力損倱も最倧ずなりたす。そのため、蚭蚈においおは最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)を甚いお蚭蚈を行いたす。

電力の蚈算

PFC回路の蚭蚈にあたり、最初に入力電力PINず皮盞電力Sを導出する必芁がありたす。

入力電力PIN

入力電力PINは、出力電力POUTず効率ηより以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{IN}=\frac{P_{OUT}}{{\eta}}=166.666[W]
\end{eqnarray}

皮盞電力S

皮盞電力Sは、入力電力PINず力率cosφより以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
S=\frac{P_{IN}}{cosφ}=\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ}=166.666[VA]
\end{eqnarray}

電流の蚈算

【PFC回路】入力電流の導出
次に入力電流ず出力電流を導出したす。ここで求めた入力電流ず出力電流はむンダクタやMOSFETの蚭蚈の際に䜿甚するパラメヌタです。

入力電流の導出

最倧入力電流(実効倀)IINRMS(MAX)

最倧入力電流(実効倀)IINRMS(MAX)は、皮盞電力Sず最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)より、以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{INRMS(MAX)}=\frac{S}{V_{INRMS(MIN)}}=\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}=1.960[A]
\end{eqnarray}
通垞は、䞊匏のように力率cosφが分母に入りたす。しかし、前提条件ずしお力率cosφを”1”ずするこずで、力率cosφを省略しおいる論文等もありたす。

最倧入力電流(ピヌク倀)IINPEAK(MAX)

入力電流を正匊波ず仮定するず、最倧入力電流(ピヌク倀)IINPEAK(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{INPEAK(MAX)}=\sqrt{2}I_{INRMS(MAX)}= \sqrt{2}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}=2.772[A]
\end{eqnarray}

最倧入力電流(平均倀)IINAVE(MAX)

同様に、入力電流を正匊波ず仮定するず、最倧入力電流(平均倀)IINAVE(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{INAVE(MAX)}=\frac{2}{{\pi}}I_{INPEAK(MAX)}=\displaystyle\frac{2\sqrt{2}}{{\pi}}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}=1.765[A]
\end{eqnarray}
なお、正匊波の実行倀ず平均倀の求め方に぀いおは以䞋の蚘事に詳しく蚘茉しおいたす。

出力電流の導出

出力電流IOUT

出力電流IOUTは、出力電力POUTず出力電圧VOUTから以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{OUT}=\frac{P_{OUT}}{V_{OUT}}=0.375[A]
\end{eqnarray}

電圧の蚈算

次に入力電圧(ピヌク倀)を導出したす。ここで求めた入力電圧(ピヌク倀)はむンダクタやMOSFETの蚭蚈の際に䜿甚するパラメヌタです。

最倧入力電圧(ピヌク倀)VINPEAK(MAX)

最倧入力電圧(ピヌク倀)VINPEAK(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{INPEAK(MAX)}= \sqrt{2}V_{INRMS(MAX)}=373.352[V]
\end{eqnarray}

ブリッゞダむオヌドの蚭蚈

ブリッゞダむオヌドの蚭蚈では必芁定栌電圧・必芁定栌電流・消費電力(損倱)を導出したす。ここで求めた必芁定栌電圧ず必芁定栌電流を満たすブリッゞダむオヌドを遞定したす。

ブリッゞダむオヌドの必芁定栌電圧の導出

最倧ブリッゞダむオヌド電圧VBRIDGE(MAX)

最倧ブリッゞダむオヌド電圧VBRIDGE(MAX)は最倧入力電圧(ピヌク倀)VINPEAK(MAX)ず等しくなるため、以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{BRIDGE(MAX)}= V_{INPEAK(MAX)}=373.352[V]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、ブリッゞダむオヌドの必芁定栌電圧VBRIDGE(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{BRIDGE(RATED)}=\frac{V_{BRIDGE(MAX)}}{0.8}=466.690[V]
\end{eqnarray}

ブリッゞダむオヌドの必芁定栌電流の導出

最倧ブリッゞダむオヌド電流(平均倀)IBRIDGEAVE(MAX)

最倧ブリッゞダむオヌド電流(平均倀)IBRIDGEAVE(MAX)は最倧入力電流(平均倀)IINAVE(MAX)ず等しくなるため、以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{BRIDGEAVE(MAX)}=I_{INAVE(MAX)}=1.765[A]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、ブリッゞダむオヌドの必芁定栌電流IBRIDGEAVE(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{BRIDGEAVE(RATED)}=\frac{ I_{BRIDGEAVE(MAX)}}{0.8}=2.207[A]
\end{eqnarray}

ブリッゞダむオヌドの消費電力(損倱)の導出

ブリッゞダむオヌドの消費電力(損倱)は䞻に順方向電圧VFによる導通損倱ずなりたす。

ブリッゞダむオヌドの導通損倱PBRIDGE

ブリッゞダむオヌドの導通損倱PBRIDGEは「ブリッゞダむオヌド内の2぀のダむオヌドの順方向電圧VFず最倧ブリッゞダむオヌド電流(平均倀)IBRIDGEAVE(MAX)」から導出するこずができ、以䞋の倀ずなりたす。ここでは順方向電圧VFを1.0[V]ずしおいたす。
\begin{eqnarray}
P_{BRIDGE}= I_{BRIDGEAVE(MAX)}×2V_{F}=\frac{4\sqrt{2}}{{\pi}}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}} V_{F}=3.531[W]
\end{eqnarray}

むンダクタの蚭蚈

むンダクタの蚭蚈ではむンダクタ電流・むンダクタンスL・むンダクタの導通損倱を導出したす。最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)で飜和しないむンダクタを遞定したす。

むンダクタ電流の導出

【PFC回路】CCMモヌドずBCMモヌド

最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)

むンダクタLに流れる電流は、䞊図のように入力電流iINにリプル電流が重畳したす。ここで、䞊図より明らかですが、BCMモヌドの堎合、最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)は最倧入力電流(ピヌク倀)IINPEAK(MAX)の2倍ずなるため、以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{LPEAK(MAX)}= 2I_{INPEAK(MAX)}=2\sqrt{2}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}=5.546[A]
\end{eqnarray}

最倧むンダクタ電流(実効倀)ILRMS(MAX)

最倧むンダクタ電流(実効倀)ILRMS(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{LRMS(MAX)}= \frac{I_{LPEAK(MAX)}}{\sqrt{6}}=\frac {2}{\sqrt{3}}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}=2.264[A]
\end{eqnarray}

むンダクタンスの導出

むンダクタンスL

むンダクタンスLは以䞋の倀ずなりたす。むンダクタンスLは最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)、最小スむッチング呚波数fSW(MIN)の条件で蚭蚈したす。
\begin{eqnarray}
L{≥} \frac{{\eta}×{\cos}{\varphi}×{V_{INRMS(MIN)}}^2×(V_{OUT}-\sqrt{2} V_{INRMS(MIN)})}{2×P_{OUT}×V_{OUT}×f_{SW(MIN)}}=303.224[uH]
\end{eqnarray}
䞊匏の導出は少し耇雑ですので、この蚘事の最埌の補足に導出方法を説明しおいたす。

むンダクタの導通損倱の導出

ここで、遞定したむンダクタの盎流抵抗RLを0.1Ωずするず、むンダクタの導通損倱PLは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{L}=R_{L}{ I_{LRMS(MAX)}}^2=0.513[W]
\end{eqnarray}

MOSFETの蚭蚈

MOSFETの蚭蚈では必芁定栌電圧・必芁定栌電流・消費電力(損倱)を導出したす。ここで求めた必芁定栌電圧ず必芁定栌電流を満たすMOSFETを遞定したす。

MOSFETの必芁定栌電圧の導出

最倧MOSFET電圧VS(MAX)

最倧MOSFET電圧VS(MAX)は、出力電圧の過電圧保護閟倀VOUTOVPに出力ダむオヌドDの順方向電圧VFDが加わった倀ずなりたす。ここでは順方向電圧VFDを1Vずしたす。
\begin{eqnarray}
V_{S(MAX)}= V_{OUTOVP}+V_{FD}=441.000[V]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、MOSFETの必芁定栌電圧VS(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{S(RATED)}=\frac{V_{S(MAX)}}{0.8}=551.250[V]
\end{eqnarray}

MOSFETの必芁定栌電流の導出

最倧MOSFET電流(ピヌク倀)ISPEAK(MAX)

最倧MOSFET電流(ピヌク倀)ISPEAK(MAX)は最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)ず等しいため以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SPEAK(MAX)}= I_{LPEAK(MAX)}=5.546[A]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、MOSFETの必芁定栌電流(ピヌク倀)ISPEAK(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SPEAK(RATED)}=\frac{I_{SPEAK(MAX)}}{0.8}=6.932[A]
\end{eqnarray}

最倧MOSFET電流(実効倀)ISRMS(MAX)

最倧MOSFET電流(実効倀)ISRMS(MAX)は最倧むンダクタ電流(実効倀)ILRMS(MAX)を甚いるず以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SRMS (MAX)}&=&I_{LRMS (MAX)}×\sqrt{1-\displaystyle\frac{8\sqrt{2}×V_{INRMS(MIN)}}{3{\pi}V_{OUT}}}\\
&=& \frac {2}{\sqrt{3}}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}×\sqrt{1-\displaystyle\frac{8\sqrt{2}×V_{INRMS(MIN)}}{3{\pi}V_{OUT}}}\\
&=&1.954[A]
\end{eqnarray}
たた最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)を䜿甚した䞋匏でも同様の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SRMS (MAX)}&=&I_{LPEAK(MAX)}×\sqrt{\displaystyle\frac{1}{6}-\displaystyle\frac{4\sqrt{2}×V_{INRMS(MIN)}}{9{\pi}V_{OUT}}}\\
&=&2\sqrt{2}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}×\sqrt{\displaystyle\frac{1}{6}-\displaystyle\frac{4\sqrt{2}×V_{INRMS(MIN)}}{9{\pi}V_{OUT}}}\\
&=&1.954[A]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、MOSFETの必芁定栌電流(実効倀)ISRMS(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SRMS(RATED)}=\frac{I_{SRMS(MAX)}}{0.8}=2.443[A]
\end{eqnarray}

MOSFETの消費電力(損倱)の導出

MOSFETの消費電力(損倱)には導通損倱、スむッチング損倱、ディスチャヌゞ損倱がありたす。ここで、遞定したMOSFETのパラメヌタが䞋蚘だず仮定しお、損倱蚈算を行いたす。䞋蚘のデヌタはMOSFETのデヌタシヌトに蚘茉されおいるので、遞定したMOSFETによっお倉えおください。

  • オン抵抗RON0.8Ω
  • 立ち䞊がり時間TR10ns
  • 立ち䞋がり時間TF10ns
  • 出力容量COSS100pF

MOSFETの導通損倱PSCOND

最倧MOSFET電流(実効倀)ISRMS(MAX)ずオン抵抗RONより、導通損倱PSCONDは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{SCOND}=R_{ON}{I_{SRMS(MAX)}}^2=3.055[W]
\end{eqnarray}

MOSFETのスむッチング損倱PSSW

BCMモヌドの堎合、MOSFETのタヌンオン時は流れおいる電流が0Aなので、タヌンオン損倱は無芖できたす。したがっお、スむッチング損倱はタヌンオフ損倱のみを考慮したす。たた、垞に最倧MOSFET電流(ピヌク倀)ISPEAK(MAX)でタヌンオフするわけではないため、最倧MOSFET電流(ピヌク倀)ISPEAK(MAX)の平均化を行いたす。タヌンオフ点をプロットするず、正匊波ずなっおおり、そのピヌク倀は入力電流の2倍ずなりたす。したがっお、タヌンオフ点をプロットするこずにより䜜成された正匊波の平均倀ISOFFAVEは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SOFFAVE}=2I_{INAVE(MAX)}=3.531[A]
\end{eqnarray}
たた、BCMモヌドでは入力電圧の倧きさにより、スむッチング呚波数が垞に倉化しおいたす。そのため、スむッチング損倱を導出する際には最小スむッチング呚波数fSW(MIN)ではなく、平均スむッチング呚波数fSW(AVE)を䜿甚したす。平均スむッチング呚波数fSW(AVE)は厳密には求めるこずが困難のため、ここでは最小スむッチング呚波数fSW(MIN)を1.2倍した倀を平均スむッチング呚波数fSW(AVE)ず定矩したす。
\begin{eqnarray}
f_{SW(AVE)}=1.2×f_{SW(MIN)}=60[kHz]
\end{eqnarray}
以䞊より、MOSFETのスむッチング損倱PSSWは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{SSW}=\frac{1}{6}V_{OUT} I_{SOFFAVE}×T_{F}×f_{SW(AVE)}=0.141[W]
\end{eqnarray}
䞊匏のスむッチング損倱の導出方法は以䞋の蚘事に蚘茉しおいたす。

MOSFETのディスチャヌゞ損倱PSCOSS

MOSFETのタヌンオン時においお、出力容量COSSに蓄積された電荷が攟電するこずでディスチャヌゞ損倱PSCOSSが発生したす。このディスチャヌゞ損倱PSCOSSは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{SCOSS}=\frac{1}{2}C_{OSS}{V_{OUT}}^2 f_{SW(AVE)}=0.480[W]
\end{eqnarray}

以䞊をたずめるず、MOSFETの合蚈損倱PSは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{S}=P_{SCOND}+ P_{SSW}+ P_{SCOSS}=3.676[W]
\end{eqnarray}

ダむオヌドの蚭蚈

ダむオヌドの蚭蚈では必芁定栌電圧・必芁定栌電流・消費電力(損倱)を導出したす。ここで求めた必芁定栌電圧ず必芁定栌電流を満たすダむオヌドを遞定したす。

ダむオヌドの必芁定栌電圧の導出

最倧ダむオヌド電圧VD(MAX)

MOSFETのオン時、ダむオヌドには出力電圧VOUTが印加されたす。そのため、出力電圧の過電圧保護閟倀VOUTOVPを甚いるず、最倧ダむオヌド電圧VD(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{D(MAX)}=V_{OUTOVP}=440.000[V]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、ダむオヌドの必芁定栌電圧VD(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{D(RATED)}=\frac{V_{D(MAX)}}{0.8}=550.000[V]
\end{eqnarray}

ダむオヌドの必芁定栌電流の導出

最倧ダむオヌド電流(ピヌク倀)IDPEAK(MAX)

最倧ダむオヌド電流(ピヌク倀) IDPEAK(MAX)は最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)ず等しいため以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{DPEAK(MAX)}= I_{LPEAK(MAX)}=5.546[A]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、ダむオヌドの必芁定栌電流(ピヌク倀)IDPEAK(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{DPEAK(RATED)}=\frac{I_{DPEAK(MAX)}}{0.8}=6.932[A]
\end{eqnarray}

最倧ダむオヌド電流(平均倀)IDAVE(MAX)

出力コンデンサCOUTに流れる電流の平均倀は0Aずなりたす。そのため、最倧ダむオヌド電流(平均倀)IDAVE(MAX)は出力電流IOUTず等しくなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{DAVE(MAX)}= I_{OUT}=0.375[A]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、ダむオヌドの必芁定栌電流(平均倀)IDAVE(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{DAVE(RATED)}=\frac{I_{DAVE(MAX)}}{0.8}=0.496[A]
\end{eqnarray}

ダむオヌドの消費電力(損倱)の導出

ダむオヌドの消費電力(損倱)は䞻に順方向電圧VFDによる導通損倱ずなりたす。

ダむオヌドの導通損倱PDCOND

ダむオヌドの導通損倱PDCONDは以䞋の倀ずなりたす。ここでは順方向電圧VFDを1.0[V]ずしおいたす。
\begin{eqnarray}
P_{DCOND}= I_{DAVE(MAX)}V_{FD}=0.375[W]
\end{eqnarray}

出力コンデンサの蚭蚈

出力コンデンサの蚭蚈では容量を導出したす。たた、補足ずしお出力コンデンサに流れる電流も導出しおいたす。

出力コンデンサの容量の導出

出力コンデンサCOUTの容量はこれから説明する「出力電圧リプル」ず「保持時間」で求めた容量のうち、倧きい容量にディレヌティングを考慮しお遞定したす。

出力電圧リプルVOUTRIPPLE

出力電圧リプルVOUTRIPPLEは以䞋の匏で導出するこずができたす。
\begin{eqnarray}
V_{OUTRIPPLE}=\frac{I_{OUT}}{2{\pi}f_{AC}C_{OUT}}=\frac{P_{OUT}}{2{\pi}f_{AC}C_{OUT}V_{OUT}}
\end{eqnarray}
䞊匏の導出方法はこの蚘事の最埌に蚘茉しおいたす。

以䞊より、出力電圧リプルVOUTRIPPLEによる出力コンデンサCOUTの条件は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
C_{OUT}{≥}\frac{I_{OUT}}{2{\pi}f_{AC} V_{OUTRIPPLE}}=119.366[uF]
\end{eqnarray}

補足

出力電圧は出力電圧リプルVOUTRIPPLEを考慮するず、\(V_{OUT}+ \displaystyle\frac{V_{OUTRIPPLE}}{2}\)ずなるため、この電圧が出力の過電圧保護回路の閟倀に達するず、PFC回路の動䜜が停止し、入力電流の波圢が歪む可胜性がありたす。この堎合、出力コンデンサCOUTの容量を倧きくする等の察策が必芁ずなりたす。そのため、出力電圧リプルVOUTRIPPLEは出力電圧の15%以䞋にするこずをオススメしたす。

保持時間THOLD

入力が遮断されるず、出力電圧VOUTが䜎䞋したす。ここで、出力電圧がVOUT(MIN)になる時間を保持時間THOLDずするず、保持時間THOLDは以䞋の匏で導出するこずができたす。
\begin{eqnarray}
T_{HOLD}=\frac{C_{OUT}({V_{OUT}}^2-{V_{OUT(MIN)}}^2)}{2P_{OUT}}
\end{eqnarray}
䞊匏の導出方法ず保持時間に぀いおは以䞋の蚘事に詳しく蚘茉しおいたす。

以䞊より、保持時間THOLDによる出力コンデンサCOUTの条件は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
C_{OUT}{≥}\frac{2P_{OUT}T_{HOLD}}{{V_{OUT}}^2-{V_{OUT(MIN)}}^2}=85.714[uF]
\end{eqnarray}

コンデンサには誀差(±20%皋床)があるため、最悪条件においおも䞊蚘の条件を満たせるようにディレヌティングを考慮したす。䞊蚘で求めた出力コンデンサCOUTの条件においお、ディレヌティングを80%ずするず、出力コンデンサの必芁容量COUT1は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
C_{OUT1}=\frac{C_{OUT}}{0.8}=149.208[uF]
\end{eqnarray}

出力コンデンサに流れる電流の導出

最倧出力コンデンサ電流(実効倀)ICOUTRMS(MAX)

最倧出力コンデンサ電流(実効倀)ICOUTRMS(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{COUTRMS(MAX)}= \sqrt{\displaystyle\frac{32\sqrt{2}×{P_{OUT}}^2}{9{\pi} V_{INRMS(MIN)}V_{OUT}}-\left(\displaystyle\frac{ P_{OUT}}{ V_{OUT}}\right)^2}=0.958[A]
\end{eqnarray}
出力コンデンサに流れる電流ず出力コンデンサの等䟡盎列抵抗(ESR)によっおも電圧倉動は生じたすが、出力電圧が倧きく出力電流が小さいため、この電圧倉動は無芖するこずができたす。しかし、この最倧出力コンデンサ電流(実効倀)ICOUTRMS(MAX)は出力コンデンサの電力損倱に圱響を䞎えたす。

入力コンデンサの蚭蚈

入力コンデンサの蚭蚈では必芁定栌電圧ず容量を導出したす。ここで求めた必芁定栌電圧を満たす入力コンデンサを遞定したす。
なお、入力コンデンサはむンダクタに流れる高呚波リプル電流ずMOSFETのオン/オフによっお生じるスむッチングノむズをフィルタするために接続されおいたす。たた入力コンデンサにはフィルムコンデンサを䜿甚したす。

入力コンデンサの必芁定栌電圧の導出

最倧入力コンデンサ電圧VCIN(MAX)

ブリッゞダむオヌドの順方向電圧VFを無芖するず、最倧入力コンデンサ電圧VCIN(MAX)は最倧入力電圧(ピヌク倀)VINPEAK(MAX)ず等しくなるため以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{CIN(MAX)}=V_{INPEAK(MAX)}=373.352[V]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、入力コンデンサの必芁定栌電圧VCIN(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{CIN(RATED)}=\frac{V_{CIN(MAX)}}{0.8}=466.690[V]
\end{eqnarray}

入力コンデンサの容量の導出

入力コンデンサの容量の導出方法には2぀の蚭蚈方法がありたす。

蚭蚈方法

蚭蚈方法1では、最倧入力電流(実効倀)IINRMS(MAX)ず最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)を甚いた蚭蚈です。たず、最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)のリプル率rを決めたす。リプル率rは䞀般的には1%10%の間に蚭定したす。ここではrを10%(0.1)ずしお蚭蚈をしたす。この堎合、入力コンデンサの容量は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
C_{IN}=2×\frac{I_{INRMS(MAX)}}{2{\pi}f_{SW(MIN)}rV_{INRMS(MIN)}}=1.469[uF]
\end{eqnarray}

蚭蚈方法

蚭蚈方法2では、たずむンダクタリプル電流ILRIPPLEず入力コンデンサ電圧のリプル電圧VCINRIPPLEを甚いた蚭蚈です。
むンダクタリプル電流ILRIPPLEは以䞋の匏で求めるこずができたす。
\begin{eqnarray}
I_{LRIPPLE}=2×I_{INPEAK(MAX)}
\end{eqnarray}
たた、入力コンデンサ電圧のリプル電圧VCINRIPPLEは以䞋の匏で求めるこずができたす(ブリッゞダむオヌドの順方向電圧は入力コンデンサ電圧に比べお十分小さいため省略しおいたす)。リプル率rは䞀般的には1%10%の間に蚭定したす。ここではrを10%(0.1)ずしお蚭蚈をしたす。
\begin{eqnarray}
V_{CINRIPPLE}=r×V_{INPEAK(MIN)}
\end{eqnarray}
䞊匏のむンダクタリプル電流ILRIPPLEず入力コンデンサ電圧のリプル電圧VCINRIPPLEを甚いるず、入力コンデンサの容量は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
C_{IN}=\frac{I_{LRIPPLE}}{8f_{SW(MIN)}V_{CINRIPPLE}}=1.153[uF]
\end{eqnarray}

䞊蚘の蚭蚈で求めた入力コンデンサCINの容量に近い倀を遞定したす。この時、入力コンデンサCINの容量が倧きいほど、EMIフィルタを小さくするこずができたすが、電流歪みが発生するため、力率が䜎䞋したす(特に高入力電圧高負荷時に力率が䜎䞋したす)。

PFC回路(力率改善回路)の蚭蚈方法(電流連続モヌド/CCMモヌド)

PFC回路(力率改善回路)の蚭蚈方法(電流連続モヌド_CCMモヌド)
今回の蚭蚈条件を以䞋に瀺したす。

条件(電流連続モヌド)

  • 入力電圧(実効倀)VINRMS85V264V
  • →最小入力電圧(実効倀)を「VINRMS(MIN)=85[V]」、最倧入力電圧(実効倀)を「VINRMS(MAX)=264[V]」ずしたす。

  • 入力電圧の呚波数fAC50Hz
  • 出力電圧VOUT400V
  • 出力電力POUT500W
  • スむッチング呚波数fSW50Hz
  • 出力電圧リプルVOUTRIPPLE10V
  • 出力電圧の過電圧保護閟倀VOUTOVP440V
  • 保持時間tHOLD20ms
  • →出力電圧がVOUT=400[V]からVOUT(MIN)=300[V]になるたでの時間です。

  • 効率η90%
  • 力率cosφ1.0

䞊蚘の条件を甚いおこれから臚界モヌドにおける力率改善回路(PFC回路)の蚭蚈を行うが、最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)時、MOSFETやむンダクタに流れる電流が最倧ずなり、その結果、電力損倱も最倧ずなりたす。そのため、蚭蚈においおは最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)を甚いお蚭蚈を行いたす。

電力の蚈算

PFC回路の蚭蚈にあたり、最初に入力電力PINず皮盞電力Sを導出する必芁がありたす。

入力電力PIN

入力電力PINは、出力電力POUTず効率ηより以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{IN}=\frac{P_{OUT}}{{\eta}}=555.556[W]
\end{eqnarray}

皮盞電力S

皮盞電力Sは、入力電力PINず力率cosφより以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
S=\frac{P_{IN}}{cosφ}=\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ}=555.556[VA]
\end{eqnarray}

電流の蚈算

次に入力電流ず出力電流を導出したす。ここで求めた入力電流ず出力電流はむンダクタやMOSFETの蚭蚈の際に䜿甚するパラメヌタです。

入力電流の導出

最倧入力電流(実効倀)IINRMS(MAX)

最倧入力電流(実効倀)IINRMS(MAX)は、皮盞電力Sず最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)より、以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{INRMS(MAX)}=\frac{S}{V_{INRMS(MIN)}}=\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}=6.536[A]
\end{eqnarray}
通垞は、䞊匏のように力率cosφが分母に入りたす。しかし、前提条件ずしお力率cosφを”1”ずするこずで、力率cosφを省略しおいる論文等もありたす。

最倧入力電流(ピヌク倀)IINPEAK(MAX)

入力電流を正匊波ず仮定するず、最倧入力電流(ピヌク倀)IINPEAK(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{INPEAK(MAX)}=\sqrt{2}I_{INRMS(MAX)}= \sqrt{2}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}=9.243 [A]
\end{eqnarray}

最倧入力電流(平均倀)IINAVE(MAX)

同様に、入力電流を正匊波ず仮定するず、最倧入力電流(平均倀)IINAVE(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{INAVE(MAX)}=\frac{2}{{\pi}}I_{INPEAK(MAX)}=\displaystyle\frac{2\sqrt{2}}{{\pi}}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}=5.884[A]
\end{eqnarray}
なお、正匊波の実行倀ず平均倀の求め方に぀いおは以䞋の蚘事に詳しく蚘茉しおいたす。

出力電流の導出

出力電流IOUT

出力電流IOUTは、出力電力POUTず出力電圧VOUTから以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{OUT}=\frac{P_{OUT}}{V_{OUT}}=1.250[A]
\end{eqnarray}

電圧の蚈算

次に入力電圧(ピヌク倀)を導出したす。ここで求めた入力電圧(ピヌク倀)はむンダクタやMOSFETの蚭蚈の際に䜿甚するパラメヌタです。

最倧入力電圧(ピヌク倀)VINPEAK(MAX)

最倧入力電圧(ピヌク倀)VINPEAK(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{INPEAK(MAX)}= \sqrt{2}V_{INRMS(MAX)}=373.352[V]
\end{eqnarray}

ブリッゞダむオヌドの蚭蚈

ブリッゞダむオヌドの蚭蚈では必芁定栌電圧・必芁定栌電流・消費電力(損倱)を導出したす。ここで求めた必芁定栌電圧ず必芁定栌電流を満たすブリッゞダむオヌドを遞定したす。

ブリッゞダむオヌドの必芁定栌電圧の導出

最倧ブリッゞダむオヌド電圧VBRIDGE(MAX)

最倧ブリッゞダむオヌド電圧VBRIDGE(MAX)は最倧入力電圧(ピヌク倀)VINPEAK(MAX)ず等しくなるため、以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{BRIDGE(MAX)}= V_{INPEAK(MAX)}=373.352[V]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、ブリッゞダむオヌドの必芁定栌電圧VBRIDGE(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{BRIDGE(RATED)}=\frac{V_{BRIDGE(MAX)}}{0.8}=466.690[V]
\end{eqnarray}

ブリッゞダむオヌドの必芁定栌電流の導出

最倧ブリッゞダむオヌド電流(平均倀)IBRIDGEAVE(MAX)

最倧ブリッゞダむオヌド電流(平均倀)IBRIDGEAVE(MAX)は最倧入力電流(平均倀)IINAVE(MAX)ず等しくなるため、以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{BRIDGEAVE(MAX)}=I_{INAVE(MAX)}=5.884[A]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、ブリッゞダむオヌドの必芁定栌電流IBRIDGEAVE(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{BRIDGEAVE(RATED)}=\frac{ I_{BRIDGEAVE(MAX)}}{0.8}=7.356[A]
\end{eqnarray}

ブリッゞダむオヌドの消費電力(損倱)の導出

ブリッゞダむオヌドの消費電力(損倱)は䞻に順方向電圧VFによる導通損倱ずなりたす。

ブリッゞダむオヌドの導通損倱PBRIDGE

ブリッゞダむオヌドの導通損倱PBRIDGEは「ブリッゞダむオヌド内の2぀のダむオヌドの順方向電圧VFず最倧ブリッゞダむオヌド電流(平均倀)IBRIDGEAVE(MAX)」から導出するこずができ、以䞋の倀ずなりたす。ここでは順方向電圧VFを1.0[V]ずしおいたす。
\begin{eqnarray}
P_{BRIDGE}= I_{BRIDGEAVE(MAX)}×2V_{F}=\frac{4\sqrt{2}}{{\pi}}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}} V_{F}=11.769[W]
\end{eqnarray}

むンダクタの蚭蚈

むンダクタの蚭蚈ではむンダクタ電流・むンダクタンスL・むンダクタの導通損倱を導出したす。最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)で飜和しないむンダクタを遞定したす。

むンダクタ電流の導出

【PFC回路】CCMモヌドずBCMモヌド

最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)

CCMモヌドの堎合はたず、むンダクタリプル電流を求めたす。入力電流iINに察するリプル電流の割合を%RIPPLEずするず、むンダクタリプル電流ILRIPPLEは以䞋の倀ずなりたす。ここでは、入力電流iINに察するリプル電流の割合%RIPPLEを30%(0.3)ずしお蚭蚈をしおいたす。
\begin{eqnarray}
I_{LRIPPLE}= I_{INPEAK(MAX)}×{\%}RIPPLE=2.773[A]
\end{eqnarray}
したがっお、最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{LPEAK(MAX)}&=&I_{INPEAK(MAX)}+\frac{1}{2}I_{LRIPPLE}\\
&=&\sqrt{2}\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}\left(1+\frac{{\%}RIPPLE}{2}\right)=10.630[A]
\end{eqnarray}
䞊匏においお、%RIPPLEに2を代入するず、BCMモヌドの時ず同じ匏ずなりたす。ここで、リプル電流の割合%RIPPLEの目安は、むンダクタのサむズを考慮しお䞀般的に15%40%皋床が最適ずなりたす。リプル電流が小さい堎合、れロクロス付近でのひずみの䜎枛、出力コンデンサず入力コンデンサに流れるリプル電流の䜎枛、MOSFETずダむオヌドに流れるピヌク電流の䜎枛ずメリットが倚いですが、むンダクタが倧型化したす。たた、ピヌク電流で飜和しないようにコアの遞定により䞀局泚意が必芁になりたす。

最倧むンダクタ電流(実効倀)ILRMS(MAX)

むンダクタリプル電流ILRIPPLEを無芖するず、最倧むンダクタ電流(実効倀)ILRMS(MAX)は最倧入力電流(実効倀) IINRMS(MAX)ず等しくなりたす。したがっお、最倧むンダクタ電流(実効倀)ILRMS(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{LRMS(MAX)}= I_{INRMS(MAX)}= \frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}=6.536[A]
\end{eqnarray}

むンダクタンスの導出

むンダクタンスL

むンダクタンスLは以䞋の倀ずなりたす。むンダクタンスLは最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)、最小スむッチング呚波数fSW(MIN)の条件で蚭蚈したす。
\begin{eqnarray}
L{≥} \frac{{\eta}×{\cos}{\varphi}×{V_{INRMS(MIN)}}^2×(V_{OUT}-\sqrt{2} V_{INRMS(MIN)})}{{\%}RIPPLE×P_{OUT}×V_{OUT}×f_{SW}}=606.449[uH]
\end{eqnarray}
䞊匏の導出は少し耇雑ですので、この蚘事の最埌の補足に導出方法を説明しおいたす。導出はBCMモヌドにおいお行っおいたすが、考え方はCCMモヌドでも同じです。

むンダクタの導通損倱の導出

ここで、遞定したむンダクタの盎流抵抗RLを0.1Ωずするず、むンダクタの導通損倱PLは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{L}=R_{L}{ I_{LRMS(MAX)}}^2=4.272[W]
\end{eqnarray}

MOSFETの蚭蚈

MOSFETの蚭蚈では必芁定栌電圧・必芁定栌電流・消費電力(損倱)を導出したす。ここで求めた必芁定栌電圧ず必芁定栌電流を満たすMOSFETを遞定したす。

MOSFETの必芁定栌電圧の導出

最倧MOSFET電圧VS(MAX)

最倧MOSFET電圧VS(MAX)は、出力電圧の過電圧保護閟倀VOUTOVPに出力ダむオヌドDの順方向電圧VFDが加わった倀ずなりたす。ここでは順方向電圧VFDを1Vずしたす。
\begin{eqnarray}
V_{S(MAX)}= V_{OUTOVP}+V_{FD}=441.000[V]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、MOSFETの必芁定栌電圧VS(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{S(RATED)}=\frac{V_{S(MAX)}}{0.8}=551.250[V]
\end{eqnarray}

MOSFETの必芁定栌電流の導出

最倧MOSFET電流(ピヌク倀)ISPEAK(MAX)

最倧MOSFET電流(ピヌク倀)ISPEAK(MAX)は最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)ず等しいため以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SPEAK(MAX)}= I_{LPEAK(MAX)}=10.630 [A]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、MOSFETの必芁定栌電流(ピヌク倀)ISPEAK(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SPEAK(RATED)}=\frac{I_{SPEAK(MAX)}}{0.8}=13.287 [A]
\end{eqnarray}

最倧MOSFET電流(実効倀)ISRMS(MAX)

最倧MOSFET電流(実効倀)ISRMS(MAX)は最倧むンダクタ電流(実効倀)ILRMS(MAX)を甚いるず以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SRMS (MAX)}&=&I_{LRMS (MAX)}×\sqrt{1-\displaystyle\frac{8\sqrt{2}×V_{INRMS(MIN)}}{3{\pi}V_{OUT}}}\\
&=&\frac{P_{OUT}}{{\eta}・cosφ・V_{INRMS(MIN)}}×\sqrt{1-\displaystyle\frac{8\sqrt{2}×V_{INRMS(MIN)}}{3{\pi}V_{OUT}}}\\
&=&5.641[A]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、MOSFETの必芁定栌電流(実効倀)ISRMS(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SRMS(RATED)}=\frac{I_{SRMS(MAX)}}{0.8}=7.651[A]
\end{eqnarray}

MOSFETの消費電力(損倱)の導出

MOSFETの消費電力(損倱)には導通損倱、スむッチング損倱、ディスチャヌゞ損倱がありたす。ここで、遞定したMOSFETのパラメヌタが䞋蚘だず仮定しお、損倱蚈算を行いたす。䞋蚘のデヌタはMOSFETのデヌタシヌトに蚘茉されおいるので、遞定したMOSFETによっお倉えおください。

  • オン抵抗RON0.8Ω
  • 立ち䞊がり時間TR10ns
  • 立ち䞋がり時間TF10ns
  • 出力容量COSS100pF

MOSFETの導通損倱PSCOND

最倧MOSFET電流(実効倀)ISRMS(MAX)ずオン抵抗RONより、導通損倱PSCONDは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{SCOND}=R_{ON}{I_{SRMS(MAX)}}^2=25.457[W]
\end{eqnarray}

MOSFETのスむッチング損倱PSSW

CCMモヌドでは、MOSFETのタヌンオンずタヌンオフの䞭間点の箇所をプロットするず、正匊波ずなっおおり、そのピヌク倀は入力電流ず等しくなりたす。そのため、MOSFETのタヌンオンずタヌンオフの䞭間点の箇所をプロットするこずにより䜜成された正匊波の平均倀ISAVEは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{SAVE}=I_{INAVE(MAX)}=5.884[A]
\end{eqnarray}
以䞊より、MOSFETのスむッチング損倱PSSWは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{SSW}=\frac{1}{6}V_{OUT} I_{SAVE}×(T_{F}+T_{R})×f_{SW}=0.785[W]
\end{eqnarray}
䞊匏のスむッチング損倱の導出方法は以䞋の蚘事に蚘茉しおいたす。

MOSFETのディスチャヌゞ損倱PSCOSS

MOSFETのタヌンオン時においお、出力容量COSSに蓄積された電荷が攟電するこずでディスチャヌゞ損倱PSCOSSが発生したす。このディスチャヌゞ損倱PSCOSSは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{SCOSS}=\frac{1}{2}C_{OSS}{V_{OUT}}^2 f_{SW}=0.400[W]
\end{eqnarray}

以䞊をたずめるず、MOSFETの合蚈損倱PSは以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
P_{S}=P_{SCOND}+ P_{SSW}+ P_{SCOSS}=26.642[W]
\end{eqnarray}

ダむオヌドの蚭蚈

ダむオヌドの蚭蚈では必芁定栌電圧・必芁定栌電流・消費電力(損倱)を導出したす。ここで求めた必芁定栌電圧ず必芁定栌電流を満たすダむオヌドを遞定したす。

ダむオヌドの必芁定栌電圧の導出

最倧ダむオヌド電圧VD(MAX)

MOSFETのオン時、ダむオヌドには出力電圧VOUTが印加されたす。そのため、出力電圧の過電圧保護閟倀VOUTOVPを甚いるず、最倧ダむオヌド電圧VD(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{D(MAX)}=V_{OUTOVP}=440.000[V]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、ダむオヌドの必芁定栌電圧VD(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{D(RATED)}=\frac{V_{D(MAX)}}{0.8}=550.000[V]
\end{eqnarray}

ダむオヌドの必芁定栌電流の導出

最倧ダむオヌド電流(ピヌク倀)IDPEAK(MAX)

最倧ダむオヌド電流(ピヌク倀)IDPEAK(MAX)は最倧むンダクタ電流(ピヌク倀)ILPEAK(MAX)ず等しいため以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{DPEAK(MAX)}= I_{LPEAK(MAX)}=10.630[A]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、ダむオヌドの必芁定栌電流(ピヌク倀)IDPEAK(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{DPEAK(RATED)}=\frac{I_{DPEAK(MAX)}}{0.8}=13.287[A]
\end{eqnarray}

最倧ダむオヌド電流(平均倀)IDAVE(MAX)

出力コンデンサCOUTに流れる電流の平均倀は0Aずなりたす。そのため、最倧ダむオヌド電流(平均倀) IDAVE(MAX)は出力電流IOUTず等しくなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{DAVE(MAX)}= I_{OUT}=1.250[A]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、ダむオヌドの必芁定栌電流(平均倀)IDAVE(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{DAVE(RATED)}=\frac{I_{DAVE(MAX)}}{0.8}=1.563[A]
\end{eqnarray}

ダむオヌドの消費電力(損倱)の導出

ダむオヌドの消費電力(損倱)は䞻に順方向電圧VFDによる導通損倱ずなりたす。

ダむオヌドの導通損倱PDCOND

ダむオヌドの導通損倱PDCONDは以䞋の倀ずなりたす。ここでは順方向電圧VFDを1.0[V]ずしおいたす。
\begin{eqnarray}
P_{DCOND}= I_{DAVE(MAX)}V_{FD}=1.250[W]
\end{eqnarray}

出力コンデンサの蚭蚈

出力コンデンサの蚭蚈では容量を導出したす。たた、補足ずしお出力コンデンサに流れる電流も導出しおいたす。

出力コンデンサの容量の導出

出力コンデンサCOUTの容量はこれから説明する「出力電圧リプル」ず「保持時間」で求めた容量のうち、倧きい容量にディレヌティングを考慮しお遞定したす。

出力電圧リプルVOUTRIPPLE

出力電圧リプルVOUTRIPPLEは以䞋の匏で導出するこずができたす。
\begin{eqnarray}
V_{OUTRIPPLE}=\frac{I_{OUT}}{2{\pi}f_{AC}C_{OUT}}=\frac{P_{OUT}}{2{\pi}f_{AC}C_{OUT}V_{OUT}}
\end{eqnarray}
䞊匏の導出方法はこの蚘事の最埌に蚘茉しおいたす。

以䞊より、出力電圧リプルVOUTRIPPLEによる出力コンデンサCOUTの条件は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
C_{OUT}{≥}\frac{I_{OUT}}{2{\pi}f_{AC} V_{OUTRIPPLE}}=397.887[uF]
\end{eqnarray}

補足

出力電圧は出力電圧リプルVOUTRIPPLEを考慮するず、\(V_{OUT}+ \displaystyle\frac{V_{OUTRIPPLE}}{2}\)ずなるため、この電圧が出力の過電圧保護回路の閟倀に達するず、PFC回路の動䜜が停止し、入力電流の波圢が歪む可胜性がありたす。この堎合、出力コンデンサCOUTの容量を倧きくする等の察策が必芁ずなりたす。そのため、出力電圧リプルVOUTRIPPLEは出力電圧の15%以䞋にするこずをオススメしたす。

保持時間THOLD

入力が遮断されるず、出力電圧VOUTが䜎䞋したす。ここで、出力電圧がVOUT(MIN)になる時間を保持時間THOLDずするず、保持時間THOLDは以䞋の匏で導出するこずができたす。
\begin{eqnarray}
T_{HOLD}=\frac{C_{OUT}({V_{OUT}}^2-{V_{OUT(MIN)}}^2)}{2P_{OUT}}
\end{eqnarray}
䞊匏の導出方法ず保持時間に぀いおは以䞋の蚘事に詳しく蚘茉しおいたす。

以䞊より、保持時間THOLDによる出力コンデンサCOUTの条件は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
C_{OUT}{≥}\frac{2P_{OUT}T_{HOLD}}{{V_{OUT}}^2-{V_{OUT(MIN)}}^2}=285.714[uF]
\end{eqnarray}

コンデンサには誀差(±20%皋床)があるため、最悪条件においおも䞊蚘の条件を満たせるようにディレヌティングを考慮したす。䞊蚘で求めた出力コンデンサCOUTの条件においお、ディレヌティングを80%ずするず、出力コンデンサの必芁容量COUT1は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
C_{OUT1}=\frac{C_{OUT}}{0.8}=497.359 [uF]
\end{eqnarray}

出力コンデンサに流れる電流の導出

最倧出力コンデンサ電流(実効倀)ICOUTRMS(MAX)

最倧出力コンデンサ電流(実効倀)ICOUTRMS(MAX)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
I_{COUTRMS(MAX)}= \sqrt{\displaystyle\frac{8\sqrt{2}×{P_{OUT}}^2}{3{\pi} V_{INRMS(MIN)}V_{OUT}}-\left(\displaystyle\frac{ P_{OUT}}{ V_{OUT}}\right)^2}=2.695[A]
\end{eqnarray}
出力コンデンサに流れる電流ず出力コンデンサの等䟡盎列抵抗(ESR)によっおも電圧倉動は生じたすが、出力電圧が倧きく出力電流が小さいため、この電圧倉動は無芖するこずができたす。しかし、この最倧出力コンデンサ電流(実効倀)ICOUTRMS(MAX)は出力コンデンサの電力損倱に圱響を䞎えたす。

入力コンデンサの蚭蚈

入力コンデンサの蚭蚈では必芁定栌電圧ず容量を導出したす。ここで求めた必芁定栌電圧を満たす入力コンデンサを遞定したす。
なお、入力コンデンサはむンダクタに流れる高呚波リプル電流ずMOSFETのオン/オフによっお生じるスむッチングノむズをフィルタするために接続されおいたす。たた入力コンデンサにはフィルムコンデンサを䜿甚したす。

入力コンデンサの必芁定栌電圧の導出

最倧入力コンデンサ電圧VCIN(MAX)

ブリッゞダむオヌドの順方向電圧VFを無芖するず、最倧入力コンデンサ電圧VCIN(MAX)は最倧入力電圧(ピヌク倀)VINPEAK(MAX)ず等しくなるため以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{CIN(MAX)}=V_{INPEAK(MAX)}=373.352[V]
\end{eqnarray}
ここでディレヌティングを80%ずするず、入力コンデンサの必芁定栌電圧VCIN(RATED)は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
V_{CIN(RATED)}=\frac{V_{CIN(MAX)}}{0.8}=466.690[V]
\end{eqnarray}

入力コンデンサの容量の導出

入力コンデンサの容量の導出方法には2぀の蚭蚈方法がありたす。

蚭蚈方法

蚭蚈方法1では、最倧入力電流(実効倀)IINRMS(MAX)ず最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)を甚いた蚭蚈です。たず、最小入力電圧(実効倀)VINRMS(MIN)のリプル率rを決めたす。リプル率rは䞀般的には1%10%の間に蚭定したす。ここではrを10%(0.1)ずしお蚭蚈をしたす。この堎合、入力コンデンサの容量は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
C_{IN}={\%}RIPPLE×\frac{I_{INRMS(MAX)}}{2{\pi}f_{SW}rV_{INRMS(MIN)}}=0.734[uF]
\end{eqnarray}

蚭蚈方法

蚭蚈方法2では、たずむンダクタリプル電流ILRIPPLEず入力コンデンサ電圧のリプル電圧VCINRIPPLEを甚いた蚭蚈です。
むンダクタリプル電流ILRIPPLEは以䞋の匏で求めるこずができたす。
\begin{eqnarray}
I_{LRIPPLE}={\%}RIPPLE×I_{INPEAK(MAX)}
\end{eqnarray}
たた、入力コンデンサ電圧のリプル電圧VCINRIPPLEは以䞋の匏で求めるこずができたす(ブリッゞダむオヌドの順方向電圧は入力コンデンサ電圧に比べお十分小さいため省略しおいたす)。リプル率rは䞀般的には1%10%の間に蚭定したす。ここではrを10%(0.1)ずしお蚭蚈をしたす。
\begin{eqnarray}
V_{CINRIPPLE}=r×V_{INPEAK(MIN)}
\end{eqnarray}
䞊匏のむンダクタリプル電流ILRIPPLEず入力コンデンサ電圧のリプル電圧VCINRIPPLEを甚いるず、入力コンデンサの容量は以䞋の倀ずなりたす。
\begin{eqnarray}
C_{IN}=\frac{I_{LRIPPLE}}{8f_{SW}V_{CINRIPPLE}}=0.577 [uF]
\end{eqnarray}

䞊蚘の蚭蚈で求めた入力コンデンサCINの容量に近い倀を遞定したす。この時、入力コンデンサCINの容量が倧きいほど、EMIフィルタを小さくするこずができたすが、電流歪みが発生するため、力率が䜎䞋したす(特に高入力電圧高負荷時に力率が䜎䞋したす)。

補足むンダクタンスLの蚭蚈匏の導出方法

【PFC回路】むンダクタンンスの導出
BCMモヌドにおいお、入力電圧vINのピヌク時にPFC回路の最小オンデュヌティ比DMINずなりたす。そのため、最小オンデュヌティ比DMINは以䞋の匏で求めるこずができたす。䞋匏ではブリッゞダむオヌドの順方向電圧VFは無芖しおいたす。
\begin{eqnarray}
D_{MIN}=\frac{V_{OUT}-\sqrt{2}V_{INRMS(MIN)}}{V_{OUT}}
\end{eqnarray}
たた、オン時間TONは以䞋の匏で求めるこずができたす。
\begin{eqnarray}
T_{ON}=\frac{D_{MIN}}{f_{SW(MIN)}}
\end{eqnarray}
このオン時間TONにおいお、むンダクタに流れる電流が0AからILPEAK(MAX)たで増加する必芁がありたす。したがっお、むンダクタの有名な匏\(v=L\displaystyle\frac{di}{dt}\)を甚いるず、むンダクタンスLは以䞋の匏ずなり、むンダクタンスLの蚭蚈匏を導出するこずができたす。
\begin{eqnarray}
L=\frac{\sqrt{2}V_{INRMS(MIN)}}{I_{LPEAK(MAX)}}T_{ON}=\frac{{\eta}×{\cos}{\varphi}×{V_{INRMS(MIN)}}^2×(V_{OUT}-\sqrt{2} V_{INRMS(MIN)})}{2×P_{OUT}×V_{OUT}×f_{SW(MIN)}}
\end{eqnarray}

補足出力コンデンサCOUTの蚭蚈匏の導出方法

【PFC回路】出力コンデンサの導出
ダむオヌドに流れる電流の平均電流iDAVEは以䞋の匏で衚すこずができたす。
\begin{eqnarray}
i_{DAVE}= I_{OUT}(1-{\cos}4{\pi}f_{AC}t)
\end{eqnarray}
出力コンデンサには䞊匏から出力電流IOUTを匕いた倀が流れるため、出力コンデンサに流れる電流の平均電流iCAVE以䞋の匏ずなりたす。
\begin{eqnarray}
i_{CAVE}=-I_{OUT}{\cos}4{\pi}f_{AC}t
\end{eqnarray}
この電流によっお出力電圧にはリプルが生じたす。䞊図より、\(t=\displaystyle\frac{1}{8 f_{AC}}\)から\(t=\displaystyle\frac{3}{8 f_{AC}}\)の期間で出力電圧VOUTRIPPLEが増加するため、以䞋の匏ずなり、出力コンデンサCOUTの蚭蚈匏の導出するこずができたす。
\begin{eqnarray}
V_{OUTRIPPLE}&=&\frac{1}{C_{OUT}}\displaystyle\int_{\frac{1}{8 f_{AC}}}^{\frac{3}{8 f_{AC}}}-I_{OUT}{\cos}4{\pi}f_{AC}t dt\\
&=&\frac{I_{OUT}}{4{\pi}f_{AC}}\left[-{\sin}4{\pi}f_{AC}t \right]_ {\frac{1}{8 f_{AC}}}^{\frac{3}{8 f_{AC}}}\\
&=&\frac{I_{OUT}}{ C_{OUT}4{\pi}f_{AC}}\left(-{\sin}\frac{3}{2}{\pi}+{\sin}\frac{1}{2}{\pi} \right)\\
&=&\frac{I_{OUT}}{ C_{OUT}2{\pi}f_{AC}}
\end{eqnarray}
䞊匏を倉圢するず、
\begin{eqnarray}
C_{OUT}\frac{I_{OUT}}{2{\pi}f_{AC} V_{OUTRIPPLE}}
\end{eqnarray}
ずなりたす。

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