『Xコンデンサ(Xキャパシタ)』って何?役割や選定方法について!

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電源回路のノイズ対策について調べていると、「Xコンデンサ(Xキャパシタ)」という部品を目にすることがあります。

この「Xコンデンサ(Xキャパシタ)」はどこに接続し、どのような役割を持つのでしょうか。

この記事では、「Xコンデンサ(Xキャパシタ)」について、以下の内容を図を用いてわかりやすく解説します。

  • Xコンデンサの役割
  • Xコンデンサの選定方法
  • ACプラグを抜いた後の感電への注意点

Xコンデンサ(Xキャパシタ)とは?

Xコンデンサ(Xキャパシタ)

Xコンデンサ(Xキャパシタ)とは、電源ラインの線間(相間)に接続してノイズを低減する、安全規格に対応したコンデンサです。単相交流の電源では、ライブ(L)とニュートラル(N)の間に接続します。

電源ラインの線間を高周波的に短絡することで、雑音端子電圧(端雑)のノーマルモードノイズを低減することが役割となっています。ここでいう「高周波的に短絡する」とは、高周波のノイズ電流を通しやすい経路を線間に作るという意味です。これにより、機器内部で発生した高周波のノイズ電流が電源コードを通して商用電源側へ流れ出すのを抑え、雑音端子電圧(端雑)を低減します。

コンデンサは周波数が高いほどインピーダンスが小さくなります。そのため、高周波においては、インピーダンスはほぼゼロとみなすことができます。したがって、電源ラインの線間にコンデンサを接続すると、高周波的に線間を短絡することができます。

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ノーマルモードノイズは、2本の電源ラインに逆向きに流れるノイズで、ディファレンシャルモードノイズとも呼ばれます。

ノーマルモードノイズについては、以下の記事で詳しく説明しています。

補足

  • Xコンデンサは、相間コンデンサ、ディファレンシャルモードコンデンサ、アクロス・ザ・ラインコンデンサとも呼ばれています。
  • 余談ですが、Xコンデンサの容量を大きくすると、特に低域領域(150kHz〜1MHz)のノイズに効果があるという資料を読んだことがあります。

Xコンデンサの選定方法

Xコンデンサを選定するときは、主に定格電圧・静電容量・サージ電圧に対するサブクラスを確認します。

定格電圧

定格電圧は、商用電源の電圧変動を含めた最大使用電圧に対応する交流定格のものを選定します。データシートに記載された交流定格電圧や使用温度などの条件を確認してください。

静電容量

静電容量は、低減したいノーマルモードノイズの周波数や大きさに応じて調整します。同じ周波数で容量性として働く範囲では、静電容量を大きくするとインピーダンスが小さくなり、ノイズをバイパスしやすくなります。

ただし、静電容量を大きくすれば、すべての周波数でノイズが減るわけではありません。部品の周波数特性や配線、周囲の回路によって効果が変わるため、実機でノイズを測定して確認します。また、静電容量を大きくすると蓄積される電荷も増えるため、プラグを抜いた後の放電にも注意が必要です。

サージ電圧

Xコンデンサは商用電源に直接接続しているため、電源ラインに発生するサージ電圧が直接印加されてしまいます。サージ電圧とは、雷やスイッチの開閉などによって一時的に発生する高い電圧です。

そのため、電源ラインに発生するサージ電圧に耐えることができるXコンデンサを選定する必要があります。

Xコンデンサは規格(IEC60384-14)によってサブクラスに分類されており、代表的なものにサブクラスX1とサブクラスX2があります。使用中に想定されるピークパルス電圧が\(2.5{\mathrm{[kV]}}\)以下の用途はX2、\(2.5{\mathrm{[kV]}}\)を超え\(4.0{\mathrm{[kV]}}\)以下の用途はX1のXコンデンサを使用する必要があります。

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Xコンデンサのサブクラスによる違いについては、以下の記事で詳しく説明しています。

感電に注意

Xコンデンサ(Xキャパシタ)は感電に注意

Xコンデンサは電源ラインの線間に接続されています。ACプラグを抜いた時にはXコンデンサには電荷が蓄積されており、ACプラグの先端はある電圧を保持しています。この場合、作業者がACプラグを触ることで感電する恐れがあります。

そのため、一定時間以内にXコンデンサの両端電圧をある値まで減らさなければいけません。規格によって定義が様々であり、例えば、「1秒後に45V以下にする(電安法)」だったり、「1秒以内に初期電圧の37%以下にする(IEC60950)」などがあります。代表的な方法は、Xコンデンサと並列にブリーダ抵抗(ブリーダー抵抗)を接続して、蓄積された電荷を放電することです。放電専用の回路を使用する方法もあります。

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コンデンサの電荷を放電する用途にも使われるブリーダ抵抗については、以下の記事で目的や用途を説明しています。なお、記事中の計算例は電源出力側の負荷抵抗の例であり、Xコンデンサの放電抵抗をそのまま選定する例ではありません。

XコンデンサとYコンデンサの違い

Xコンデンサ(Xキャパシタ)の故障

Xコンデンサは電源ラインの線間に接続されるのに対し、Yコンデンサは電源ラインとアース間などに接続されます。主に、Xコンデンサはノーマルモードノイズ、Yコンデンサはコモンモードノイズの低減に使われます。コモンモードノイズは、2本の電源ラインに同じ向きに流れ、アースなどを経由して戻るノイズです。

Xコンデンサは電源ラインの線間に接続してあり、電源ラインーアース間に接続されていないため、Xコンデンサが故障していても感電の恐れはありません。

一方、Yコンデンサは、故障によって感電の危険につながる可能性がある箇所に用いられるため、その用途に対応した高い信頼性が求められます。そのため、XコンデンサをYコンデンサの代わりに使用してはいけません。

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電源ラインとアース間などに接続するYコンデンサについては、以下の記事で役割や漏れ電流を詳しく説明しています。

本記事のまとめ

この記事では「Xコンデンサ(Xキャパシタ)」について、以下の内容を説明しました。

  • Xコンデンサは電源ラインの線間に接続し、ノーマルモードノイズを低減します。
  • 選定時は交流定格電圧・静電容量・サブクラスを確認する。
  • 実際のノイズ低減効果は、部品の周波数特性や配線などにも左右されます。
  • ACプラグを抜いた後の残留電荷に注意し、適用規格に従って放電対策を行います。

お読みいただきありがとうございました。

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