トランジスタ(MOSFET)の『ダイオード接続』とは?

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この記事では『ダイオード接続』について

  • トランジスタ(MOSFET)の『ダイオード接続』とは
  • 『ダイオード接続』したトランジスタ(MOSFET)の動作
  • 『ダイオード接続』したトランジスタ(MOSFET)に流れるドレイン電流IDの式

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

トランジスタ(MOSFET)の『ダイオード接続』とは

トランジスタ(MOSFET)の『ダイオード接続』とは

トランジスタ(MOSFET)のダイオード接続とは『ドレイン端子(D)とゲート端子(G)を接続すること』をいいます。

ドレイン端子(D)とゲート端子(G)を接続している時、ドレインソース間電圧VDSとゲートソース間電圧VGSが等しくなります(VDS=VGS)。

ドレインソース間電圧VDSがMOSFETの閾値電圧VTHを超えると、ドレイン電流IDが流れ始めます。その様子がダイオードの動作と似ているため、ダイオード接続と呼ばれています。

補足

  • ダイオード接続は下図に示すように『Nチャネル型のMOSFET』を使う場合と『Pチャネル型のMOSFET』を使う場合があります。
  • バイポーラトランジスタでもダイオード接続があります。バイポーラトランジスタのダイオード接続とは、コレクタ端子(C)とベース端子(B)を接続することをいいます。
  • バイポーラトランジスタのダイオード接続は下図に示すように『NPN型のバイポーラトランジスタ』を使う場合と『PNP型のバイポーラトランジスタ』を使う場合があります。

バイポーラトランジスタのダイオード接続

『ダイオード接続』したトランジスタ(MOSFET)の動作

『ダイオード接続』したトランジスタ(MOSFET)の動作

上図に直流電圧源VDD、抵抗R1、Nチャネル型MOSFETで構成された回路図を示しています。この回路は下記のように動作をします。

  1. 電流IDが流れていない状態
  2. 電流IDが流れていない状態では、ドレインソース間電圧VDSはVDDになります(電流IDがゼロ→抵抗R1での電圧降下がゼロ→ドレインソース間電圧VDSは直流電圧源VDDと等しくなる)。

  3. 電流IDが流れる
  4. 電流IDが流れると、抵抗R1により電圧降下が生じるため、ドレインソース間電圧VDSが小さくなります。

  5. 電流IDが安定する
  6. ドレインソース間電圧VDSはある値で落ち着き、MOSFETと抵抗R1に流れる電流IDが安定します。具体的には、電流IDが大きくなると、抵抗R1での電圧降下が大きくなるため、ドレインソース間電圧VDSが減少し、電流IDが小さくなります。一方、電流IDが小さくなると、抵抗R1での電圧降下が小さくなるため、ドレインソース間電圧VDSが増加し、電流IDが大きくなります。


『ダイオード接続』したトランジスタ(MOSFET)に流れるドレイン電流IDの式

『ダイオード接続』したトランジスタ(MOSFET)に流れるドレイン電流IDの式

上図に示しているのはMOSFETの『出力特性(ID-VDS特性)』です。

MOSFETの『出力特性(ID-VDS特性)』には3つの領域(線形領域飽和領域遮断領域)があります。

各領域は下記の意味となっています。

  • 線形領域
  • ドレインソース間電圧VDSが『VGS-VTH』より小さい時(VDS<VGS-VTH)は、MOSFETは線形領域で動作します。線形領域では、ドレインソース間電圧VDSが増加するとドレイン電流IDが増加します。『出力特性(ID-VDS特性)』の青色の箇所となります。

  • 飽和領域
  • ドレインソース間電圧VDSが『VGS-VTH』より大きい時(VDS>VGS-VTH)は、MOSFETは飽和領域で動作します。飽和領域では、ドレインソース間電圧VDSによらず、ゲートソース間電圧VGSが変わると、ドレイン電流IDが変わります。『出力特性(ID-VDS特性)』の赤色の箇所となります。

  • 遮断領域
  • ゲートソース間電圧VGSがゲート閾値電圧VTHより低い領域です。『出力特性(ID-VDS特性)』の緑色の箇所となります。

    各領域については下記の記事で詳しく説明していますので、ご参考になれば幸いです。

    MOSFETが飽和領域で動作している時(VDS>VGS-VTHの時)のドレイン電流IDは次式で表されます。

    \begin{eqnarray}
    I_{D}=\frac{1}{2}\frac{W}{L}{\mu}_{N}C_{OX}(V_{GS}-V_{TH})^2\tag{1}
    \end{eqnarray}

    上式において、W、L、μN、COX、VTHは下記を意味しています。

    • W:ゲート幅[μm]
    • L:ゲート長[μm]
    • μN:キャリア移動度[cm2/(V・s)]
    • COX:単位面積あたりのゲート容量[F/cm2]
    • VTH:MOSFETの閾値電圧[V]

    また、MOSFETをダイオード接続している時は『VDS=VGS』であり、『VDS>VGS-VTH』が成り立つため、飽和領域で動作しているということになります。したがって、(1)式において、『VDS=VGS』を代入すると、ドレイン電流IDは次式となります。

    \begin{eqnarray}
    I_{D}=\frac{1}{2}\frac{W}{L}{\mu}_{N}C_{OX}(V_{DS}-V_{TH})^2\tag{2}
    \end{eqnarray}

    線形領域と飽和領域の境界は『VDS=VGS-VTH』です(上図のオレンジ色の点線です)。ダイオード接続している時は『VDS=VGS』なので、上式で示されるドレイン電流IDの特性は線形領域と飽和領域の境界を右側にVTHシフトしたような曲線になります。

    まとめ

    この記事では『ダイオード接続』について、以下の内容を説明しました。

    • トランジスタ(MOSFET)の『ダイオード接続』とは
    • 『ダイオード接続』したトランジスタ(MOSFET)の動作
    • 『ダイオード接続』したトランジスタ(MOSFET)に流れるドレイン電流IDの式

    お読み頂きありがとうございました。

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