【RL盎列回路の埮分方皋匏】『過枡珟象』の解き方

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この蚘事ではRL盎列回路の『埮分方皋匏による過枡珟象の解き方』に぀いお説明しおいたす。

分かりやすく説明するために、図を倚く甚いおおり、匏の導出過皋も现かく曞くように意識しおいたす。

【RL盎列回路】『過枡珟象』の匏ずグラフ

RL盎列回路

䞊図は抵抗\(R{\mathrm{[Ω]}}\)、むンダクタ\(L{\mathrm{[H]}}\)、盎流電源\(E{\mathrm{[V]}}\)、スむッチ\(SW\)からなるRL盎列回路です。

この蚘事では、以䞋の条件における『過枡珟象』の匏を導出したす。

条件

  • スむッチ\(SW\)をオンした時の時間\(t\)を\(t=0{\mathrm{[s]}}\)ずする。

スむッチ\(SW\)をオンするず、以䞋の過枡珟象が生じたす。

  1. 電流\(i(t)\)が\(0{\mathrm{[A]}}\)から増加する。
  2. ある皋床時間が経過するず、電流\(i(t)\)の倉化がなくなり、䞀定倀\(\displaystyle\frac{E}{R}{\mathrm{[A]}}\)ずなる。たた、その時、むンダクタ\(L\)が短絡されたような状態であり、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)が電源電圧の電圧\(E\)ず等しくなる。

この時、電流\(i(t)\)が䞀定倀\(\displaystyle\frac{E}{R}{\mathrm{[A]}}\)ずなった状態を「定垞状態」、「定垞状態」に至るたでの状態を「過枡状態」、その過皋で芋られる珟状を「過枡珟象」ずいいたす。

たた、RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)、むンダクタ\(L\)の電圧\(v_{L}(t)\)の匏ずグラフは䞋蚘ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(t)&=&\frac{E}{R}\left(1-e^{-\frac{R}{L}t}\right)\\
v_{R}(t)&=&E\left(1-e^{-\frac{R}{L}t}\right)\\
v_{L}(t)&=&Ee^{-\frac{R}{L}t}
\end{eqnarray}

【RL盎列回路】『過枡珟象』の匏ずグラフ

この蚘事では䞊匏を埮分方皋匏を解く最も基本的の倉数分離圢の埮分方皋匏で解いおいきたす。なお、䞊匏はラプラス倉換でも解くこずができたす。

ラプラス倉換で解く方法に぀いおは以䞋の蚘事に詳しく説明しおいたすので、参考にしおください。

【RL盎列回路のラプラス倉換】『過枡珟象』の解き方
【RL盎列回路のラプラス倉換】『過枡珟象』の解き方

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【RL盎列回路】『埮分方皋匏』の解き方

【RL盎列回路】電流i(t)の求め方

【RL盎列回路】電流の求め方

RL盎列回路にキルヒホッフの電圧則(キルヒホッフの第二法則)を甚いるず次匏が成り立ちたす。

\begin{eqnarray}
E=v_{R}(t)+v_{L}(t)\tag{1}
\end{eqnarray}

(1)匏においお、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)ずむンダクタ\(L\)の電圧\(v_{L}(t)\)は次匏で衚されたす。

\begin{eqnarray}
v_{R}(t)&=&Ri(t)\tag{2}\\
v_{L}(t)&=&L\frac{di(t)}{dt}\tag{3}
\end{eqnarray}

(2)匏ず(3)匏を(1)匏に代入するず、次匏が埗られたす。

\begin{eqnarray}
E&=&v_{R}(t)+v_{L}(t)\\
&=&Ri(t)+L\frac{di(t)}{dt}\tag{4}
\end{eqnarray}

(4)匏はRL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)に関する「埮分方皋匏」です。

この「埮分方皋匏」を解くず、RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)を導出するこずができ、次匏の指数関数ずなりたす(次匏の導出方法に぀いおは、導出過皋がかなり長くなるため、この蚘事の埌半に詳しく説明しおいたす)。

\begin{eqnarray}
i(t)=\frac{E}{R}\left(1-e^{-\frac{R}{L}t}\right)\tag{5}
\end{eqnarray}

【RL盎列回路】電流i(t)のグラフ

【RL盎列回路】電流のグラフ

RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)のグラフは䞊図のようになりたす。このグラフに぀いお説明したす。

繰り返しになりたすが、RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)の匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(t)=\frac{E}{R}\left(1-e^{-\frac{R}{L}t}\right)\tag{5}
\end{eqnarray}

(5)匏の\(t\)に『\(t=0\)』ず『\(t=∞\)』を代入した時を考えおみたしょう。

『t=0』を代入した時

『\(t=0\)』を代入するず、(5)匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(0)&=&\frac{E}{R}\left(1-e^{-\frac{R}{L}×0}\right)\\
&=&\frac{E}{R}\left(1-e^{0}\right)\\
&=&\frac{E}{R}\left(1-1\right)\\
&=&0\tag{6}
\end{eqnarray}

぀たり『\(t=0\)』の時、RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)は『\(i(0)=0\)』ずなりたす。

これは、スむッチ\(SW\)をオンした瞬間、むンダクタ\(L\)は開攟されたような状態であるずいうこずを衚しおいたす。

『t=∞』を代入した時(定垞状態の時)

『\(t=∞\)』を代入するず、(5)匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(t)&=&\frac{E}{R}\left(1-e^{-\frac{R}{L}×∞}\right)\\
&=&\frac{E}{R}\left(1-e^{-∞}\right)\\
&=&\frac{E}{R}\left(1-\frac{1}{e^{∞}}\right)\\
&=&\frac{E}{R}\left(1-0\right)\\
&=&\frac{E}{R}\tag{7}
\end{eqnarray}

぀たり、『\(t=∞\)』の時、RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)は『\(i(∞)=\displaystyle\frac{E}{R}\)』ずなりたす。

これは、スむッチ\(SW\)をオンし、しばらく時間が経過するず、むンダクタ\(L\)は短絡されたような状態であり、抵抗\(R\)によっおRL盎列回路に流れる電流が制限されおいるずいうこずを衚しおいたす。

したがっお、RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)のグラフは『\(i(0)=0\)』から『\(i(∞)=\displaystyle\frac{E}{R}\)』になるように増加しおいくのですが、この増加具合は『むンダクタ\(L\)÷抵抗\(R\)=\(\displaystyle\frac{L}{R}\)』の倀によっお倉わりたす。

この、\(\displaystyle\frac{L}{R}\)は䞀般的に時定数τ(ã‚¿ã‚Š)ず呌ばれおいたす。

時定数τ(ã‚¿ã‚Š)は過枡珟象がどのくらい続くのかを衚す目安を衚しおおり、単䜍は[s]ずなりたす。

今回のRL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)のグラフの堎合、『\({\tau}=\displaystyle\frac{L}{R}\)』の倧きさによっお以䞋のように倉わりたす。

  • 『\({\tau}=\displaystyle\frac{L}{R}\)』が倧きい時

    • 過枡珟象が長く続きたす。

  • 『\({\tau}=\displaystyle\frac{L}{R}\)』が小さい時

    • 過枡珟象が早く終わりたす。すなわち、早く定垞状態ずなりたす。

たた、時間tが時定数τ(ã‚¿ã‚Š)ず等しくなる時、RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)は以䞋の倀ずなりたす。

  • 『\(t={\tau}=\displaystyle\frac{L}{R}\)』の時

    • 『\(\displaystyle\frac{E}{R}\)』の玄63

  • 『\(t=4{\tau}=4\displaystyle\frac{L}{R}\)』の時

    • 『\(\displaystyle\frac{E}{R}\)』の玄98

【RL盎列回路】抵抗Rの電圧VR(t)の求め方

【RL盎列回路】抵抗Rの電圧の求め方

RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)が分かるず、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)を簡単に求めるこずができたす。

(5)匏を(2)匏に代入するず、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
v_{R}(t)&=&Ri(t)\\
&=&E\left(1-e^{-\frac{R}{L}t}\right)\tag{8}
\end{eqnarray}

【RL盎列回路】抵抗Rの電圧VR(t)のグラフ

【RL盎列回路】抵抗Rの電圧のグラフ

抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)のグラフは䞊図のようになりたす。このグラフに぀いお説明したす。

このグラフですが、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)はRL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)に\(R\)を掛けただけです。

すなわち、RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)のグラフず同じようなグラフずなりたす。

スむッチ\(SW\)をオンした瞬間、むンダクタ\(L\)は開攟されたような状態であるため、抵抗\(R\)にかかる電圧がれロになるこずを衚しおいたす。

スむッチ\(SW\)をオンし、しばらく時間が経過するず、むンダクタ\(L\)は短絡されたような状態であるため、抵抗\(R\)に盎流電源の電圧\(E\)の党電圧がかかるずいうこずを衚しおいたす。

【RL盎列回路】むンダクタLの電圧VL(t)の求め方

【RL盎列回路】むンダクタLの電圧の求め方

むンダクタ\(L\)の電圧\(v_{L}(t)\)はキルヒホッフの電圧則(キルヒホッフの第二法則)を甚いるず簡単に求めるこずができたす。

(2)匏を倉圢するず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
&&E=v_{R}(t)+v_{L}(t)\\
{\Leftrightarrow}&&v_{L}(t)=E-v_{R}(t)\tag{9}
\end{eqnarray}

(9)匏に(8)匏を代入するず、むンダクタ\(L\)の電圧\(v_{L}(t)\)は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
v_{L}(t)&=&E-v_{R}(t)\\
&=&E-E\left(1-e^{-\frac{R}{L}t}\right)\\
&=&E-E+Ee^{-\frac{R}{L}t}\\
&=&Ee^{-\frac{R}{L}t}\tag{10}
\end{eqnarray}

【RL盎列回路】むンダクタLの電圧VL(t)のグラフ

【RL盎列回路】むンダクタLの電圧のグラフ

むンダクタ\(L\)の電圧\(v_{L}(t)\)のグラフは䞊図のようになりたす。このグラフに぀いお説明したす。

繰り返しになりたすが、むンダクタ\(L\)の電圧\(v_{L}(t)\)の匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
v_{L}(t)=Ee^{-\frac{R}{L}t}\tag{10}
\end{eqnarray}

(10)匏の\(t\)に『\(t=0\)』ず『\(t=∞\)』を代入した時を考えおみたしょう。

『t=0』を代入した時

『\(t=0\)』を代入するず、(10)匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
v_{L}(0)&=&Ee^{-\frac{R}{L}×0}\\
&=&Ee^{0}\\
&=&E\tag{11}
\end{eqnarray}

぀たり『\(t=0\)』の時、むンダクタ\(L\)の電圧\(v_{L}(t)\)は『\(v_{L}(0)=E\)』ずなりたす。

これは、スむッチ\(SW\)をオンした瞬間、むンダクタ\(L\)は開攟されたような状態であるため、むンダクタ\(L\)に盎流電源の電圧\(E\)の党電圧がかかるずいうこずを衚しおいたす。

『t=∞』を代入した時(定垞状態の時)

『\(t=∞\)』を代入するず、(10)匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
v_{L}(∞)&=&Ee^{-\frac{R}{L}×∞}\\
&=&Ee^{-∞}\\
&=&E\frac{1}{e^{∞}}\\
&=&E×0\\
&=&0\tag{12}
\end{eqnarray}

぀たり、『\(t=∞\)』の時、むンダクタ\(L\)の電圧\(v_{L}(t)\)は『\(v_{L}(∞)=0\)』ずなりたす。

これは、スむッチ\(SW\)をオンし、しばらく時間が経過するず、むンダクタ\(L\)は短絡されたような状態であるため、むンダクタ\(L\)にかかる電圧がれロになるこずを衚しおいたす。

したがっお、むンダクタ\(L\)の電圧\(v_{L}(t)\)のグラフは『\(v_{L}(0)=E\)』から『\(v_{L}(∞)=0\)』になるように枛少しおいくのですが、この枛少具合は時定数τ(ã‚¿ã‚Š)によっお倉わりたす。

たた、時間tが時定数τ(ã‚¿ã‚Š)ず等しくなる時、むンダクタ\(L\)の電圧\(v_{L}(t)\)は以䞋の倀ずなりたす。

  • 『\(t={\tau}=\displaystyle\frac{L}{R}\)』の時

    • 『\(E\)』の玄37

  • 『\(t=4{\tau}=4\displaystyle\frac{L}{R}\)』の時

    • 『\(E\)』の玄2

『埮分方皋匏』の解き方

繰り返しになりたすが、(4)匏ず(5)匏をもう䞀床瀺したす。

(4)匏はRL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)に関する「埮分方皋匏」ずなり次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
E=Ri(t)+L\frac{di(t)}{dt}\tag{4}
\end{eqnarray}

この「埮分方皋匏」を解くず、(5)匏のRL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)を導出するこずができたす。

\begin{eqnarray}
i(t)=\frac{E}{R}\left(1-e^{-\frac{R}{L}t}\right)\tag{5}
\end{eqnarray}

この導出方法に぀いお説明したす。

導出方法

ここでは、埮分方皋匏を解く最も基本的なパタヌンの䞀぀である『倉数分離圢の埮分方皋匏』で解いおいきたす。

『倉数分離圢の埮分方皋匏』ずはその名の通り、倉数を巊蟺ず右蟺に分離した埮分方皋匏のこずです。

(4)匏の堎合、電流\(i(t)\)ず時間\(t\)が倉数なので、電流\(i(t)\)に関するものを巊蟺に、時間\(t\)に関するものを右蟺になるように分離したす。

すなわち、(4)匏を次匏の圢になるように倉圢したす。

\begin{eqnarray}
□di(t)=□dt\tag{13}
\end{eqnarray}

倉圢は以䞋のように行いたす。

倉数を巊蟺ず右蟺に分離する方法

たず、(4)匏の\(L\displaystyle\frac{di(t)}{dt}\)を巊蟺に、\(E\)を右蟺に移動しお、䞡蟺にマむナスを掛けるず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
L\frac{di(t)}{dt}=E-Ri(t)\tag{14}
\end{eqnarray}

(14)匏の䞡蟺を\(L\)で割るず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
\frac{di(t)}{dt}=\frac{E-Ri(t)}{L}\tag{15}
\end{eqnarray}

(15)匏の䞡蟺を\(E-Ri(t)\)で割るず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
\frac{1}{E-Ri(t)}\frac{di(t)}{dt}=\frac{1}{L}\tag{16}
\end{eqnarray}

(16)匏の䞡蟺に\(dt\)を掛けるず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
\frac{1}{E-Ri(t)}di(t)=\frac{1}{L}dt\tag{17}
\end{eqnarray}

(17)匏の䞡蟺に\(R\)を掛けるず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
\frac{R}{E-Ri(t)}di(t)&=&\frac{R}{L}dt\\
{\Leftrightarrow}\frac{1}{\displaystyle\frac{E}{R}-i(t)}di(t)&=&\frac{R}{L}dt\tag{18}
\end{eqnarray}

以䞊より、電流\(i(t)\)に関するものを巊蟺に、時間\(t\)に関するものを右蟺になるように分離できたした。

すなわち、『\(□di(t)=□dt\)』の圢になるように倉圢するこずができたした。なお、むンダクタ\(L\)ず抵抗\(R\)ず盎流電源の電圧\(E\)は定数なので、巊蟺にあっおも右蟺にあっおもどっちでも良いです。

【RL盎列回路】『埮分方皋匏』の解き方

(18)匏の䞡蟺を積分するず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
{\displaystyle\int}\frac{1}{\displaystyle\frac{E}{R}-i(t)}di(t)={\displaystyle\int}\frac{R}{L}dt\tag{19}
\end{eqnarray}

(19)匏の巊蟺ず右蟺は別々に解いおいきたす。

巊蟺の解き方

『\(k=\displaystyle\frac{E}{R}-i(t)\)』ず眮くず、\(i(t)\)はRL盎列回路に流れおいる電流であり、\(\displaystyle\frac{E}{R}\)は定垞状態においおRL盎列回路に流れおいる電流なので、『\(k=\displaystyle\frac{E}{R}-i(t){≥}0\)』ずなりたす。

たた、『\(dk=-di(t)\)』ずなるので、(19)匏の巊蟺は次匏のように倉圢できたす。

\begin{eqnarray}
(19)匏の巊蟺&=&{\displaystyle\int}\frac{1}{\displaystyle\frac{E}{R}-i(t)}di(t)\\
&=&-{\displaystyle\int}\frac{1}{k}dk\\
&=&-\log_{e}k+A\\
&=&-\log_{e}\left(\displaystyle\frac{E}{R}-i(t)\right)+A\tag{20}
\end{eqnarray}

(20)匏においお、\(A\)は積分定数ずなっおいたす。

右蟺の解き方

\(\displaystyle\frac{R}{L}\)は定数なので、積分の倖に出すこずができるので、(19)匏の右蟺は次匏のように倉圢できたす。

\begin{eqnarray}
(19)匏の右蟺&=&{\displaystyle\int}\frac{R}{L}dt\\
&=&\frac{R}{L}{\displaystyle\int}dt\\
&=&\frac{R}{L}t+B\tag{21}
\end{eqnarray}

(21)匏においお、\(B\)は積分定数ずなっおいたす。

(20)匏ず(21)匏を(19)匏に戻すず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
{\displaystyle\int}\frac{1}{\displaystyle\frac{E}{R}-i(t)}di(t)&=&{\displaystyle\int}\frac{R}{L}dt\\
{\Leftrightarrow}-\log_{e}\left(\displaystyle\frac{E}{R}-i(t)\right)+A&=&\frac{R}{L}t+B\tag{22}
\end{eqnarray}

(22)匏では\(A\)ず\(B\)の2぀の積分定数がありたす。そこで、\(A-B=D\)ず眮くず、(22)匏は次匏のように倉圢できたす。

\begin{eqnarray}
\log_{e}\left(\displaystyle\frac{E}{R}-i(t)\right)=-\frac{R}{L}t+D\tag{23}
\end{eqnarray}

(23)匏を倉圢するず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
\displaystyle\frac{E}{R}-i(t)&=&e^{-\frac{R}{L}t+D}\\
&=&e^{-\frac{R}{L}t}×e^{D}\tag{24}
\end{eqnarray}

(24)匏においお、\(\displaystyle\frac{E}{R}\)を右蟺に移動しお、䞡蟺にマむナスを掛けるず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(t)=\displaystyle\frac{E}{R}-e^{-\frac{R}{L}t}×e^{D}\tag{25}
\end{eqnarray}

次に、(25)匏の積分定数\(D\)を求める必芁がありたす。

積分定数\(D\)は以䞋のように求めたす。

積分定数Dの求め方

積分定数は回路の初期条件を甚いるこずで求めるこずができたす。

この回路の堎合、『\(t=0\)』の時、すなわち、スむッチ\(SW\)をオンした瞬間は、RL盎列回路に流れる電流\(i(t)\)はれロずなりたす。

そのため、初期条件は『\(t=0、i(0)=0\)』ずなりたす。

(25)匏に初期条件を代入するず、

\begin{eqnarray}
i(0)&=&\displaystyle\frac{E}{R}-e^{-\frac{R}{L}×0}×e^{D}\\
{\Leftrightarrow}0&=&\displaystyle\frac{E}{R}-e^{0}×e^{D}\\
&=&\displaystyle\frac{E}{R}-1×e^{D}\\
&=&\displaystyle\frac{E}{R}-e^{D}\tag{26}
\end{eqnarray}

ずなりたす。

぀たり、『\(t=0\)』の時、『\(e^{D}=\displaystyle\frac{E}{R}\)』ずなりたす。なお、積分定数\(D\)を求めおも良いですが、(25)匏においお、『\(e^{D}\)』をそのたた代入できたす。

そのため、今回は『\(e^{D}=\displaystyle\frac{E}{R}\)』たでの導出で倧䞈倫です。

(26)匏を(25)匏に代入するず、次匏ずなり、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)を導出するこずができたした。

\begin{eqnarray}
i(t)&=&\frac{E}{R}-e^{-\frac{R}{L}t}×e^{D}\\
&=&\frac{E}{R}-e^{-\frac{R}{L}t}×\frac{E}{R}\\
&=&\frac{E}{R}\left(1-e^{-\frac{R}{L}t}\right)\\
&=&\frac{E}{R}-\frac{E}{R}e^{-\frac{R}{L}t}\tag{27}
\end{eqnarray}

なお、(27)匏の右蟺の第1項は定垞解、第2項は過枡解ず呌ばれおいたす。

【RL盎列回路】『定垞解』ず『過枡解』

補足

  • 時定数\({\tau}=\displaystyle\frac{L}{R}\)の単䜍がなぜ\({\mathrm{[s]}}\)なのか

    • むンダクタ\(L\)の単䜍は『\(v_{L}(t)=L\displaystyle\frac{di(t)}{dt}{\Leftrightarrow}L=v_{L}(t)×\displaystyle\frac{dt}{di(t)}\)』より

    \begin{eqnarray}
    むンダクタLの単䜍={{\mathrm{[V]}}}×\frac{{\mathrm{[s]}}}{{\mathrm{[A]}}}
    \end{eqnarray}

    ずなりたす。

    抵抗\(R\)の単䜍は『\(v_{R}(t)=Ri(t){\Leftrightarrow}R=\displaystyle\frac{v_{R}(t)}{i(t)}\)』より

    \begin{eqnarray}
    抵抗Rの単䜍=\frac{{\mathrm{[V]}}}{{\mathrm{[A]}}}
    \end{eqnarray}

    ずなりたす。

    したがっお、時定数\({\tau}=\displaystyle\frac{L}{R}\)の単䜍は

    \begin{eqnarray}
    時定数{\tau}=\frac{L}{R}の単䜍=\frac{{{\mathrm{[V]}}}×\displaystyle\frac{{\mathrm{[s]}}}{{\mathrm{[A]}}}}{\displaystyle\frac{{\mathrm{[V]}}}{{\mathrm{[A]}}}}={\mathrm{[s]}}
    \end{eqnarray}

    ずなりたす。

たずめ

この蚘事ではRL盎列回路に぀いお、以䞋の内容を説明したした。

圓蚘事のたずめ

  • 【RL盎列回路】『過枡珟象』の匏ずグラフ
  • 【RL盎列回路】『埮分方皋匏』の解き方

お読み頂きありがずうございたした。

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