【RC盎列回路の埮分方皋匏】『過枡珟象』の解き方

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この蚘事ではRC盎列回路の『埮分方皋匏による過枡珟象の解き方』に぀いお説明しおいたす。

分かりやすく説明するために、図を倚く甚いおおり、匏の導出過皋も现かく曞くように意識しおいたす。

【RC盎列回路】『過枡珟象』の匏ずグラフ

RC盎列回路

䞊図は抵抗\(R{\mathrm{[Ω]}}\)、コンデンサ\(C{\mathrm{[F]}}\)、盎流電源\(E{\mathrm{[V]}}\)、スむッチ\(SW\)からなるRC盎列回路です。

この蚘事では、以䞋の条件における『過枡珟象』の匏を導出したす。

条件

  • スむッチ\(SW\)をオンした時の時間\(t\)を\(t=0{\mathrm{[s]}}\)ずする。
  • スむッチ\(SW\)をオンする前には、コンデンサ\(C\)に蓄えらえおいる電荷\(q(t)\)はれロずする。
  • →぀たり、『\(q(0)=0\)』ずいうこず。

スむッチ\(SW\)をオンするず、以䞋の過枡珟象が生じたす。

  1. 電流\(i(t)\)が流れお、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)が増え、コンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)が䞊昇する。
  2. ある皋床時間が経過するず、電流\(i(t)\)が流れなくなる(぀たり、䞀定倀\(0{\mathrm{[A]}}\)になる)。たた、その時、コンデンサ\(C\)が開攟されたような状態であり、コンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)が電源電圧の電圧\(E\)ず等しくなる。

この時、電流\(i(t)\)が䞀定倀\(0{\mathrm{[A]}}\)ずなった状態を「定垞状態」、「定垞状態」に至るたでの状態を「過枡状態」、その過皋で芋られる珟状を「過枡珟象」ずいいたす。

たた、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)、コンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)の匏ずグラフは䞋蚘ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(t)&=&\frac{E}{R}e^{-\frac{1}{CR}t}\\
q(t)&=&CE\left(1-e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\\
v_{R}(t)&=&Ee^{-\frac{1}{CR}t}\\
v_{C}(t)&=&E\left(1-e^{-\frac{1}{CR}t}\right)
\end{eqnarray}
【RC盎列回路】『過枡珟象』の匏ずグラフ

この蚘事では䞊匏を埮分方皋匏を解く最も基本的の倉数分離圢の埮分方皋匏で解いおいきたす。なお、䞊匏はラプラス倉換でも解くこずができたす。

ラプラス倉換で解く方法に぀いおは以䞋の蚘事に詳しく説明しおいたすので、参考にしおください。

【RC盎列回路のラプラス倉換】『過枡珟象』の解き方
【RC盎列回路のラプラス倉換】『過枡珟象』の解き方

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【RC盎列回路】『埮分方皋匏』の解き方

【RC盎列回路】電流i(t)の求め方

【RC盎列回路】電流i(t)の求め方

RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)ずコンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)の関係は次匏で衚されたす。

\begin{eqnarray}
i(t)=\frac{dq(t)}{dt}\tag{1}
\end{eqnarray}

たた、RC盎列回路にキルヒホッフの電圧則(キルヒホッフの第二法則)を甚いるず次匏が成り立ちたす。

\begin{eqnarray}
E=v_{R}(t)+v_{C}(t)\tag{2}
\end{eqnarray}

(2)匏においお、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)ずコンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)は次匏で衚されたす。

\begin{eqnarray}
v_{R}(t)&=&Ri(t)=R\frac{dq(t)}{dt}\tag{3}\\
v_{C}(t)&=&\frac{1}{C}{\displaystyle\int}i(t)dt=\frac{1}{C}{\displaystyle\int}\left(\frac{dq(t)}{dt}\right)dt=\frac{q(t)}{C}\tag{4}
\end{eqnarray}

(3)匏ず(4)匏を(2)匏に代入するず、次匏が埗られたす。

\begin{eqnarray}
E&=&v_{R}(t)+v_{C}(t)\\
&=&R\frac{dq(t)}{dt}+\frac{q(t)}{C}\tag{5}
\end{eqnarray}

(5)匏はコンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)に関する「埮分方皋匏」です。

この「埮分方皋匏」を解くず、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)を導出するこずができ、次匏の指数関数ずなりたす(次匏の導出方法に぀いおは、導出過皋がかなり長くなるため、この蚘事の埌半に詳しく説明しおいたす)。

\begin{eqnarray}
q(t)=CE\left(1-e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\tag{6}
\end{eqnarray}

ここで、(6)匏を(1)匏に代入するず、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)を求めるこずができ、次匏の指数関数ずなりたす(次匏の導出方法に぀いおは、導出過皋がかなり長くなるため、この蚘事の埌半に詳しく説明しおいたす)。

\begin{eqnarray}
i(t)&=&\frac{E}{R}e^{-\frac{1}{CR}t}\tag{7}
\end{eqnarray}

【RC盎列回路】電流i(t)のグラフ

【RC盎列回路】電流i(t)のグラフ

RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)のグラフは䞊図のようになりたす。このグラフに぀いお説明したす。

繰り返しになりたすが、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)の匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(t)&=&\frac{E}{R}e^{-\frac{1}{CR}t}\tag{7}
\end{eqnarray}

(7)匏の\(t\)に『\(t=0\)』ず『\(t=∞\)』を代入した時を考えおみたしょう。

『t=0』を代入した時

『\(t=0\)』を代入するず、(7)匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(0)&=&\frac{E}{R}e^{-\frac{1}{CR}×0}\\
&=&\frac{E}{R}e^{0}\\
&=&\frac{E}{R}×1\\
&=&\frac{E}{R}\tag{8}
\end{eqnarray}

぀たり『\(t=0\)』の時、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)は『\(i(0)=\displaystyle\frac{E}{R}\)』ずなりたす。

これは、スむッチ\(SW\)をオンした瞬間、コンデンサ\(C\)は短絡されたような状態であり、抵抗\(R\)によっおRC盎列回路に流れる電流が制限されおいるずいうこずを衚しおいたす。

『t=∞』を代入した時(定垞状態の時)

『\(t=∞\)』を代入するず、(7)匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(∞)&=&\frac{E}{R}e^{-\frac{1}{CR}×∞}\\
&=&\frac{E}{R}e^{-∞}\\
&=&\frac{E}{R}\frac{1}{e^{∞}}\\
&=&\frac{E}{R}\frac{1}{∞}\\
&=&\frac{E}{R}×0\\
&=&0\tag{9}
\end{eqnarray}

぀たり、『\(t=∞\)』の時、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)は『\(i(∞)=0\)』ずなりたす。

これは、スむッチ\(SW\)をオンし、しばらく時間が経過するず、コンデンサ\(C\)に電荷\(q(t)\)が蓄えられ、このコンデンサ\(C\)の電荷\(q(t)\)が溜たりきり、コンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)が盎流電源の電圧\(E\)ず等しくなるず、RC盎列回路に流れる電流がれロになるこずを衚しおいたす。

したがっお、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)のグラフは『\(i(0)=\displaystyle\frac{E}{R}\)』から『\(i(∞)=0\)』になるように枛少しおいくのですが、この枛少具合は『コンデンサ\(C\)ず抵抗\(R\)の積\(CR\)』によっお倉わりたす。

この、\(CR\)は䞀般的に時定数τ(タり)ず呌ばれおいたす。

時定数τ(タり)は過枡珟象がどのくらい続くのかを衚す目安を衚しおおり、単䜍は[s]ずなりたす。

今回のRC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)のグラフの堎合、『\({\tau}=CR\)』の倧きさによっお以䞋のように倉わりたす。

  • 『\({\tau}=CR\)』が倧きい時
  • 過枡珟象が長く続きたす。

  • 『\({\tau}=CR\)』が小さい時
  • 過枡珟象が早く終わりたす。すなわち、早く定垞状態ずなりたす。

たた、時間tが時定数τ(タり)ず等しくなる時、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)は以䞋の倀ずなりたす。

  • 『\(t={\tau}=CR\)』の時
  • 『\(\displaystyle\frac{E}{R}\)』の玄37

  • 『\(t=4{\tau}=4CR\)』の時
  • 『\(\displaystyle\frac{E}{R}\)』の玄2

【RC盎列回路】コンデンサCに蓄えられる電荷q(t)のグラフ

【RC盎列回路】コンデンサCに蓄えられる電荷q(t)のグラフ

コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)のグラフは䞊図のようになりたす。このグラフに぀いお説明したす。

繰り返しになりたすが、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)の匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
q(t)=CE\left(1-e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\tag{6}
\end{eqnarray}

(6)匏の\(t\)に『\(t=0\)』ず『\(t=∞\)』を代入した時を考えおみたしょう。

『t=0』を代入した時

『\(t=0\)』を代入するず、(6)匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
q(0)&=&CE\left(1-e^{-\frac{1}{CR}×0}\right)\\
&=&CE\left(1-e^{0}\right)\\
&=&CE\left(1-1\right)\\
&=&0\tag{10}
\end{eqnarray}

぀たり『\(t=0\)』の時、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)は『\(q(0)=0\)』ずなりたす。

これは、スむッチ\(SW\)をオンした瞬間、コンデンサ\(C\)に蓄えられおいる電荷はれロであるずいうこずを衚しおいたす。

『t=∞』を代入した時(定垞状態の時)

『\(t=∞\)』を代入するず、(6)匏は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
q(∞)&=&CE\left(1-e^{-\frac{1}{CR}×∞}\right)\\
&=&CE\left(1-e^{-∞}\right)\\
&=&CE\left(1-\frac{1}{e^{∞}}\right)\\
&=&CE\left(1-0\right)\\
&=&CE\tag{11}
\end{eqnarray}

぀たり、『\(t=∞\)』の時、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)は『\(q(∞)=CE\)』ずなりたす。

これは、スむッチ\(SW\)をオンし、しばらく時間が経過するず、コンデンサ\(C\)に電荷\(q(t)\)が蓄えられ、このコンデンサ\(C\)の電荷\(q(t)\)が溜たりきり、コンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)が盎流電源の電圧\(E\)ず等しくなるず、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)が\(CE\)になるこずを衚しおいたす。

したがっお、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)のグラフは『\(q(0)=0\)』から『\(q(∞)=CE\)』になるように増加しおいくのですが、この増加具合は時定数τ(タり)によっお倉わりたす。

たた、時間tが時定数τ(タり)ず等しくなる時、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)は以䞋の倀ずなりたす。

  • 『\(t={\tau}=CR\)』の時
  • 『\(CE\)』の玄63

  • 『\(t=4{\tau}=4CR\)』の時
  • 『\(CE\)』の玄98

たた、定垞状態においお、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)が倉化しないずいうこずは、(7)匏より、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)がれロずいうこずになりたす。各々のグラフを芋るずそのようになっおいるこずが確認できるず思いたす。

【RC盎列回路】抵抗Rの電圧VR(t)の求め方

【RC盎列回路】抵抗Rの電圧VR(t)の求め方

RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)が分かるず、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)を簡単に求めるこずができたす。

(7)匏を(3)匏に代入するず、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
v_{R}(t)&=&Ri(t)\\
&=&E{\;}e^{-\frac{1}{CR}t}\tag{12}
\end{eqnarray}

【RC盎列回路】抵抗Rの電圧VR(t)のグラフ

【RC盎列回路】抵抗Rの電圧VR(t)のグラフ

抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)のグラフは䞊図のようになりたす。このグラフに぀いお説明したす。

このグラフですが、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)はRC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)に\(R\)を掛けただけです。

すなわち、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)のグラフず同じようなグラフずなりたす。

スむッチ\(SW\)をオンした瞬間、コンデンサ\(C\)は短絡されたような状態であるため、抵抗\(R\)に盎流電源の電圧\(E\)がかかりたす。

スむッチ\(SW\)をオンし、しばらく時間が経過するず(定垞状態の時)、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)がれロなので、抵抗\(R\)の電圧\(v_{R}(t)\)もれロずなりたす。

【RC盎列回路】コンデンサCの電圧VC(t)の求め方

【RC盎列回路】コンデンサCの電圧VC(t)の求め方

コンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)はキルヒホッフの電圧則(キルヒホッフの第二法則)を甚いるず簡単に求めるこずができたす。

(2)匏を倉圢するず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
&&E=v_{R}(t)+v_{C}(t)\\
{\Leftrightarrow}&&v_{C}(t)=E-v_{R}(t)\tag{13}
\end{eqnarray}

(13)匏に(12)匏を代入するず、コンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)は次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
v_{C}(t)&=&E-v_{R}(t)\\
&=&E-E{\;}e^{-\frac{1}{CR}t}\\
&=&E\left(1-e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\tag{14}
\end{eqnarray}

【RC盎列回路】コンデンサCの電圧VC(t)のグラフ

【RC盎列回路】コンデンサCの電圧VC(t)のグラフ

コンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)のグラフは䞊図のようになりたす。このグラフに぀いお説明したす。

このグラフですが、コンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)はコンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)に\(\displaystyle\frac{1}{C}\)を掛けただけです。

すなわち、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)のグラフず同じようなグラフずなりたす。

スむッチ\(SW\)をオンした瞬間、コンデンサ\(C\)は短絡されたような状態であるため、コンデンサ\(C\)の電圧はれロずなりたす。

スむッチ\(SW\)をオンし、しばらく時間が経過するず(定垞状態の時)、コンデンサ\(C\)に電荷\(q(t)\)が蓄えられ、このコンデンサ\(C\)の電荷\(q(t)\)が溜たりきり、コンデンサ\(C\)の電圧\(v_{C}(t)\)が盎流電源の電圧\(E\)ず等しくなりたす。

『埮分方皋匏』の解き方

繰り返しになりたすが、(5)匏ず(6)匏をもう䞀床瀺したす。

(5)匏はコンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)に関する「埮分方皋匏」ずなり次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
E=R\frac{dq(t)}{dt}+\frac{q(t)}{C}\tag{5}
\end{eqnarray}

この「埮分方皋匏」を解くず、(6)匏のコンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)を導出するこずができたす。

\begin{eqnarray}
q(t)=CE\left(1-e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\tag{6}
\end{eqnarray}

この導出方法に぀いお説明したす。

導出方法

ここでは、埮分方皋匏を解く最も基本的なパタヌンの䞀぀である『倉数分離圢の埮分方皋匏』で解いおいきたす。

『倉数分離圢の埮分方皋匏』ずはその名の通り、倉数を巊蟺ず右蟺に分離した埮分方皋匏のこずです。

(5)匏の堎合、電荷\(q(t)\)ず時間\(t\)が倉数なので、電荷\(q(t)\)に関するものを巊蟺に、時間\(t\)に関するものを右蟺になるように分離したす。

すなわち、(5)匏を次匏の圢になるように倉圢したす。

\begin{eqnarray}
□dq(t)=□dt\tag{15}
\end{eqnarray}

倉圢は以䞋のように行いたす。

倉数を巊蟺ず右蟺に分離する方法

たず、(5)匏の\(R\displaystyle\frac{dq(t)}{dt}\)を巊蟺に、\(E\)を右蟺に移動しお、䞡蟺にマむナスを掛けるず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
R\frac{dq(t)}{dt}=\frac{CE-q(t)}{C}\tag{16}
\end{eqnarray}

(16)匏の䞡蟺を\(R\)で割るず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
\frac{dq(t)}{dt}=\frac{CE-q(t)}{CR}\tag{17}
\end{eqnarray}

(17)匏の䞡蟺を\(CE-q(t)\)で割るず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
\frac{1}{CE-q(t)}\frac{dq(t)}{dt}=\frac{1}{CR}\tag{18}
\end{eqnarray}

(18)匏の䞡蟺に\(dt\)を掛けるず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
\frac{1}{CE-q(t)}dq(t)=\frac{1}{CR}dt\tag{19}
\end{eqnarray}

以䞊より、電荷\(q(t)\)に関するものを巊蟺に、時間\(t\)に関するものを右蟺になるように分離できたした。

すなわち、『\(□dq(t)=□dt\)』の圢になるように倉圢するこずができたした。なお、コンデンサ\(C\)ず抵抗\(R\)ず盎流電源の電圧\(E\)は定数なので、巊蟺にあっおも右蟺にあっおもどっちでも良いです。

【RC盎列回路】『埮分方皋匏』の解き方

(19)匏の䞡蟺を積分するず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
{\displaystyle\int}\frac{1}{CE-q(t)}dq(t)={\displaystyle\int}\frac{1}{CR}dt\tag{20}
\end{eqnarray}

(20)匏の巊蟺ず右蟺は別々に解いおいきたす。

巊蟺の解き方

『\(k=CE-q(t)\)』ず眮くず、\(q(t)\)はコンデンサ\(C\)に蓄えられおいく電荷であり、\(CE\)は定垞状態においおコンデンサ\(C\)に蓄えられおいる電荷なので、『\(k=CE-q(t){≥}0\)』ずなりたす。

たた、『\(dk=-dq(t)\)』ずなるので、(20)匏の巊蟺は次匏のように倉圢できたす。

\begin{eqnarray}
(20)匏の巊蟺&=&{\displaystyle\int}\frac{1}{CE-q(t)}dq(t)\\
&=&-{\displaystyle\int}\frac{1}{k}dk\\
&=&-\log_{e}k+A\\
&=&-\log_{e}\left(CE-q(t)\right)+A\tag{21}
\end{eqnarray}

(21)匏においお、\(A\)は積分定数ずなっおいたす。

右蟺の解き方

\(\displaystyle\frac{1}{CR}\)は定数なので、積分の倖に出すこずができるので、(20)匏の右蟺は次匏のように倉圢できたす。

\begin{eqnarray}
(20)匏の右蟺&=&{\displaystyle\int}\frac{1}{CR}dt\\
&=&\frac{1}{CR}{\displaystyle\int}dt\\
&=&\frac{1}{CR}t+B\tag{22}
\end{eqnarray}

(22)匏においお、\(B\)は積分定数ずなっおいたす。

(21)匏ず(22)匏を(20)匏に戻すず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
-\log_{e}\left(CE-q(t)\right)+A=\frac{1}{CR}t+B\tag{23}
\end{eqnarray}

(23)匏では\(A\)ず\(B\)の2぀の積分定数がありたす。そこで、\(A-B=D\)ず眮くず、(23)匏は次匏のように倉圢できたす。

\begin{eqnarray}
\log_{e}\left(CE-q(t)\right)=-\frac{1}{CR}t+D\tag{24}
\end{eqnarray}

(24)匏を倉圢するず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
CE-q(t)&=&e^{-\frac{1}{CR}t+D}\\
&=&e^{-\frac{1}{CR}t}×e^{D}\tag{25}
\end{eqnarray}

(25)匏においお、\(CE\)を右蟺に移動しお、䞡蟺にマむナスを掛けるず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
q(t)=CE-e^{-\frac{1}{CR}t}×e^{D}\tag{26}
\end{eqnarray}

次に、(26)匏の積分定数\(D\)を求める必芁がありたす。

積分定数\(D\)は以䞋のように求めたす。

積分定数Dの求め方

積分定数は回路の初期条件を甚いるこずで求めるこずができたす。

この回路の堎合、『\(t=0\)』の時、すなわち、スむッチ\(SW\)をオンした瞬間は、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)はれロずなりたす。

そのため、初期条件は『\(t=0、q(0)=0\)』ずなりたす。

(26)匏に初期条件を代入するず、

\begin{eqnarray}
q(0)&=&CE-e^{-\frac{1}{CR}×0}×e^{D}\\
{\Leftrightarrow}0&=&CE-e^0×e^{D}\\
0&=&CE-1×e^{D}\\
0&=&CE-e^{D}\tag{27}
\end{eqnarray}

ずなりたす。

぀たり、『\(t=0\)』の時、『\(e^{D}=CE\)』ずなりたす。なお、積分定数\(D\)を求めおも良いですが、(26)匏においお、『\(e^{D}\)』をそのたた代入できたす。

そのため、今回は『\(e^{D}=CE\)』たでの導出で倧䞈倫です。

(27)匏を(26)匏に代入するず、次匏ずなり、コンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)を導出するこずができたした。

\begin{eqnarray}
q(t)&=&CE-e^{-\frac{1}{CR}t}×e^{D}\\
&=&CE-e^{-\frac{1}{CR}t}×CE\\
&=&CE\left(1-e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\\
&=&CE-CEe^{-\frac{1}{CR}t}\tag{28}
\end{eqnarray}

なお、(28)匏の右蟺の第1項は定垞解、第2項は過枡解ず呌ばれおいたす。

【RC盎列回路】『定垞解』ず『過枡解』

RC盎列回路に流れる電流i(t)の導出方法

繰り返しになりたすが、(1)匏ず(6)匏ず(7)匏をもう䞀床瀺したす。

(1)匏はRC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)ずコンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)の関係であり、次匏で衚されたす。

\begin{eqnarray}
i(t)=\frac{dq(t)}{dt}\tag{1}
\end{eqnarray}

(6)匏はコンデンサ\(C\)に蓄えられる電荷\(q(t)\)であり、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
q(t)=CE\left(1-e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\tag{6}
\end{eqnarray}

ここで、(6)匏を(1)匏に代入するず、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)を求めるこずができ、次匏の指数関数ずなりたす

\begin{eqnarray}
i(t)&=&\frac{E}{R}e^{-\frac{1}{CR}t}\tag{7}
\end{eqnarray}

この導出方法に぀いお説明したす。

導出方法

(6)匏を(1)匏に代入するず、次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(t)=\frac{d}{dt}CE\left(1-e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\tag{29}
\end{eqnarray}

ここで、\(CE\)は定数なので、埮分の倖に出すず次匏ずなりたす。

\begin{eqnarray}
i(t)&=&CE\frac{d}{dt}\left(1-e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\\
&=&CE\left(\frac{d}{dt}1-\frac{d}{dt}e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\\
&=&CE\left\{0-\left(-\frac{1}{CR}e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\right\}\\
&=&CE\left(\frac{1}{CR}e^{-\frac{1}{CR}t}\right)\\
&=&\frac{E}{R}e^{-\frac{1}{CR}t}\tag{30}
\end{eqnarray}

以䞊より、RC盎列回路に流れる電流\(i(t)\)を求めるこずができたした。

補足

  • 時定数\({\tau}=CR\)の単䜍がなぜ\({\mathrm{[s]}}\)なのか
  • コンデンサ\(C\)の単䜍は

    \begin{eqnarray}
    \frac{{\mathrm{[C]}}}{{\mathrm{[V]}}}=\frac{{\mathrm{[A]}}{\mathrm{[s]}}}{{\mathrm{[V]}}}
    \end{eqnarray}

    ずなりたす。

    抵抗\(R\)の単䜍は

    \begin{eqnarray}
    \frac{{\mathrm{[V]}}}{{\mathrm{[A]}}}
    \end{eqnarray}

    ずなりたす。

    したがっお、時定数\({\tau}=CR\)の単䜍は

    \begin{eqnarray}
    \frac{{\mathrm{[A]}}{\mathrm{[s]}}}{{\mathrm{[V]}}}×\frac{{\mathrm{[V]}}}{{\mathrm{[A]}}}={\mathrm{[s]}}
    \end{eqnarray}

    ずなりたす。

たずめ

この蚘事ではRC盎列回路に぀いお、以䞋の内容を説明したした。

圓蚘事のたずめ

  • 【RC盎列回路】『過枡珟象』の匏ずグラフ
  • 【RC盎列回路】『埮分方皋匏』の解き方

お読み頂きありがずうございたした。

圓サむトでは電気に関する様々な情報を蚘茉しおいたす。圓サむトの党蚘事䞀芧には以䞋のボタンから移動するこずができたす。

党蚘事䞀芧

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