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【表面抵抗率とは】測定方法や表面抵抗値との違いについて

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表面抵抗率とは

表面抵抗率とは
試験対象物1cm2当たりの抵抗値です。すなわち単位面積当たりの抵抗です。ガラスやフィルム等の均一で薄い膜、シート状製品の導電性評価や検査では表面抵抗率(Surface Resistivity)の測定が一般的に行われます。JIS K 6911に正式に採用されている用語であり、記号はρSで表します。表面(Surface)やシート(Sheet)に”S”がついていることから、抵抗率ρの下文字に”s“が付きρSとなります。なお、表面抵抗RSと表面抵抗率ρSは異なるので注意しましょう。
表面抵抗値と表面抵抗率の違い

表面抵抗率の呼ばれ方は様々です

シート抵抗(sheet resistance)、面抵抗率とも呼ばれています。

表面抵抗率の式

表面抵抗率の式
物体の抵抗Rは長さLに比例し、断面積Sに反比例します。
$$ R= ρ_V\times\frac{L}{S}$$
この時の比例定数ρV を体積抵抗率といいます。
上式において、断面積Sを厚さtと幅Wに分解すると、
$$ R= ρ_V\times\frac{L}{tW}$$
体積抵抗率ρV を厚さで割ったものを表面抵抗率ρSと定義すると、
$$ρ_S = \frac{ρ_V }{t}$$
これらの式から、
$$ R=ρ_S\times\frac{L}{W}\toρ_S =R\times\frac{W}{L}=R\times RCF(S) $$
となります。
ここで、RCF(S)は表面抵抗率補正係数(Resistivity Correction Factor)といいます。これは、「材料の形状や寸法及び測定位置による影響」を補正するために用いられる係数です。体積抵抗率は物質固有の値であるが、表面抵抗率は厚さtによって変わるのが特徴です(厚さtは分母にあるため、厚いほど表面抵抗率は低下します)。そのため、厚みの指標となり、塗膜、薄膜等の分野でよく使われます。

表面抵抗率の単位

幅Wの単位は[cm]、長さLの単位も[cm]、抵抗Rは[Ω]なので、式から得られる表面抵抗率の単位は[Ω]です。しかし、単なる抵抗[Ω]と比較するために、表面抵抗率は[Ω/□]または[Ω/sq.]で表されます。読み方は「オーム・パー・スクエア」です。

表面抵抗率の測定方法

表面抵抗率の測定方法
図のような電極構成を使用します。試験物の表面にリング電極と主電極を押し当て、表面を流れてくる電流を検出します。試料の下にガード電極(測定したい電流が流れない電極)を置き、試験物の厚み方向に回り込んだ電流をグランドに流すことで、試験物の表面を流れる電流のみを測定することができます(しかし、紙やフィルムの様な薄い試験物では、電流のほとんどが下側のガード電極に流れてしまうことがあり、測定できないことがあります。これは試料の厚みが薄いほど、また、測定印加電圧が高くなるほど発生し易くなります。)

直流電圧Vをリング電極に印可し、リング電極から主電極に向かって試験物表面上に流れる電流Iを測定すると、
表面抵抗RS
$$ R_S=\frac{V}{I}$$
となります。
なお、リング電極からガード電極に漏れ電流が流れますが、試験物表面上に流れる電流の方が多いため表面抵抗RSの計算に使用する電流Iの値には影響を与えません。

ここで表面抵抗率ρS
$$ρ_S =R_S \times\frac{W}{L}$$
です。ここから幅Wと長さLを求めていきます。

今回電流が流れるのは、リング電極と主電極の間であるドーナツ型の部分です。
これを展開すると、直方体となりますが、この直方体を「平均直径で近似する場合」と「厳密に内径と外形を考慮する場合」で式が異なります。
リング電極と主電極の間であるドーナツ型の部分

■平均直径で近似する場合
これは式が簡単です。直方体の幅(有効周囲長)がπ×(D+d)/2であり、長さ(ギャップ長)が(D-d)/2です。
そのため、
$$ρ_S =R_S \times\frac{W}{L}=R_S \times\frac{\frac{\pi (D+d)}{2}}{\frac{D-d}{2}}=R_S\times\frac{\pi (D+d)}{ D-d }$$
となります。
ここで、JIS K 6911の場合、d=50mm、D=70mmとなり、
$$ρ_S =18.850\times R_S$$
となります。

■厳密に内径と外形を考慮する場合
半径rにおける円周上の抵抗R(r)は、幅が2πr、高さがt、幅がdrの薄い展開図だと考えると、
$$ R(r)= ρ_V \times \frac{dr}{2{\pi}r{\cdot}t}$$
ここで、体積抵抗率ρV を厚さtで割ったものを表面抵抗率ρSなので、
$$ R(r)= ρ_S \times \frac{dr}{2{\pi}r}$$
これを半径d/2から半径D/2まで積分することで、リング電極と主電極の間であるドーナツ型の部分の表面抵抗RSを求めることができる。
$$ R_S= \displaystyle \int_{ d/2}^{ D/2} R(r)= \displaystyle \int_{ d/2}^{ D/2}ρ_S \times \frac{1}{2{\pi}r}{\cdot}dr=\frac{ρ_S }{2{\pi}}{\cdot}ln\frac{D}{d} $$
すなわち、表面抵抗率ρS
$$ ρ_S=\frac{2{\pi}}{ ln\frac{D}{d }}\times R_S $$
ここで、JIS K 6911の場合、d=50mm、D=70mmとなり、
$$ρ_S =18. 674\times R_S$$
となります。平均直径で近似した場合とほどんど同じになりましたね。

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