この記事では、はんだの『引け巣』について
- 引け巣とは
- 引け巣の『原因』と『メカニズム』
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
はんだの『引け巣』とは
鉛フリーはんだは、その名の通り、鉛(Pb)を含まない"はんだ"であり、最も一般的なのが「スズ(Sn):96.5%、銀(Ag):3.0%、銅(Cu):0.5%」で構成されている"はんだ"です。
この鉛フリーはんだ特有の現象として『引け巣』があります。
引け巣とは、白色化した"はんだ"の表面にできる細かい『ひび割れ』や『クラック』のことであり、はんだ付け後の"はんだ"が冷却して固まる時に発生します。
引け巣が原因でクラック割れが進行することはないと言われています。
白色化とは?
はんだ表面にできる細かいしわのこと。"はんだ"が冷却して固まる時にスズ(Sn)が結晶化することで出来ます。
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引け巣の『原因』と『メカニズム』
引け巣は、"はんだ"が冷却して固まる際に、「先に固まる部分」と「遅れて固まる部分」の差によって発生します。
「スズ(Sn)の単体」は232℃で固まります。また、「スズ(Sn)-銀(Ag)-銅(Cu)の共晶部分」は217℃で固まります。
はんだ付け後、冷却される際、まずスズ(Sn)が最初に固まり、スズ(Sn)の樹枝状結晶(デンドライト)が析出されます。遅れて「スズ(Sn)-銀(Ag)-銅(Cu)の共晶部分」が固まります。この共晶部分が固まる時に、体積収縮が生じ、スズ(Sn)のデンドライトが引き裂かれ、引け巣(細かい『ひび割れ』や『クラック』)が発生します。
まとめ
この記事では、はんだの『引け巣』について、以下の内容を説明しました。
- 引け巣とは
- 引け巣の『原因』と『メカニズム』
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