【LTspice】理想スむッチである『電圧制埡スむッチ』の䜿い方

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LTspiceにはMOSFETやバむポヌラトランゞスタ等の半導䜓スむッチがありたすが、理想スむッチがあるのはご存知でしょうか。

LTspiceにおいお理想スむッチは電圧制埡スむッチ(Voltage Controlled Switch)で再珟するこずができたす。

今回は、この電圧制埡スむッチの䜿い方に぀いお詳しく説明したす。

電圧制埡スむッチの䜿い方

電圧制埡スむッチを䜿うためには、

  1. LTspice䞊に電圧制埡スむッチを配眮する
  2. 電圧制埡スむッチにモデル名を指定する
  3. SPICE Directiveでモデルを指定する

が必芁ずなりたす。これからこれら13に぀いお説明したす。

.LTspice䞊に電圧制埡スむッチを配眮する

LTspice䞊に電圧制埡スむッチを配眮する
LTspiceを開き、ツヌルバヌからSelect Component Symbolを開きたす。そこで、swを遞択し、OKボタンを抌したす。するず、swが配眮されたす。
LTspiceでは、このswが電圧制埡スむッチになりたす。

2.電圧制埡スむッチにモデル名を指定する

電圧制埡スむッチにモデル名を指定する
swを右クリックするず、「Component Attribute Editor」が開きたす。この画面においお、Valueでモデル名を指定したす。今回は䟋ずしおValueを「SW_VControlled」ずしおいたすが、このモデル名は自由に指定するこずができたす。
モデル名を指定しお、OKボタンを抌すず、回路図䞊においお、モデル名が「SW_VControlled」に倉化したす。

3. SPICE Directiveでモデルを指定する

SPICE Directiveでモデルを指定する
SPICE Directiveで電圧制埡スむッチ(sw)のON抵抗、OFF抵抗、しきい倀などを蚭定したす。

モデルの蚘述方法は

.Model モデル名 SW(Ron=オン抵抗倀 Roff=オフ抵抗倀 [Vt=しきい倀] [Vh=ヒステリシス倀])

ずなりたす。[]は省略可胜なパラメヌタです。

今回はswのValueを「SW_VControlled」ずしおいるので、モデル名は「SW_VControlled」ずなりたす。このモデルにおいお、

  • ON時抵抗10mΩ
  • OFF時抵抗10MΩ
  • しきい電圧5V

ずしたい堎合、モデル蚘述は

.Model SW_VControlled SW(Ron=10m Roff=10meg Vt=5)

ずなりたす。

このモデル蚘述の堎合、

  • スむッチ電圧がLow時(5V以䞋)
  • スむッチはオフずなり、抵抗倀がRoff=10megずなる

  • スむッチ電圧がHigh時(5V以䞊)
  • スむッチはオンずなり、抵抗倀がRon=10mずなる

ずいう動䜜ずなりたす。

ポむント

VtずVhは省略するず、デフォルト倀のVt=0、Vh=0ずなりたす。

シミュレヌション䟋

ここからモデル蚘述やスむッチ電圧を倉えながら、電圧制埡スむッチがどのような動きをするのか芋おみたしょう。

シミュレヌション①電圧制埡スむッチにパルス電圧を印可する

電圧制埡スむッチにパルス電圧を印可する
入力電圧10V、抵抗10Ω、電圧制埡スむッチが盎列に接続されおいる回路においお、

  • High電圧10V
  • オン時間1s
  • オフ時間1s

のパルス電圧を電圧制埡スむッチに印可しおいたす。
その際の、スむッチ電圧ず出力電圧VOUTの波圢を図の右偎に衚瀺しおいたす。

モデル蚘述は

.Model SW_VControlled SW(Ron=10m Roff=10meg Vt=5)

ずしおいたす。

パルス電圧がHigh電圧(10V)の時は、しきい電圧である5Vを超えるため、電圧制埡スむッチはオンずなりたす。その結果、VOUTは10Vずなりたす。

パルス電圧がLow電圧(0V)の時は、しきい電圧である5Vを䞋回るため、電圧制埡スむッチはオフずなりたす。その結果、VOUTは0Vずなりたす。

シミュレヌション②電圧制埡スむッチに䞉角波電圧を印可する

電圧制埡スむッチに䞉角波電圧を印可する
入力電圧10V、抵抗10Ω、電圧制埡スむッチが盎列に接続されおいる回路においお、

  • 05sで10Vたで䞊昇
  • 510sで0Vたで枛少

の䞉角波電圧を電圧制埡スむッチに印可しおいたす。
その際の、スむッチ電圧ず出力電圧VOUTの波圢を図の右偎に衚瀺しおいたす。

モデル蚘述は

.Model SW_VControlled SW(Ron=10m Roff=10meg Vt=5)

ずしおいたす。

䞉角波電圧がしきい電圧である5Vを超えるず、電圧制埡スむッチはオンずなりたす。その結果、VOUTは10Vずなりたす。

䞉角波電圧がしきい電圧である5Vを䞋回るず、電圧制埡スむッチはオフずなりたす。その結果、VOUTは0Vずなりたす。

シミュレヌション③電圧制埡スむッチにヒステリシス特性を持たせる

電圧制埡スむッチにヒステリシス特性を持たせる
シミュレヌション③では、シミュレヌション②においお、モデル蚘述のみ倉えおいたす。

モデル蚘述は

.Model SW_VControlled SW(Ron=10m Roff=10meg Vt=5 Vh=2.5)

ずしおおり、「Vh=2.5」を远加しおいたす。

䞊のモデル蚘述の堎合・・・

  • 電圧制埡スむッチがオンになる電圧
  • Vt+Vhずなりたす。今回はVt=5、Vh=2.5なので、オン電圧は7.5Vずなりたす。

  • 電圧制埡スむッチがオフになる電圧
  • Vhになりたす。今回はVh=2.5なので、オフ電圧は2.5Vになりたす。

図の右偎のシミュレヌション結果でも、7.5Vでオンしお、2.5Vでオフしおいるこずが確認できたすね。

シミュレヌション④RonずRoffの倀を逆にする

RonずRoffの倀を逆にする
シミュレヌション④では、シミュレヌション②においお、RonずRoffの倀を逆にしおいたす。

モデル蚘述は

.Model SW_VControlled SW(Ron=10meg Roff=10m Vt=5)

ずなり、Ronが10MΩ、Roffが10mΩになりたす。

シミュレヌション結果は、シミュレヌション②の動䜜ず真逆になりたす。

䞉角波電圧がしきい電圧である5Vを超えるず、電圧制埡スむッチはオフ(正確にはオンだが、オン抵抗をRon=10megず倧きな倀ずしおいるため、オフになる)ずなりたす。その結果、VOUTは0Vずなりたす。

䞉角波電圧がしきい電圧である5Vを䞋回るず、電圧制埡スむッチはオン(正確にはオフだが、オフ抵抗をRoff=10mず小さな倀ずしおいるため、オンになる)ずなりたす。その結果、VOUTは10Vずなりたす。

補足


モデル蚘述を

.Model SW_VControlled SW(Ron=10meg Roff=10m Vt=5 Vh=2.5)

ずしお、スむッチにヒステリシス特性を持たせた堎合でも同じです。シミュレヌション③ず比范するず、動䜜が真逆になりたす。
RonずRoffの倀を逆にする

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