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【LTspice】小信号伝達関数解析『.tf解析』の方法

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『.tf解析』について構文シミュレーション方法を説明します。

.tf解析とは

小信号伝達関数解析(.tf解析)とは、直流小信号の伝達関数(Transfer Function)を計算する解析です。シミュレーション回路図上で『入力』と『出力』を指定して、『.tf解析』を行うと、入出力変換関数(出力/入力)、入力インピーダンス、出力インピーダンスを計算することができます。なお、小信号伝達関数解析は、DC伝達関数解析や直流小信号伝達関数解析とも呼ばれています。

.tf解析の構文

.tf解析の構文は

.tf <出力> <入力>

となっています。構文において「<」と「>」で囲まれたパラメータは省略できないことを示しています。

<出力>には『ノードの電圧(例えば、V(OUT)←ノードOUTの電圧)』や『部品に流れる電流(例えば、I(ROUT)←抵抗ROUTに流れる電流)』を書きます。

一方、<入力>には、電圧源か電流源の部品番号(V1,V2,I1,I2など)を書きます。なお、<入力>にはノードの電圧や部品に流れる電流を書いてはいけません(間違える人多いです)。ノード電圧や部品に流れる電流を書くと、シミュレーション実行時にエラーメッセージが表示されます。

例えば、

.tf V(OUT) V1

のように書くと、入力を電圧源V1、出力をノードOUTの電圧V(OUT)とした小信号伝達関数解析(.tf解析)を行います。

.tf解析の記述方法

.tf解析のコマンドを記述する方法は以下の2通りあります。

  1. [Edit Simulation Command]で記述する方法
  2. [SPICE Directive]で記述する方法

これから各記述方法について説明します。

[Edit Simulation Command]で記述する方法

【.tf解析の記述方法】[Edit Simulation Command]で記述する方法
メニューバーの[Simulate]→[Edit Simulation Cmd]を選択して、[Edit Simulation Command]を開いた後に、[DC Transfer]を選択します。Outputに『出力』をSourceに『入力』を記述します。例えば、OutputにV(OUT)、SourceにV1を入力して、OKボタンを押すと、回路図ウィンドウ上に『.tf V(OUT) V1』が表示されます。

[SPICE Directive]で記述する方法

【.tf解析の記述方法】[SPICE Directive]で記述する方法
ツールバーの[SPICE Directive]をクリックする(または、回路図ウィンドウ上で「S」を押す)と、[Edit Text on the Schematic]が表示されます。チェックが[SPICE directive]になっていることを確認して、例えば、『.tf V(OUT) V1』と入力します。OKボタンを押すと、回路図ウィンドウ上に『.tf V(OUT) V1』が表示されます。

.tf解析のシミュレーション例

【LTspice】 .tf解析のシミュレーション例
今回は一例として、非反転増幅回路(倍率10倍)で小信号伝達関数解析(.tf解析)を行ってみます。入力は電圧源V1、出力はノードOUTの電圧V(OUT)としています。

ツールバーの「Run」をクリックすると、シミュレーションが実行されます。シミュレーション実行後、自動的に『.tf解析』の結果が表示されます。この結果から次のことがわかります。

  • Transfer_function
  • 入出力変換比率(出力/入力)のこと。
    今回は10倍の非反転増幅回路なので約10となっている。

  • 入力#Input_impedance
  • 入力インピーダンスのこと。
    今回は入力が電圧源V1なので、『V1#Input_impedance』となっている。

  • output_impedance_at_出力
  • 出力インピーダンスのこと。
    今回は出力がノードOUTの電圧V(OUT)なので、『output_impedance_at_V(OUT)』となっている。

.tf解析を『.stepコマンド』で変化させた時のシミュレーション

【LTspice】 .tf解析を『.stepコマンド』で変化させた時のシミュレーション01
.tf解析は『.stepコマンド』と一緒に使用すると、入力を変化させた時の「入出力変換比率」などをグラフで解析することができます。

例えば、上図では、電圧源V1の電圧(トランジスタQ1のベース電圧)を{VIN}とすることで変数VINとしています。その後、『.stepコマンド』で

.step param VIN 0.5 0.8 0.0001

と記述すると、電圧源V1の電圧{VIN}が0.5Vから0.8Vまで0.0001V間隔で変化させた時の『.tf解析』を行うことができます。

『.stepコマンド』を用いてシミュレーションを実行すると、『.tf解析』の結果が表示されずに、グラフウィンドウが表示されます。グラフウィンドウ上で、右クリックを押し、[Add Trace]を選択すると、グラフ上に表示できる信号名が表示されます。今回は、出力インピーダンス(output_impedance_at_V(c))を選択しました。

シミュレーション結果を下図に示します。
【LTspice】.tf解析を『.stepコマンド』で変化させた時のシミュレーション02
グラフの横軸は電圧源V1の電圧です。『.step param VIN 0.5 0.8 0.0001』と記述したため、500mVから800mVまで表示されています。縦軸は先程選択した出力インピーダンス(output_impedance_at_V(c))となっています。

電圧源V1の電圧(トランジスタQ1のベース電圧)が650mVを超えたあたりで、出力インピーダンスが低下し、770mVでほぼ0kΩになっています。これは、トランジスタQ1がベース電圧770mVでは、完全にONになっていることを示します。

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