『ピン名称』で『ピンに流れ込む電流(ポート電流、端子電流と呼ぶこともあります)』を参照するようにする.backannoコマンドについて説明します。
『.backannoコマンド』とは
.backannoコマンドとは、『.rawファイル』の情報を読み込むことで、『ピン名称』で『ピンに流れ込む電流』を参照するようにするコマンドです。『.backannoコマンド』によって、シンボルのピンをマウスで左クリックすると、ピンに流れ込む電流をプロットすることができるようになります。
シミュレーション回路図の入力時点やシミュレーションの実行時にLTspiceはネットリストを自動生成します。その時、自動的に『.backannoコマンド』がネットリスト上に書き込まれます。以下に抵抗を1つ配置した時のネットリストを示します。ネットリストはメニューバーの[View]を押した後に、[SPICE Netlist]を選択すると確認することができます。
ネットリストを見ると、『.backannoコマンド』が自動的に生成されていることが確認できます。
補足
『.backannoコマンド』は自動的に生成されるコマンドなので、一般的なシミュレーションでは、『.backannoコマンド』をSPICE Directiveに記述することはないと思います。
『.backannoコマンド』を使用したシミュレーション例
抵抗R1(1Ω)に電圧源V1(1V)を接続した回路で『.backannoコマンド』を確認してみます。
ネットリストを見ると、『.backannoコマンド』が自動的に記述されていることが分かります。また、シミュレーション実行後、抵抗R1のピンにマウスを近づけると、マウスが電流プローブの形に変わります。そこで、左クリックすると、抵抗R1に流れる電流をプロットすることができます。