この記事では『ヒューズ抵抗』について
- ヒューズ抵抗とは
- 『ヒューズ抵抗』と『ヒューズ』の違い
- ヒューズ抵抗の『溶断特性』と『最高開回路電圧』
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
ヒューズ抵抗とは
ヒューズ抵抗は下記の2つの機能を持った抵抗器です。
- 抵抗の機能
- ヒューズの機能
通常時(電力定格を超えない時)は、通常の抵抗として機能するため、電流を通過させます。
過負荷等の異常時は、発火したり、過度の発熱が発生したりすることなく、抵抗体が完全に溶断して、電流を遮断します。すなわち、ヒューズのような機能を持っています。
補足
- ヒューズ抵抗は英語では「Fusible Resistor」と書きます。
- 「挿入実装(リード部品)」と「表面実装(チップ部品)」のヒューズ抵抗があります。
『ヒューズ抵抗』と『ヒューズ』の違い
ヒューズ抵抗はヒューズと比較すると、応答時間のバラツキが大きくなります。
また、ヒューズ抵抗は抵抗値がありますが、ヒューズの抵抗値はmΩオーダーであり、非常に小さくなっています。
そのため、ヒューズ抵抗は、通常時にはある程度の抵抗値が必要で、過負荷等の異常時には安全に溶断してほしい箇所に使用します。
ヒューズ抵抗の『溶断特性』
ヒューズ抵抗には「過負荷時にどれくらいの時間で溶断するのかを示す特性(溶断特性)」がデータシートに記載されています。
上図に示しているのはKOA製ヒューズ抵抗(RF16シリーズ)の溶断特性です。例えば、定格電力の15倍の電力が印加された場合、約6秒~約20秒で溶断するということを示しています。
ヒューズ抵抗の『最高開回路電圧』
データシートには最高開回路電圧と呼ばれる項目があります。最高開回路電圧とは、抵抗が開放状態(オープン状態)になったとき、抵抗の端子間に印加することができる電圧の最大値です。
この最高開回路電圧は『データシートに記載されている値』または『定格電圧の30倍(または、定格電力の1000倍。データシートにより異なる)』の低い方の電圧としています。
KOA製ヒューズ抵抗(RF16シリーズ)の定格電力は0.17Wなので、『データシートに記載されている値』は最高開回路電圧100Vとなります。
最高開回路電圧については下記の記事で別途説明しています。興味のある方は下記のリンクからぜひチェックをしてみてください。
ヒューズ抵抗の『最高開回路電圧』とは?
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まとめ
この記事では『ヒューズ抵抗』について、以下の内容を説明しました。
- ヒューズ抵抗とは
- 『ヒューズ抵抗』と『ヒューズ』の違い
- ヒューズ抵抗の『溶断特性』と『最高開回路電圧』
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