フィルタ回路

【フィルタ回路】『カットオフ周波数(遮断周波数)』とは?

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フィルタ回路において、重要な用語である『カットオフ周波数(遮断周波数)』について説明します。

『カットオフ周波数』とは?

『カットオフ周波数』とは
カットオフ周波数とは、フィルタ回路において、通過域と遷移域の境界となる周波数です。

上図にロ―パスフィルタを例として、横軸を周波数、縦軸をゲインとしたグラフを示します。縦軸のゲインは入力信号に対する出力信号の電圧比率(もしくは電力比率)を示しています。入力信号と出力信号が等しくなるときに0dBとなります。

ここで、通過域とは、信号が通過する周波数帯域のことを示しています。また、減衰域とは、信号を減衰させる周波数帯域のことを示しています。この通過域と減衰域の中間が遷移域であり、通過域と遷移域の境目がカットオフ周波数です。

補足

  • 通過域は通過帯域とも呼ばれています。英語ではPass Bandと書きます。
  • 減衰域は減衰帯域、阻止帯域、阻止域とも呼ばれています。英語ではStop Bandと書きます。
  • 遷移域は遷移帯域とも呼ばれています。英語では、Transition Bandと書きます。
  • カットオフ周波数は、遮断周波数(Cutoff frequency)、コーナー周波数(Corner frequency)、3dBポイントとも呼ばれています。
  • 参考書によっては、遷移域の箇所も減衰域と定義している場合があります。この場合、通過域と減衰域の境界となる周波数がカットオフ周波数となります。
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『カットオフ周波数』の時の電力と電圧

『カットオフ周波数』の時の電力と電圧
通過域と遷移域の境目であるカットオフ周波数\(f_C\)は、ゲインが通過域平坦部から3dB低下する周波数のことを示します。カットオフ周波数\(f_C\)では、電力は通過域平坦部の1/2倍となります。一方、電圧は通過域平坦部の\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}=0.707倍\)となります。

なお、カットオフ周波数\(f_C\)でゲインが-3dBになる理由については以下の記事で式を用いて説明しています。
【フィルタ回路】カットオフ周波数(遮断周波数)でゲインが-3dBになる理由

カットオフ周波数\(f_C\)とは言い換えれば、入力信号がフィルタを通過する電力(エネルギー)と入力信号がフィルタによって減衰される電力(エネルギー)の境目となります。カットオフ周波数\(f_C\)では半分の電力(エネルギー)しか通過することができないのです。

補足

カットオフ周波数\(f_C\)はゲインが通過域平坦部から3dB低下する周波数ですが、傾きが急なフィルタでは実用的ではないため、例えば、0.1dB低下した時の周波数をカットオフ周波数として定義する場合もあります。

RCフィルタのカットオフ周波数を導出してみる

RCフィルタのカットオフ周波数
上図の回路でRCフィルタのカットオフ周波数\(f_C\)を導出してみましょう。伝達関数\(G(jω)\)は以下の式で表されます。
\begin{eqnarray}
G(jω)=\frac{V_{OUT}}{V_{IN}}=\frac{\cfrac{1}{jωC}}{R+\cfrac{1}{jωC}}
\end{eqnarray}

式変形すると、
\begin{eqnarray}
G(jω)&=&\frac{1}{1+ jωCR}\\
&=&\frac{1}{1+ jωCR}×\frac{1- jωCR }{1- jωCR}\\
&=&\frac{1- jωCR}{1+ (ωCR)^2}
\end{eqnarray}

ここで、伝達関数\(G(jω)\)のゲイン\({\vert}G(jω) {\vert}\)は
\begin{eqnarray}
|G(jω)|= \frac{\sqrt{1+ (ωCR)^2} }{1+ (ωCR)^2}=\frac{1}{\sqrt{1+ (ωCR)^2} }
\end{eqnarray}
となります。カットオフ周波数\(f_C\)では、このゲイン\({\vert}G(jω) {\vert}\)が\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}\)になるため、RCフィルタのカットオフ周波数\(f_C\)は
\begin{eqnarray}
\frac{1}{\sqrt{2}}&=&\frac{1}{\sqrt{1+ (ω_CCR)^2}}\\
{\Leftrightarrow}ω_C&=&\frac{1}{CR}\\
{\Leftrightarrow}f_C &=&\frac{1}{2{\pi}CR}
\end{eqnarray}
となります。RCフィルタの時定数\({\tau}\)は\({\tau}=RC\)なので置き換えると、以下の式になります。
\begin{eqnarray}
f_C &=&\frac{1}{2{\pi}{\tau}}
\end{eqnarray}

カットオフ周波数をシミュレーションで確かめてみる

カットオフ周波数をシミュレーションで確かめてみる
抵抗1kΩ、コンデンサ1uFにおいて、RCフィルタのシミュレーションをLTspiceで行ってみます。このRCフィルタのカットオフ周波数\(f_C\)は計算すると、
\begin{eqnarray}
f_C &=&\frac{1}{2{\pi}CR}=\frac{1}{2{\pi}×1u×1k}=159.15[Hz]
\end{eqnarray}
となります。
シミュレーション結果を見ると、カットオフ周波数\(f_C\)でゲインが-3dBになっている事が確認できます。

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