【静電気力による位置エネルギー】『公式』・『導出方法』・『単位』など!

スポンサーリンク

この記事では静電気力による位置エネルギーについて

  • 『静電気力による位置エネルギー』の公式と単位
  • 『静電気力による位置エネルギー』の導出方法
  • 『重力による位置エネルギー』との関係

などを図を用いて分かりやすく説明しています。

静電気力による位置エネルギーの公式

静電気力による位置エネルギーの公式

最初に静電気力による位置エネルギーの公式を以下に示します(後ほど公式の導出方法や意味について説明します)。

静電気力による位置エネルギーの公式

  • 電位\(V{\mathrm{[V]}}\)の箇所に置かれている点電荷\(q{\mathrm{[C]}}\)がもつ位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)
  • \begin{eqnarray}
    U=qV{\mathrm{[J]}}
    \end{eqnarray}

  • 2つの点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\),\(q{\mathrm{[C]}}\)が距離\(r{\mathrm{[m]}}\)離れて存在するときに各点電荷がもつ位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)
  • \begin{eqnarray}
    U=k\frac{Qq}{r}{\mathrm{[J]}}
    \end{eqnarray}

    なお、位置エネルギーの基準点は無限遠となります。

補足

  • 電位がプラスの場合、点電荷がプラスだと位置エネルギー\(U\)はプラスになりますが、点電荷がマイナスだと位置エネルギー\(U\)もマイナスになります。
  • 位置エネルギーの単位は\({\mathrm{[J]}}\)(←ジュール)となります。

静電気力による位置エネルギーの導出方法

次に静電気力による位置エネルギーの公式『\(U=qV{\mathrm{[J]}}\)』,『\(U=k\displaystyle\frac{Qq}{r}{\mathrm{[J]}}\)』の導出方法について説明します。

導出方法については様々な方法がありますので、順番に説明してきます。

電位の定義から『静電気力による位置エネルギー』を導出する方法

電位の定義から『静電気力による位置エネルギー』を導出する方法

静電気力による位置エネルギーの公式『\(U=qV{\mathrm{[J]}}\)』を導出してみます。

電位\(V{\mathrm{[V]}}\)は\(1{\mathrm{[C]}}\)の点電荷が持つ位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)となります。

そのため、\(1{\mathrm{[C]}}\)の点電荷がもつ位置エネルギーは『\(U=1×V=V{\mathrm{[J]}}\)』となります。

そのため、点電荷の電気量が\(2{\mathrm{[C]}},3{\mathrm{[C]}},・・・\)と増えていくと、位置エネルギー\(U\)は以下のように増えてきます。

  • \(2{\mathrm{[C]}}\)の点電荷がもつ位置エネルギー:\(U=2×V=2V{\mathrm{[J]}}\)
  • \(3{\mathrm{[C]}}\)の点電荷がもつ位置エネルギー:\(U=3×V=3V{\mathrm{[J]}}\)

このように考えると、\(q{\mathrm{[C]}}\)の点電荷がもつ位置エネルギーは『\(U=q×V=qV{\mathrm{[J]}}\)』となります。

なお、位置エネルギー\(U\)の単位は\({\mathrm{[J]}}\)(←ジュール)で点電荷\(q\)の単位は\({\mathrm{[C]}}\)(←クーロン)なので、電位\(V\)の単位は\({\mathrm{[J/C]}}\)で表すこともできます。

ただし、電位\(V\)の単位は\({\mathrm{[J/C]}}\)ではなく\({\mathrm{[V]}}\)(←ボルト)を用いる方が一般的です。

静電気力から位置エネルギーを導出する方法(その1)

静電気力から位置エネルギーを導出する方法(その1)

静電気力による位置エネルギーの公式『\(U=qV{\mathrm{[J]}}\)』を導出してみます。

一様な電場\(E{\mathrm{[N/C]}}\)に置かれた点電荷\(q{\mathrm{[C]}}\)が受ける静電気力\(F{\mathrm{[N]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
F=qE{\mathrm{[N]}}\tag{1}
\end{eqnarray}

この点電荷を『基準点』から『A点』に動かすときの仕事量\(W{\mathrm{[J]}}\)は、『基準点』から『A点』までの距離が\(d{\mathrm{[m]}}\)なので、次式で表されます。

\begin{eqnarray}
W=F×d=qE×d=qEd{\mathrm{[J]}}\tag{2}
\end{eqnarray}

また、基準点から距離\(d{\mathrm{[m]}}\)離れた位置での電位\(V{\mathrm{[V]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
V=Ed{\mathrm{[V]}}\tag{3}
\end{eqnarray}

したがって、(3)式を(2)式に代入すると、仕事量\(W{\mathrm{[J]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
W=qEd=qV{\mathrm{[J]}}\tag{4}
\end{eqnarray}

ここで、位置エネルギーは、外力が物体(ここでは点電荷)を『基準点』から『ある位置』に動かすときの仕事の量なので、A点の位置での点電荷の位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)は次式になります。

\begin{eqnarray}
U=qEd=qV{\mathrm{[J]}}\tag{5}
\end{eqnarray}

一様な電場とは、点電荷をどの地点に置いても、同じ方向、同じ大きさの静電気力が発生するような電場です。

静電気力から位置エネルギーを導出する方法(その2)

静電気力から位置エネルギーを導出する方法(その2)

静電気力による位置エネルギーの公式『\(U=k\displaystyle\frac{Qq}{r}{\mathrm{[J]}}\)』を導出してみます。

点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)から距離\(r{\mathrm{[m]}}\)離れた地点に点電荷\(q{\mathrm{[C]}}\)がある場合、点電荷\(q{\mathrm{[C]}}\)が受ける静電気力\(F{\mathrm{[N]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
F=k\frac{Qq}{r^2}{\mathrm{[N]}}\tag{6}
\end{eqnarray}

外力が点電荷\(q{\mathrm{[C]}}\)を『無限遠の位置(基準点)』から『距離\(r{\mathrm{[m]}}\)』に動かすときの仕事の量が、距離\(r{\mathrm{[m]}}\)の箇所における位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)となります。

ただし、点電荷\(q{\mathrm{[C]}}\)が受ける静電気力\(F{\mathrm{[N]}}\)は距離が離れるにつれて小さくなります。そのため、位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)は以下のように積分計算で求めることが必要となります。

\begin{eqnarray}
U&=&{\displaystyle\int}_{\infty}^r \left(-k\frac{Qq}{r^2}\right) dr\\
&=&\left[k\frac{Qq}{r}\right]_{\infty}^r\\
&=&k\frac{Qq}{r}\tag{7}
\end{eqnarray}

補足

(7)式の『\(-k\displaystyle\frac{Qq}{r^2}{\mathrm{[J]}}\)』についているマイナスの符号は距離\(r{\mathrm{[m]}}\)の向きと外力の向きが逆なのでついています。

電位から位置エネルギーを導出する方法

電位から位置エネルギーを導出する方法

点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)から距離\(r{\mathrm{[m]}}\)離れた地点での電位\(V{\mathrm{[V]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
V=k\frac{Q}{r}{\mathrm{[V]}}\tag{8}
\end{eqnarray}

したがって、点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)から距離\(r{\mathrm{[m]}}\)離れた地点に点電荷\(q{\mathrm{[C]}}\)がある場合、点電荷\(q{\mathrm{[C]}}\)がもつ位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
U=qV=q×k\frac{Q}{r}=k\frac{Qq}{r}{\mathrm{[V]}}\tag{9}
\end{eqnarray}

同様に考えると、点電荷\(q{\mathrm{[C]}}\)から距離\(r{\mathrm{[m]}}\)離れた地点での電位\(V{\mathrm{[V]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
V=k\frac{q}{r}{\mathrm{[V]}}\tag{10}
\end{eqnarray}

したがって、点電荷\(q{\mathrm{[C]}}\)から距離\(r{\mathrm{[m]}}\)離れた地点に点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)がある場合、点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\)がもつ位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
U=QV=Q×k\frac{q}{r}=k\frac{Qq}{r}{\mathrm{[V]}}\tag{11}
\end{eqnarray}

すなわち、2つの点電荷\(Q{\mathrm{[C]}}\),\(q{\mathrm{[C]}}\)が距離\(r{\mathrm{[m]}}\)離れて存在するときに各点電荷がもつ位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)は次式で表すことができます。

\begin{eqnarray}
U=k\frac{Qq}{r}{\mathrm{[J]}}{\mathrm{[V]}}\tag{12}
\end{eqnarray}

『静電気力による位置エネルギー』と『重力による位置エネルギー』の関係

『静電気力による位置エネルギー』と『重力による位置エネルギー』の関係

『重力による位置エネルギー』と比較すると『静電気力による位置エネルギー』が理解しやすくなると思います。

重力加速度\(g{\mathrm{[m/s^2]}}\)、高さ\(h{\mathrm{[m]}}\)の箇所におかれた質量\(m{\mathrm{[kg]}}\)の物体の重力による位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
U=mgh{\mathrm{[J]}}\tag{13}
\end{eqnarray}

一方、電場\(E{\mathrm{[N/C]}}\)、距離\(r{\mathrm{[m]}}\)の箇所におかれた電気量\(q{\mathrm{[C]}}\)の点電荷の静電気力による位置エネルギー\(U{\mathrm{[J]}}\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
U=qEd{\mathrm{[J]}}\tag{14}
\end{eqnarray}

上図を見ると、以下のように対応しており、『静電気力による位置エネルギー』と『重力による位置エネルギー』は似ていることが分かります。

位置エネルギーの対応

\begin{eqnarray}
電気量q{\mathrm{[C]}}&{\Leftrightarrow}&質量m{\mathrm{[kg]}}\\
電場E{\mathrm{[N/C]}}&{\Leftrightarrow}&重力加速度g{\mathrm{[m/s^2]}}\\
距離d{\mathrm{[m]}}&{\Leftrightarrow}&高さh{\mathrm{[m]}}\\
\end{eqnarray}

まとめ

この記事では静電気力による位置エネルギーついて、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • 『静電気力による位置エネルギー』の公式と単位
  • 『静電気力による位置エネルギー』の導出方法
  • 『重力による位置エネルギー』との関係

お読み頂きありがとうございました。

当サイトでは電気に関する様々な情報を記載しています。当サイトの全記事一覧には以下のボタンから移動することができます。

全記事一覧

スポンサーリンク