ダイオードの『順方向電流(順電流)IF』とは

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この記事ではダイオードの『順方向電流(順電流)』について

  • ダイオードの『順方向電流(順電流)』とは
  • ダイオードの『順方向電流(順電流)』の最大値
  • ダイオードの『順方向電流(順電流)』の温度ディレーティング
  • ダイオードの『順方向特性(順方向電流IFと順方向電圧VFの関係を示したグラフ)』

などを図を用いて分かりやすく説明しています。ご参考になれば幸いです。

ダイオードの『順方向電流(順電流)』とは

ダイオードの『順方向電流(順電流)』

ダイオードの順方向電流(順電流)とは、アノード(A)からカソード(K)に流れる電流のことを言います。

もう少し詳しく説明します。

ダイオードはアノード(A)カソード(K)と呼ばれる端子があり、正しい方向に電圧を印加することで電流が流れます。

このアノード(A)からカソード(K)の向きに印加している電圧のことを『順方向電圧(順電圧)』といい、記号はVF、単位は[V](←ボルト)となります。なお、順方向電圧は英語で『Forward Voltage』と書くため、記号がVFとなります。

ダイオードに印加する順方向電圧VFが約0.6Vを超えると急激に電流が流れ始めます。ダイオードに印加する順方向電圧VFが0.6V以下ではほとんど電流は流れていません。

この順方向電圧VFを印加した時に流れる電流のことを『順方向電流(順電流)』といい、記号はIF、単位は[A](←アンペア)となります。なお、順方向電流は英語で『Forward Current』と書くため、記号がIFとなります。

なお、この順方向電流IFは流すことができる最大値があります。次に順方向電流IFの最大値について説明します。

ダイオードに印加する順方向電圧VF約0.6Vを超えると急激に順方向電流IFが流れるのはシリコンダイオードの場合となります。ショットキーバリアダイオードの場合は順方向電圧VF約0.3Vを超えると急激に順方向電流IFが流れます。このようにダイオードの種類によって流れ始める電圧が異なります。

ダイオードの種類については下記の記事で詳しく説明していますので、ご参考になれば幸いです。

ダイオードの『種類』と『特徴』と『記号』について!

ダイオードの『順方向電流(順電流)』の最大値

ダイオードの『順方向電流(順電流)』の最大値

ダイオードが流すことができる順方向電流IFには最大値があります。この値を超えないようにダイオードを選定する必要があります。

では実際に、順方向電流IFの最大値をデータシートで確認してみましょう。

上図に示しているのは、ルネサス製1S2076のデータシートに記載されている絶対最大定格です。

絶対最大定格を見ると、平均整流電流IOが150mA、せん頭順電流IFMが450mA、サージ順電流IFSMが1Aになっていることが分かります。

なお、平均整流電流IO、せん頭順電流IFM、サージ順電流IFSMは下記の意味となっています。

  • 平均整流電流IO
  • 順方向電流IFの平均値の最大値

  • せん頭順電流IFM
  • 繰り返し順方向電流IFの最大値

  • サージ順電流IFSM
  • 正弦半波1サイクルの非繰り返し順方向電流IFの最大値

上記に示しているダイオードの順方向電流に関する用語については下記の記事で詳しく説明していますので、ご参考になれば幸いです。

ダイオードの『順方向電流(順電流)』の温度ディレーティング

ダイオードの『順方向電流(順電流)』の温度ディレーティング

ダイオードは温度が上昇すると、流すことができる順方向電流IFが減少します。そのため、高温で使用する場合には、温度ディレーティングをすることが必要となります。

温度ディレーティングを表す特性は横軸が周囲温度Ta(ケース温度Tcやリード温度Tlの場合もある)で縦軸が平均整流電流IOのグラフとなっています。

上図に示しているのは、新電元製D3CE60Vのデータシートに記載されている温度ディレーティングの特性です。横軸は周囲温度Taになっています。

温度ディレーティングの特性を見ると、周囲温度Taが高くなると、流すことができる平均整流電流IOが小さくなることが分かります。

なお、この特性は測定している基板の条件が決まっており(新電元製D3CE60Vの場合は、2インチ基板に実装した場合)、実際に使用する基板とは異なるため、参考値となります。また、この温度ディレーティングの特性はデータシートに記載されていないことの方が多いです。

ダイオードの『順方向特性』

ダイオードの『順方向特性』

ダイオードのデータシートには順方向電流IFと順方向電圧VFの関係を示したグラフ(順方向特性と呼ばれています)が記載されています。この順方向特性について説明します。

上図に示しているのは、ルネサス製1S2076のデータシートに記載されている順方向特性となります。

一般的には縦軸が順方向電流IF、横軸が順方向電圧VFの片対数グラフで表されています。順方向特性を見ると、順方向電流IFが大きくなるほど、順方向電圧VFも大きくなることが分かります。

なお、ダイオードの順方向特性は温度によって変わります。一般的なダイオードはシリコンで構成されていますが、シリコンで構成されているダイオードの場合は、温度が高くなるほど順方向電圧VFが小さくなります。

この順方向特性の温度特性については下記の記事で詳しく説明していますので、ご参考になれば幸いです。

補足

ダイオードの『順方向特性』(SiC-SBDの場合)

上図に示しているのはローム製SiC-SBD(SCS206AGC)の順方向特性です。

シリコンカーバイドショットキーバリアダイオード(SiC-SBD)の場合、順方向電流IFが小さい領域では通常のシリコンで構成されているダイオードと同様に温度が高くなるほど順方向電圧VFが小さくなります。しかし、順方向電流IFが大きい領域では、温度が高くなるほど順方向電圧VFが大きくなるので注意してください。

まとめ

この記事ではダイオードの『順方向電流(順電流)』について、以下の内容を説明しました。

  • ダイオードの『順方向電流(順電流)』とは
  • ダイオードの『順方向電流(順電流)』の最大値
  • ダイオードの『順方向電流(順電流)』の温度ディレーティング
  • ダイオードの『順方向特性(順方向電流IFと順方向電圧VFの関係を示したグラフ)』

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