[dBV][dBmV][dBμV][dBm]の変換(換算)と計算式について!

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デシベル[dB]には[dBV][dBmV][dBμV][dBm]という関連単位があります。

この記事では[dBV][dBmV][dBμV][dBm]について

  • [dBV][dBmV][dBμV][dBm]の単位の説明
  • [dBV][dBmV][dBμV][dBm]の変換(換算)式と導出方法

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

そもそもデシベル[dB]って何?」という方は以下の記事で詳しく説明していますので、ご参考になれば幸いです。

電圧や電力の『デシベル(dB)』とは?計算方法や変換方法について
電圧や電力の『デシベル(dB)』とは?計算方法や変換方法について

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[dBV]とは

[dBV]とは

[dBV]は1[V]を基準とした時のデシベル(dB)の単位です。1[V]の値を0[dBV]と定義しています。式で表すと下記となります。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}=20{\log}_{10}\left(\frac{V{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[V]}}}\right)\tag{1}
\end{eqnarray}

例えば、上式において、V[V]=10[V]の時は、

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&20{\log}_{10}\left(\frac{10{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[V]}}}\right)\\
\\
&=&20{\log}_{10}10\\
\\
&=&20×1\\
\\
&=&20{\mathrm{[dBV]}}\tag{2}
\end{eqnarray}

となるため、『10[V]=20[dBV]』と変換することができます。

上式に示すように、基準となる物理量([dBV]では1[V])をあらかじめ決めておくと、ある物理量をデシベル(dB)で表現することができます(上式の10[V]=20[dBV]のように)。

[dBV]のように、基準となる物理量を決め、デシベルで表現したものは「絶対値としてのデシベル」や「絶対単位としてのデシベル」や「絶対デシベル値」などと呼ばれています。

本来デシベルは、下式に示すように常に2つの値を必要とする相対単位です(下式の場合、AとBの値が分かれば、x[dB]が分かりますね)。

\begin{eqnarray}
x{\mathrm{[dB]}}=20{\log}_{10}\left(\frac{A}{B}\right)
\end{eqnarray}

補足

  • [dBV]は「FFTアナライザなど低周波数帯域の計測器」や「家庭用オーディオ機器」などの分野で使われている単位です。
  • [dBV]は[dB(V)]と明記することもあります。

dBvは別の単位なので注意

Vが小文字になった[dBv]は別の単位なので注意してください。[dBv]は0.775[V]を基準とした時の単位であり、0.775[V]の値を0[dBv]と定義しています。[dBv]は業務用音響機器の音声信号などに使われている単位です。

[dBv]は[dBu]や[dBs]と明記することもあります。なお、[dBv]は[dBV]と混同してしまうことが多いため、[dBu]の表記を用いることが多いです。

[dBmV]とは

[dBmV]とは

[dBmV]は1[mV]を基準とした時のデシベル(dB)の単位です。1[mV]の値を0[dBmV]と定義しています。式で表すと下記となります。

\begin{eqnarray}
x_2{\mathrm{[dBmV]}}=20{\log}_{10}\left(\frac{V{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[mV]}}}\right)\tag{3}
\end{eqnarray}

例えば、上式において、V[V]=1[V]の時は、

\begin{eqnarray}
x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&20{\log}_{10}\left(\frac{1{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[mV]}}}\right)\\
\\
&=&20{\log}_{10}\left(\frac{1{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[V]}}×10^{-3}}\right)\\
\\
&=&20{\log}_{10}10^{3}\\
\\
&=&20×3\\
\\
&=&60{\mathrm{[dBmV]}}\tag{4}
\end{eqnarray}

となるため、『1[V]=60[dBmV]』と変換することができます。

補足

  • [dBmV]は[dB(mV)]と明記することもあります。

[dBμV]とは

[dBμV]とは

[dBμV]は1[μV]を基準とした時のデシベル(dB)の単位です。1[μV]の値を0[dBμV]と定義しています。式で表すと下記となります。

\begin{eqnarray}
x_3{\mathrm{[dBμV]}}=20{\log}_{10}\left(\frac{V{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[μV]}}}\right)\tag{5}
\end{eqnarray}

例えば、上式において、V[V]=1[V]の時は、

\begin{eqnarray}
x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&20{\log}_{10}\left(\frac{1{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[μV]}}}\right)\\
\\
&=&20{\log}_{10}\left(\frac{1{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[V]}}×10^{-6}}\right)\\
\\
&=&20{\log}_{10}10^{6}\\
\\
&=&20×6\\
\\
&=&120{\mathrm{[dBμV]}}\tag{6}
\end{eqnarray}

となるため、『1[V]=120[dBμV]』と変換することができます。

補足

  • [dBμV]は「無線通信」などの分野で使われている単位です。
  • [dBμV]は[dB(μV)]と明記することもあります。

[dBm]とは

[dBm]とは

[dBm]は1[mW]を基準とした時のデシベル(dB)の単位です。1[mW]の値を0[dBm]と定義しています。式で表すと下記となります。

\begin{eqnarray}
P_1{\mathrm{[dBm]}}=10{\log}_{10}\left(\frac{P{\mathrm{[W]}}}{1{\mathrm{[mW]}}}\right)\tag{7}
\end{eqnarray}

例えば、上式において、P[W]=1[W]の時は、

\begin{eqnarray}
P_1{\mathrm{[dBm]}}&=&10{\log}_{10}\left(\frac{1{\mathrm{[W]}}}{1{\mathrm{[mW]}}}\right)\\
\\
&=&10{\log}_{10}\left(\frac{1{\mathrm{[W]}}}{1{\mathrm{[W]}}×10^{-3}}\right)\\
\\
&=&10{\log}_{10}10^{3}\\
\\
&=&10×3\\
\\
&=&30{\mathrm{[dBm]}}\tag{8}
\end{eqnarray}

となるため、『1[W]=30[dBm]』と変換することができます。

補足

  • [dBm]は「電力増幅」や「光ファイバー」などの分野で使われている単位です。
  • [dBm]は[dBmW]や[dB(mW)]と明記することもあります。
  • 1[W]を基準とした単位は[dBW]または[dB(W)]となります。

次に、[dBV][dBmV][dBμV][dBm]の各単位の変換方法(例えば、[dBV]から[dBmV]に変換する方法など)について説明します。

[dBV]⇔[dBmV][dBμV][dBm]の変換(換算)と計算式

[dBV]⇔[dBmV][dBμV][dBm]の変換式を下記に示します。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&x_2{\mathrm{[dBmV]}}-60\\
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&x_3{\mathrm{[dBμV]}}-120\\
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}-13.01\\
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}-11.25
\end{eqnarray}

上式の導出方法についてこれから説明します。

[dBV]⇔[dBmV]の変換(換算)式の導出方法

(1)式を下記のように変形すると、[dBV]⇔[dBmV]の変換(換算)式を導出することができます。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&20{\log}_{10}\left(\frac{V{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[V]}}}\right)\\
\\
&=&20{\log}_{10}\left(\frac{V{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[mV]}}×10^3}\right)\\
\\
&=&20{\log}_{10}\left(\frac{V{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[mV]}}}\right)-20{\log}_{10}10^3\\
\\
&=&x_2{\mathrm{[dBmV]}}-60\tag{9}
\end{eqnarray}

例えば、x2[dBmV]=60[dBmV]の時は、

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&x_2{\mathrm{[dBmV]}}-60\\
\\
&=&60-60\\
\\
&=&0\tag{10}
\end{eqnarray}

となるため、『60[dBmV]=0[dBV]』と変換することができます。

[dBV]⇔[dBμV]の変換(換算)式の導出方法

(1)式を下記のように変形すると、[dBV]⇔[dBμV]の変換(換算)式を導出することができます。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&20{\log}_{10}\left(\frac{V{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[V]}}}\right)\\
\\
&=&20{\log}_{10}\left(\frac{V{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[μV]}}×10^6}\right)\\
\\
&=&20{\log}_{10}\left(\frac{V{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[μV]}}}\right)-20{\log}_{10}10^6\\
\\
&=&x_3{\mathrm{[dBμV]}}-120\tag{11}
\end{eqnarray}

例えば、x3[dBμV]=120[dBμV]の時は、

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&x_3{\mathrm{[dBμV]}}-120\\
\\
&=&120-120\\
\\
&=&0\tag{12}
\end{eqnarray}

となるため、『120[dBμV]=0[dBV]』と変換することができます。

[dBV]⇔[dBm]の変換(換算)式の導出方法

電力P[W]と電圧V[V]と抵抗R[Ω]には次式で表す関係があります。

\begin{eqnarray}
P&=&\frac{V^2}{R}\\
\\
{\Leftrightarrow}R×P&=&V^2\tag{13}
\end{eqnarray}

また、(1)式を変形すると、電圧V[V]は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&20{\log}_{10}\left(\frac{V{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[V]}}}\right)\\
\\
{\Leftrightarrow}V{\mathrm{[V]}}&=&10^\left(\displaystyle\frac{x_1{\mathrm{[dBV]}}}{20}\right)\tag{14}
\end{eqnarray}

同様に、(7)式を変形すると、電力P[W]は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
P_1{\mathrm{[dBm]}}&=&10{\log}_{10}\left(\frac{P{\mathrm{[W]}}}{1{\mathrm{[mW]}}}\right)\\
\\
{\Leftrightarrow}\frac{P{\mathrm{[W]}}}{1{\mathrm{[mW]}}}&=&10^\left(\displaystyle\frac{P_1{\mathrm{[dBm]}}}{10}\right)\\
\\
{\Leftrightarrow}P{\mathrm{[W]}}&=&10^\left(\displaystyle\frac{P_1{\mathrm{[dBm]}}}{10}\right)×10^{-3}\tag{15}
\end{eqnarray}

(14)式と(15)式を(13)式に代入すると

\begin{eqnarray}
&&R×P=V^2\\
\\
{\Leftrightarrow}&&R×10^\left(\displaystyle\frac{P_1{\mathrm{[dBm]}}}{10}\right)×10^{-3}=\left\{10^\left(\displaystyle\frac{x_1{\mathrm{[dBV]}}}{20}\right)\right\}^2\\
\\
{\Leftrightarrow}&&R×10^\left(\displaystyle\frac{P_1{\mathrm{[dBm]}}}{10}\right)×10^{-3}=10^\left(\displaystyle\frac{x_1{\mathrm{[dBV]}}}{10}\right)\\
\\
{\Leftrightarrow}&&{\log}_{10}\left\{R×10^\left(\displaystyle\frac{P_1{\mathrm{[dBm]}}}{10}\right)×10^{-3}\right\}={\log}_{10}\left\{10^\left(\displaystyle\frac{x_1{\mathrm{[dBV]}}}{10}\right)\right\}\\
\\
{\Leftrightarrow}&&{\log}_{10}(R×10^{-3})+\frac{P_1{\mathrm{[dBm]}}}{10}=\frac{x_1{\mathrm{[dBV]}}}{10}\\
\\
{\Leftrightarrow}&&10{\log}_{10}(R×10^{-3})+P_1{\mathrm{[dBm]}}=x_1{\mathrm{[dBV]}}\\
\\
{\Leftrightarrow}&&x_1{\mathrm{[dBV]}}=P_1{\mathrm{[dBm]}}+10{\log}_{10}(R×10^{-3})\tag{16}
\end{eqnarray}

ここで、R[Ω]=50[Ω]の時のP1[dBm]をP2[dBm50]とすると、次式のようになり、[dBV]⇔[dBm50]の変換(換算)式を導出することができます。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&P_1{\mathrm{[dBm]}}+10{\log}_{10}(R×10^{-3})\\
\\
&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}+10{\log}_{10}(50×10^{-3})\\
\\
&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}-13.01\tag{17}
\end{eqnarray}

例えば、P2[dBm50]=50[dBm50]の時は、

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}-13.01\\
\\
&=&50-13.01\\
\\
&=&36.99\tag{18}
\end{eqnarray}

となるため、『50[dBm50]=36.99[dBV]』と変換することができます。

同様に、R[Ω]=75[Ω]の時のP1[dBm]をP3[dBm75]とすると、次式のようになり、[dBV]⇔[dBm75]の変換(換算)式を導出することができます。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&P_1{\mathrm{[dBm]}}+10{\log}_{10}(R×10^{-3})\\
\\
&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}+10{\log}_{10}(75×10^{-3})\\
\\
&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}-11.25\tag{19}
\end{eqnarray}

例えば、P3[dBm75]=50[dBm75]の時は、

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}-11.25\\
\\
&=&50-11.25\\
\\
&=&38.75\tag{20}
\end{eqnarray}

となるため、『50[dBm75]=38.75[dBV]』と変換することができます。

補足

  • R[Ω]=50[Ω]は無線系、R[Ω]=75[Ω]はビデオ系のインピーダンスの値を想定しています。

[dBmV]⇔[dBV][dBμV][dBm]の変換(換算)と計算式

[dBmV]⇔[dBV][dBμV][dBm]の変換式を下記に示します。

\begin{eqnarray}
x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&x_1{\mathrm{[dBmV]}}+60\\
x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&x_3{\mathrm{[dBμV]}}-60\\
x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}+46.99\\
x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}+48.75
\end{eqnarray}

上式の導出方法についてこれから説明します。

[dBmV]⇔[dBV]の変換(換算)式の導出方法

繰り返しになりますが、(9)式より、[dBmV]⇔[dBV]の変換(換算)式は次式となります。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&x_2{\mathrm{[dBmV]}}-60\\
\\
{\Leftrightarrow}x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&x_1{\mathrm{[dBV]}}+60\tag{21}
\end{eqnarray}

例えば、x1[dBV]=60[dBV]の時は、

\begin{eqnarray}
x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&x_1{\mathrm{[dBV]}}+60\\
\\
&=&60+60\\
\\
&=&120\tag{22}
\end{eqnarray}

となるため、『60[dBV]=120[dBmV]』と変換することができます。

[dBmV]⇔[dBμV]の変換(換算)式の導出方法

(11)式に(9)式を代入すると、[dBmV]⇔[dBμV]の変換(換算)式を導出することができます。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&x_3{\mathrm{[dBμV]}}-120\\
\\
{\Leftrightarrow}x_2{\mathrm{[dBmV]}}-60&=&x_3{\mathrm{[dBμV]}}-120\\
\\
{\Leftrightarrow}x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&x_3{\mathrm{[dBμV]}}-60\tag{23}
\end{eqnarray}

例えば、x3[dBμV]=60[dBμV]の時は、

\begin{eqnarray}
x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&x_3{\mathrm{[dBμV]}}-60\\
\\
&=&60-60\\
\\
&=&0\tag{24}
\end{eqnarray}

となるため、『60[dBμV]=0[dBmV]』と変換することができます。

[dBmV]⇔[dBm]の変換(換算)式の導出方法

(17)式に(9)式を代入すると、[dBmV]⇔[dBm50]の変換(換算)式を導出することができます。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}-13.01\\
\\
{\Leftrightarrow}x_2{\mathrm{[dBmV]}}-60&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}-13.01\\
\\
{\Leftrightarrow}x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}+46.99\tag{25}
\end{eqnarray}

例えば、P2[dBm50]=50[dBm50]の時は、

\begin{eqnarray}
x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}+46.99\\
\\
&=&50+46.99\\
\\
&=&96.99\tag{26}
\end{eqnarray}

となるため、『50[dBm50]=96.99[dBmV]』と変換することができます。

同様に、(19)式に(9)式を代入すると、[dBmV]⇔[dBm75]の変換(換算)式を導出することができます。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}-11.25\\
\\
{\Leftrightarrow}x_2{\mathrm{[dBmV]}}-60&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}-11.25\\
\\
{\Leftrightarrow}x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}+48.75\tag{27}
\end{eqnarray}

例えば、P3[dBm75]=50[dBm75]の時は、

\begin{eqnarray}
x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}+48.75\\
\\
&=&50+48.75\\
\\
&=&98.75\tag{28}
\end{eqnarray}

となるため、『50[dBm75]=98.75[dBmV]』と変換することができます。

[dBμV]⇔[dBV][dBmV][dBm]の変換(換算)と計算式

[dBμV]⇔[dBV][dBmV][dBm]の変換式を下記に示します。

\begin{eqnarray}
x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&x_1{\mathrm{[dBmV]}}+120\\
x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&x_2{\mathrm{[dBmV]}}+60\\
x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}+106.99\\
x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}+108.75
\end{eqnarray}

上式の導出方法についてこれから説明します。

[dBμV]⇔[dBV]の変換(換算)式の導出方法

繰り返しになりますが、(11)式より、[dBμV]⇔[dBV]の変換(換算)式は次式となります。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&x_3{\mathrm{[dBμV]}}-120\\
\\
{\Leftrightarrow}x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&x_1{\mathrm{[dBV]}}+120\tag{29}
\end{eqnarray}

例えば、x1[dBV]=60[dBV]の時は、

\begin{eqnarray}
x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&x_1{\mathrm{[dBV]}}+120\\
\\
&=&60+120\\
\\
&=&180\tag{30}
\end{eqnarray}

となるため、『60[dBV]=180[dBμV]』と変換することができます。

[dBμV]⇔[dBmV]の変換(換算)式の導出方法

繰り返しになりますが、(23)式より、[dBμV]⇔[dBmV]の変換(換算)式は次式となります。

\begin{eqnarray}
x_2{\mathrm{[dBmV]}}&=&x_3{\mathrm{[dBμV]}}-60\\
\\
{\Leftrightarrow}x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&x_2{\mathrm{[dBmV]}}+60\tag{31}
\end{eqnarray}

例えば、x2[dBmV]=60[dBmV]の時は、

\begin{eqnarray}
x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&x_3{\mathrm{[dBmV]}}+60\\
\\
&=&60+60\\
\\
&=&120\tag{32}
\end{eqnarray}

となるため、『60[dBmV]=120[dBμV]』と変換することができます。

[dBμV]⇔[dBm]の変換(換算)式の導出方法

(17)式に(11)式を代入すると、[dBμV]⇔[dBm50]の変換(換算)式を導出することができます。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}-13.01\\
\\
{\Leftrightarrow}x_3{\mathrm{[dBμV]}}-120&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}-13.01\\
\\
{\Leftrightarrow}x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}+106.99\tag{33}
\end{eqnarray}

例えば、P2[dBm50]=50[dBm50]の時は、

\begin{eqnarray}
x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&P_2{\mathrm{[dBm_{50}]}}+106.99\\
\\
&=&50+106.99\\
\\
&=&156.99\tag{34}
\end{eqnarray}

となるため、『50[dBm50]=156.99[dBμV]』と変換することができます。

同様に、(19)式に(11)式を代入すると、[dBμV]⇔[dBm75]の変換(換算)式を導出することができます。

\begin{eqnarray}
x_1{\mathrm{[dBV]}}&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}-11.25\\
\\
{\Leftrightarrow}x_3{\mathrm{[dBμV]}}-120&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}-11.25\\
\\
{\Leftrightarrow}x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}+108.75\tag{35}
\end{eqnarray}

例えば、P3[dBm75]=50[dBm75]の時は、

\begin{eqnarray}
x_3{\mathrm{[dBμV]}}&=&P_3{\mathrm{[dBm_{75}]}}+108.75\\
\\
&=&50+108.75\\
\\
&=&158.75\tag{36}
\end{eqnarray}

となるため、『50[dBm75]=158.75[dBμV]』と変換することができます。

『負荷端電圧』と『開放端電圧』

今まで説明していた式は全て負荷端電圧値(終端電圧値)で計算しています。開放端電圧値の場合には、以下の変換式を用いてください。

  • 電圧の場合
  • \begin{eqnarray}
    \mbox{負荷端電圧値(終端電圧値)}{\mathrm{[V]}}=\frac{\mbox{開放端電圧値}{\mathrm{[V]}}}{2}
    \end{eqnarray}

  • デシベルの場合
  • \begin{eqnarray}
    \mbox{負荷端電圧値(終端電圧値)}{\mathrm{[dB]}}=\mbox{開放端電圧値}{\mathrm{[dB]}}-6
    \end{eqnarray}

負荷端電圧値(終端電圧値)[V]は開放端電圧値[V]の半分の値となります。半分(1/2)をデシベルで表現すると、

\begin{eqnarray}
20{\log}_{10}\left(\frac{1}{2}\right)=-6{\mathrm{[dB]}}
\end{eqnarray}

となるので、デシベル(dB)の場合には-6[dB]をしています。

まとめ

この記事では、デシベル[dB]の関連単位である[dBV][dBmV][dBμV][dBm]について、以下の内容を説明しました。

  • [dBV][dBmV][dBμV][dBm]の単位の説明
  • [dBV][dBmV][dBμV][dBm]の変換(換算)式と導出方法

お読み頂きありがとうございました。

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