この記事では『キュリー温度』について
- キュリー温度とは
- 鉄・ニッケル・コバルトのキュリー温度
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
キュリー温度とは
強磁性体とは、鉄などのように磁石につく物質です。
強磁性体は高温になればなるほど磁力は徐々に低下し、ある温度に達すると磁力を失います。この温度のことをキュリー温度TCといいます。
もう少し詳しく!
強磁性体の中では原子1つ1つが磁気モーメントを持っており、その磁気モーメントは一方向に整列しています。
低温では同一方向に整列していた原子の磁気モーメントは、温度を上げると熱振動の影響で方向が揺らぎ始めます。
そのため、全体の磁気モーメント(自発磁化)が少しずつ減少します。
さらに温度を上げると、磁力の減少が急激に進行し、ある温度以上では完全にバラバラになり、自発磁化はゼロとなります。その結果、強磁性が失われ常磁性体となります。この温度のことをキュリー温度といいます。
鉄・ニッケル・コバルトのキュリー温度
強磁性体の材料には、鉄・ニッケル・コバルトなどがありますが、強磁性体の材料によってキュリー温度は変わります。各キュリー温度は下表となっています。
強磁性体の材料 | キュリー温度 |
鉄 | 約770℃ |
ニッケル | 約360℃ |
コバルト | 約1110℃ |
補足
- キュリー温度は、発見したフランスの物理学者ピエール・キュリー(Pierre Curie)にちなんで名付けられました。
- キュリー温度の記号はTCで表すことが多いです。
- キュリー温度は英語では「Curie Temperature」と書きます。
- キュリー温度は「キュリー点(Curie Point)」と呼ばれることがあります。
最後に・・・
当サイトでは電気に関する様々な情報を記載しています。当サイトの全記事一覧は以下のボタンから移動することができます。
また、下記に当サイトの人気記事を記載しています。ご参考になれば幸いです。