スパークキラーとは?接続箇所や選定方法などを解説!

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この記事では『スパークキラー』について

  • 『スパークキラー』とは
  • 『スパークキラー』の接続箇所
  • 『スパークキラー』の選定方法

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

スパークキラーとは

スパークキラーとは

スパークキラーは「スイッチのON/OFF時に発生する接点部のスパーク(火花)」や「サージ電圧」を抑制する部品です。

スパークキラーの内部はコンデンサと抵抗が直列接続して一体化している構造となっています。コンデンサには一般的にはフィルムコンデンサを、抵抗にはサージ耐力に優れているものを用いています。

リレー等のスイッチをON/OFFすると、インダクタンス成分を含む負荷では、逆起電圧(サージ電圧)が発生します。また、リレー等の接点部でスパーク(火花)が生じた場合、接触面が消耗するため、接点の寿命が短くなります。このサージ電圧やスパークを抑制する際にスパークキラーを用います。スパークキラーのコンデンサ(C)と抵抗(R)で決まる時定数によって、サージ電圧の急激な変化を緩やかにしてくれています。

スパークキラーに抵抗が接続されている理由

スパークキラーに抵抗が接続されている理由

コンデンサのみ接続している場合、スイッチのON時(接点投入時)において、コンデンサの過大な放電電流が接点部に流れてしまいます。その結果、接点の溶着が生じてしまう可能性があります。そのため、スパークキラーはコンデンサと抵抗を直列接続しており、抵抗によりスイッチON時のコンデンサの放電電流を制限しています。

スパークキラーの接続箇所

スパークキラーの接続箇所

スパークキラーは直流回路でも交流回路でも使用することができますが、交流回路で使用する場合には、接続箇所に注意が必要となります。

これから直流回路と交流回路におけるスパークキラーの接続箇所について説明します。

直流回路における接続箇所

直流回路でスパークキラーを接続する場合、スイッチに並列接続するか、負荷に並列接続します。接続箇所によって、サージ電圧の抑制効果に大きく差はないですが、接点部でスパークが確認できるような状態においては、スイッチに並列接続した方が有利な場合があります。

交流回路における接続箇所

交流回路でスパークキラーを接続する場合には、負荷に並列接続するのが一般的です。

スパークキラーはコンデンサと抵抗が直列接続している部品です。そのため、スパークキラーをスイッチに並列接続した場合、スイッチのOFF時において、漏れ電流(漏洩電流)が流れてしまいます。この漏れ電流により、スイッチが誤動作を引き起こしてしまう可能性があります。

コンデンサの静電容量が大きいほど、インピーダンスが小さくなるため、漏れ電流が大きくなります。

スパークキラーの選定方法

では次に、スパークキラーの定格電圧コンデンサ容量抵抗値について説明します。

スパークキラーの定格電圧

回路電圧より大きな定格電圧のスパークキラーを選定します。

また、スパークキラーの定格電圧は全て交流電圧(AC電圧)での値となっていますが、直流回路でも使用可能です。定格AC電圧の値に\(\sqrt{2}\)を掛けることで、下表に示すように直流電圧(DC電圧)に換算することができます。

定格AC電圧使用可能なDC電圧
\(150{\mathrm{V_{AC}}}\)\(212{\mathrm{V_{DC}}}\left(←150{\mathrm{V_{AC}}}×\sqrt{2}\right)\)
\(250{\mathrm{V_{AC}}}\)\(353{\mathrm{V_{DC}}}\left(←250{\mathrm{V_{AC}}}×\sqrt{2}\right)\)
\(275{\mathrm{V_{AC}}}\)\(388{\mathrm{V_{DC}}}\left(←275{\mathrm{V_{AC}}}×\sqrt{2}\right)\)
\(500{\mathrm{V_{AC}}}\)\(707{\mathrm{V_{DC}}}\left(←500{\mathrm{V_{AC}}}×\sqrt{2}\right)\)

スパークキラー内部のコンデンサ容量

スパークキラーに用いられるコンデンサの静電容量は、回路の定常時に流れる電流値を用いることで、次式の計算式から算出することができます。次式の計算で求めた値に近い静電容量のコンデンサを選定します。

\begin{eqnarray}
C=\frac{I^2}{10}{\;}~{\;}\frac{I^2}{20}{\mathrm{[μF]}}
\end{eqnarray}

上式において、\(I\)は定常時に流れる電流値[A]です。

上式の計算式で求められる静電容量\(C\)はサージ電圧を抑制することができる目安の値となります。そのため、実際には、回路にスパークキラーを実装して、サージ電圧抑制効果を確かめる必要があります。

スパークキラー内部の抵抗値

一般的には10Ωから470Ω程度の抵抗値が選定されています。また、抵抗にはサージ耐力に優れているものを使用します。

スパークキラー内部の抵抗によって、スイッチON時(接点投入時)におけるコンデンサの放電電流を制限していますが、抵抗値が大きくなればなるほど、スイッチOFF時(接点開放時)のサージ電圧抑制効果が小さくなります。

まとめ

この記事では『スパークキラー』について、以下の内容を説明しました。

  • 『スパークキラー』とは
  • 『スパークキラー』の接続箇所
  • 『スパークキラー』の選定方法

お読み頂きありがとうございました。

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