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トランスの結合とは?

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トランスの1次巻線と2時巻線の結合(結合度、結合力とも言われる)について説明します。

トランスの結合とは?

結合とは、1次巻線に電流が流れることによって生じた磁束がどれくらい2次巻線に通過するかということです。結合の良いトランスとは、1次巻線に電流が流れることによって生じた磁束が漏れずに、2次巻線に通過するということです。

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理想的なトランスは結合係数が1

結合の度合いを結合係数kで表します。理想的なトランスではk=1となり、漏れ磁束がなく、1次巻線の磁束が全て2次巻線を通過します。しかし、現実では漏れ磁束が発生するため、結合係数は1より小さくなります。

結合によって変化するパラメータ

結合によって変化するパラメータ
上図に1次巻線と2次巻線の結合によって変わるパラメータを示します。結合の度合いによって、漏れインダクタンス浮遊容量が変化します。トランスの巻線には巻線間容量や巻線分布容量という回路図には現れないコンデンサ成分(浮遊容量)が存在します。また、漏れインダクタンス(漏れ磁束によって生じるインダクタンスのこと)が存在します。結合が良いトランスは漏れインダクタンスが小さいですが、浮遊容量が大きくなります(1次巻線と2次巻線の距離が近いので)。逆に結合が悪いトランスは漏れインダクタンスは大きいですが、浮遊容量が小さくなります。このように浮遊容量と漏れインダクタンスはトレードオフの関係があります。

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結合の良いトランスの特徴

結合の良いトランスの特徴
結合の良いトランスは、漏れインダクタンスが小さく、浮遊容量が大きいのが特徴です。漏れインダクタンスが小さいので、放射ノイズを低減するスイッチング時のサージ電圧を小さくすることができますが、浮遊容量が大きいので、コモンモードノイズの原因となります。

放射ノイズを低減することができる

トランスの1次巻線を流れる電流によって生じる漏れ磁束は、空中に放射されノイズとなります。漏れ磁束を小さくすることで、電磁波として空中に放射(輻射)されるノイズを少なくすることができます。

スイッチング時のサージ電圧が小さい

漏れインダクタンスが小さいため、ノーマルインピーダンスが小さくなります。そのため、流れる信号への影響が少なく、高速信号に適しています。また、スイッチング時のサージ電圧が小さくなります。一方、結合が悪く、漏れインダクタンスが大きいものは、共振用のインダクタンスとして漏れインダクタンスを使用したり、ノーマルフィルタとして用いると、ノーマルノイズを低減することができます。

コモンモードノイズの原因となる

コモンモードノイズの原因となる
1次側で発生したスイッチングノイズが巻線間容量を通って二次側に伝導し、コモンモードのノイズとなります。浮遊容量が大きくなると、インピーダンスが低くなるため、ノイズが伝導しやすくなります。対策として、Yコンデンサを一次側と二次側のグランド間に追加し、コモンモードノイズをGNDに逃がします。

漏れ電流が増加する

浮遊容量が大きいということは、コンデンサのインピーダンスが小さいということです(Z=1/wCRより)。よって、漏れ電流が増加してしまいます。

サージ電流を通しやすい

サージ電流を通しやすい
サージ電流がトランスの浮遊容量を通り、1次側から2次側に流れる可能性があります。

漏れインダクタンスを小さくする方法

トランスのコアと巻線の隙間をできるだけ小さくする

プラスチック製のボビンの場合には、ボビンの厚さボビンとコアの隙間も結合に影響します。厚さと隙間がある場合、結合の良い巻き方(バイファイラ巻きやサンドイッチ巻きなど)を行っても、漏れインダクタンスが生じます。

巻線と巻線の隙間を小さくする

トランスには絶縁のために紙を一次巻線と二次巻線の間に挟む場合があります。この紙をできるだけ薄くすると結合が良くなるため、漏れインダクタンスが低減します。また、巻線の被膜の厚さが厚い場合漏れ磁束が発生するので、被膜もできるだけ薄くします。

透磁率の大きな材料をコア材に用いる

透磁率の大きな材料を用いることで、巻数を少なくすることができ、その結果、漏れインダクタンスを小さくすることができます。

断面積の大きなコアを使用する

コアの断面積を増やすと磁気抵抗が減ります。その結果、コアを通る磁束が大きくなり、励磁インダクタンスが増えます。この仕組みを利用します。トランスの巻数を半分にすると、漏れインダクタンスも半分になりますが、励磁インダクタンスも半分になります。この場合、断面積の大きなコアを使用し、励磁インダクタンスを増やします。デメリットとしてトランスが大型化してしまいます。

巻数比が1:1の場合はバイファイラ巻きを行う

バイファイラ巻きは結合が良い巻き方です。漏れインダクタンスを非常に小さくすることができます。バイファイラ巻きは平行している電線から生じる磁束がお互い打ち消し合っているので、漏れ磁束が小さくなります。巻き数比が1:1ではない場合には、サンドイッチ巻きが漏れインダクタンスが小さい巻き方として有名です。

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