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オペアンプが発振する原理とは?

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オペアンプが発振する原因としてよく位相余裕やゲイン余裕などを使用しますが、なぜ発振するのかのイメージが掴みにくいのが現状です。今回は、オペアンプの発振の原理について図を使用して分かりやすく説明します。

そもそもオペアンプは何をしているのか

オペアンプを使用したフィードバック回路
オペアンプを使用したフィードバック回路は上図のようになっています。非反転入力端子、反転入力端子、帰還回路で構成されています。

出力電圧VOUTは帰還回路を通して、非反転反転入力端子に戻されます(これは負帰還と呼ばれています)。オペアンプは非反転入力端子の電圧VIN+と反転入力端子の電圧VIN-が等しくなるように制御を行っています。この時、帰還回路の位相遅れが原因で出力電圧が発振してしまうことがあります。

発振する原理

発振する原理
ではこれからオペアンプの出力電圧が発振する原理について説明します。
上図のフィードバック回路において、周波数f1で位相が180度遅れる帰還回路があると仮定します。なお、オペアンプ自体の位相遅れはないと仮定します。

  1. 非反転入力端子に入力電圧VIN+ (1/2周期の正弦波)を印可します。これが目標値となります。反転入力端子の電圧VIN-がこの目標値になるようにオペアンプが制御を行います。
  2. 入力電圧VIN+はA倍され、出力電圧VOUTになります。この時の出力電圧の最大値をVPとします。
  3. 出力電圧VOUTは帰還回路によって位相が180度遅れ、さらにβ倍され、反転入力端子の電圧VIN-となります。
  4. 「非反転入力端子の電圧VIN+-反転入力端子の電圧VIN-」がオペアンプに再び入力されます。
  5. この電圧差をオペアンプはA倍し、出力電圧VOUTになります。
  6. 出力電圧VOUTは帰還回路によって位相が180度遅れ、さらにβ倍され、反転入力端子の電圧VIN-となります。
  7. 「非反転入力端子の電圧VIN+-反転入力端子の電圧VIN-」がオペアンプに再び入力されます。
  8. この電圧差をオペアンプはA倍し、出力電圧VOUTになります。

③~⑤(⑥~⑧)の動作を永遠に続けています。

この時、利得Aβが0[dB]だと持続振動、0[dB]以下だと収束振動、0[dB]以上だと発散振動となります。発散振動の場合、オペアンプは出力に出せる最大電圧に制限がある(オペアンプの入力電圧以上を出力することができない)ので、最終的には持続振動になります。

発振の違い

原理をまとめます。非反転入力端子には1/2周期の正弦波しか電圧を印可していませんが、出力電圧VOUTは発振してしまいます。これは、②において出力電圧VOUTが上がっていますが、この電圧がオペアンプの反転入力端子に入力されるのは、位相が180度遅れる時(③)です。その電圧をオペアンプが見て制御をします。目標値と比較して、反転入力端子の電圧VIN-が高いので、出力電圧VOUTを下げようと制御します。その結果、出力電圧VOUTが低下します(⑤)。これを繰り返すので振動してしまうのです。

また、⑤のタイミングにおいて、出力電圧VOUTが下がっているので、目標値と同じようにするために、出力電圧VOUTを上げろーっと制御をしたいのですが、⑤の時点における出力電圧VOUTがオペアンプに印可されるのが、位相が180度遅れた⑧のタイミングになっています。その結果、⑧のタイミングで出力電圧VOUTが上がってしまいます。⑧のタイミングに注目すると、本来出力電圧VOUTを下げようとするように動作するとこが、逆に出力電圧VOUTを上げるように制御を行っているということになります(正帰還の状態になります)

位相遅れがないと、出力電圧VOUTが下がった瞬間(⑤)に出力電圧VOUTを上げようと制御を行うので、振動してしまうことはありません。

ボルテージフォロワにステップ信号を印可した時

ボルテージフォロワにステップ信号を印可した時
ボルテージフォロワとは帰還回路の利得がβ=1の時の回路です。すなわち、出力電圧VOUTを直接、反転入力端子に戻しています。ここで、非反転入力端子にステップ信号を印可した時、通常、出力電圧VOUTは入力電圧VIN+とほぼ等しくなります。しかし、ボルテージフォロワには帰還回路における位相遅れはありませんが、オペアンプ固有の特性やオペアンプ周辺の回路によって位相遅れが生じ、出力電圧が発振してしまうことがあります。例えば、今回周波数f1で出力電圧VOUTが発振しているとすると、これは周波数f1において、位相遅れが180度で、かつ、この時のゲインが0[dB]以上となっていることになります。

まとめ

発振の原理はこんな感じです。オペアンプを使用した回路が発振するかしないかを判定するためには実際はボード線図を用いて、位相余裕やゲイン余裕を用いて判断します。また後日、ボード線図について記入をします。

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