回路

トランジスタを用いた『定電流回路』の一覧!原理や計算方法なども解説!

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トランジスタや抵抗などの素子を組み合わせることで様々な『定電流回路』を作ることができます。

この記事では下記に示す6つの『定電流回路』について、原理や計算方法などを図を用いて分かりやすく説明しました。ご参考になれば幸いです。

  1. 定電流回路(NPNトランジスタを2つ使用)
  2. 定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを使用)
  3. 定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードとダイオードを使用)
  4. 定電流回路(NPNトランジスタとLEDを使用)
  5. 定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを2つ使用)
  6. 定電流回路(PNPトランジスタとツェナーダイオードを使用)

定電流回路(NPNトランジスタを2つ使用)

定電流回路(NPNトランジスタを2つ使用)

上図はNPN型バイポーラトランジスタQ1,Q2と抵抗R1,R2で構成された定電流回路です。

この回路の定電流値IOUTは次式となります。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=\frac{V_{BE2}}{R_2}{\;}{\approx}{\;}\frac{0.65}{R_2}{\mathrm{[A]}}
\end{eqnarray}

上式において、VBE2はNPN型バイポーラトランジスタQ2のベースエミッタ間電圧であり、約0.65[V]となります。

なお、この定電流回路は下記のように動作しております。

定電流回路の動作原理

  1. 電源電圧VINを印加する。
  2. Q2はOFF状態なので、電流I1がQ1のベースに流れる。
  3. Q1にベース電流IB1が流れることにより、Q1がONする。
  4. Q1がONすると、出力電流IOUTが流れる。
  5. 出力電流IOUTが流れると、抵抗R2に電圧VR2(=IOUT×R2)かかる。この電圧VR2がQ2のベースエミッタ間電圧VBE2となる。
  6. ベースエミッタ間電圧VBE2が0.65[V]に近づくと、Q2がONする。
  7. Q2がONすると、電流I1がQ2に流れるようになる。
  8. Q1のベース電流IB1が減少するため、出力電流IOUTが減少する。
  9. 出力電流IOUTが減少すると、抵抗R2にかかる電圧VR2(ベースエミッタ間電圧VBE2)が減少するため、Q2による電流I1の吸い込みが弱くなる。
  10. Q1のベース電流IB1が増加するため、出力電流IOUTが増加する。
  11. ⑤~⑪が繰り返されることにより、出力電流IOUTは定電流となる。

次に上式の導出方法について説明します。

定電流値IOUTの導出方法

定電流回路(NPNトランジスタを2つ使用)の定電流値の導出方法

抵抗R2には常にNPN型バイポーラトランジスタQ2のベースエミッタ間電圧VBE2が印加されています。NPN型バイポーラトランジスタQ2に流れるベース電流IB2は小さいため無視すると、NPN型バイポーラトランジスタQ1に流れるエミッタ電流IE1は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{E1}=\frac{V_{BE2}}{R_2}\tag{1-1}
\end{eqnarray}

また、NPN型バイポーラトランジスタQ1のコレクタ電流IC1、ベース電流IB1、エミッタ電流IE1の関係は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{E1}=I_{C1}+I_{B1}\tag{1-2}
\end{eqnarray}

ここで、NPN型バイポーラトランジスタQ1のベース電流IB1はコレクタ電流IC1より小さいため(IB1≪IC1)、ベース電流IB1を無視すると、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
I_{E1}{\;}{\approx}{\;}I_{C1}\tag{1-3}
\end{eqnarray}

また、この回路において、コレクタ電流IC1と出力電流IOUTは等しいため、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=I_{C1}\tag{1-4}
\end{eqnarray}

(1-1)式、(1-3)式、(1-4)式より、出力電流IOUTは次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=I_{C1}{\;}{\approx}{\;}I_{E1}=\frac{V_{BE2}}{R_2}{\;}{\approx}{\;}\frac{0.65}{R_2}\tag{1-5}
\end{eqnarray}

抵抗R2は一定なので、出力電流IOUTが定電流となります。例えば、出力電流IOUTを20mAにしたい場合、抵抗R2は約33Ωとなります。

また、電源電圧VINが10Vの場合、抵抗R1にかかる電圧VR1は、電源電圧VIN=10Vから、Q1とQ2のベースエミッタ間電圧VBE1とVBE2を引いた値なので、次式で表されます。

\begin{eqnarray}
V_{R1}=V_{IN}-V_{BE1}-V_{BE2}=10-0.65-0.65=8.7{\mathrm{[V]}}\tag{1-6}
\end{eqnarray}

そのため、NPN型バイポーラトランジスタQ1のベース電流IB1を1mA流したい場合、抵抗R1は下記の値に近いものを選定します。

\begin{eqnarray}
R_1=\frac{V_{R1}}{I_{B1}}=\frac{8.7{\mathrm{[V]}}}{1{\mathrm{[mA]}}}=8.7{\mathrm{[k{\Omega}]}}\tag{1-7}
\end{eqnarray}

補足

  • ベースエミッタ間電圧VBEは温度により変化するため、定電流値に関係するNPN型バイポーラトランジスタQ2は、定電流が流れることで発熱するNPN型バイポーラトランジスタQ1から出来るだけ離すようにパーツレイアウトします。
  • NPN型バイポーラトランジスタQ1をダーリントン接続することで、より大きな電流を流すことができるようになります。

なお、ダーリントン接続については下記の記事で説明していますので、ご参考になれば幸いです。

定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを使用)

定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを使用)

上図はNPN型バイポーラトランジスタQ1とツェナーダイオードDZ1と抵抗R1,R2で構成された定電流回路です。ツェナーダイオードDZ1はノイズを発生するので、並列にノイズ除去用コンデンサC1を接続して使用する場合もあります。

この回路の定電流値IOUTは次式となります。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=\frac{V_{Z}-V_{BE}}{R_2}
\end{eqnarray}

上式において、VBEはNPN型バイポーラトランジスタQ1のベースエミッタ間電圧、VZはツェナーダイオードDZ1のツェナー電圧です。

次に上式の導出方法について説明します。

定電流値IOUTの導出方法

定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを使用)の定電流値の導出方法

NPN型バイポーラトランジスタQ1のベースにはツェナーダイオードDZ1のツェナー電圧VZが印加されます。

また、抵抗R2にかかる電圧VR2は、ツェナー電圧VZにNPN型バイポーラトランジスタQ1のベースエミッタ間電圧VBE(約0.65V)を引いた値になるため、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
V_{R2}=V_{Z}-V_{BE}\tag{2-1}
\end{eqnarray}

したがって、NPN型バイポーラトランジスタQ1に流れるエミッタ電流IEは次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{E}=\frac{V_{Z}-V_{BE}}{R_2}\tag{2-2}
\end{eqnarray}

また、NPN型バイポーラトランジスタQ1のコレクタ電流IC、ベース電流IB、エミッタ電流IEの関係は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{E}=I_{C}+I_{B}\tag{2-3}
\end{eqnarray}

ここで、NPN型バイポーラトランジスタQ1のベース電流IBはコレクタ電流ICより小さいため(IB≪IC)、ベース電流IBを無視すると、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
I_{E}{\;}{\approx}{\;}I_{C}\tag{2-4}
\end{eqnarray}

また、この回路において、コレクタ電流ICと出力電流IOUTは等しいため、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=I_{C}\tag{2-5}
\end{eqnarray}

(2-2)式、(2-4)式、(2-5)式より、出力電流IOUTは次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=I_{C}{\;}{\approx}{\;}I_{E}=\frac{V_{Z}-V_{BE}}{R_2}{\;}{\approx}{\;}\frac{V_{Z}-0.65}{R_2}\tag{2-6}
\end{eqnarray}

ツェナー電圧VZと抵抗R2は一定なので、出力電流IOUTが定電流となります。言い換えれば、定電流値IOUTはツェナー電圧VZと抵抗R2の値で決まります。

なお、抵抗R1はツェナーダイオードDZ1に流すツェナー電流IZとNPN型バイポーラトランジスタQ1に流すベース電流IBを十分に供給できる値を選定します。抵抗R1は下記の式で求めます。

\begin{eqnarray}
R_{1}=\frac{V_{IN}-V_{Z}}{I_{Z}+K×I_{B}}\tag{2-7}
\end{eqnarray}

(2-7)式において、ベース電流IBを十分に供給するようにするために、IBに変数Kを掛けています。Kは1.5~2くらいの値にします。また、(2-7)式において、ベース電流IBは次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{B}=\frac{I_{C}}{h_{FE(MIN)}}\tag{2-8}
\end{eqnarray}

hFE(MIN)は使用しているNPN型バイポーラトランジスタQ1のデータシートに記載されている最小の直流増幅率hFEの値を用います。

定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードとダイオードを使用)

定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードとダイオードを使用)

上図はNPN型バイポーラトランジスタQ1とツェナーダイオードDZ1とダイオードD1と抵抗R1,R2で構成された定電流回路です。ツェナーダイオードDZ1はノイズを発生するので、並列にノイズ除去用コンデンサC1を接続して使用する場合もあります。

この回路の定電流値IOUTは次式となります。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=\frac{V_{Z}+V_{F}-V_{BE}}{R_2}{\mathrm{[A]}}
\end{eqnarray}

上式において、VBEはNPN型バイポーラトランジスタQ1のベースエミッタ間電圧、VZはツェナーダイオードDZ1のツェナー電圧、VFはダイオードD1の順方向電圧となります。

上式の導出方法については、先ほど説明した「2.定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを使用)」と同様の手順で求めることができるため、省略します。

ダイオードD1を接続している理由

NPN型バイポーラトランジスタQ1のベースエミッタ間電圧VBEは温度により変化します。

そのため、温度が変化すると、定電流値IOUTが変化します。この温度変化による定電流値IOUTの変動を補償するために、ツェナーダイオードDZ1と直列にダイオードD1(トランジスタと同じ半導体材料を使用したもの)を接続しています。

定電流回路(NPNトランジスタとLEDを使用)

定電流回路(NPNトランジスタとLEDを使用)

上図はNPN型バイポーラトランジスタQ1とLED1と抵抗R1,R2で構成された定電流回路です。このように、LEDを用いても定電流回路を構成することができます。

この回路の定電流値IOUTは次式となります。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=\frac{V_{F}-V_{BE}}{R_2}{\mathrm{[A]}}
\end{eqnarray}

上式において、VBEはNPN型バイポーラトランジスタQ1のベースエミッタ間電圧、VFはLED1の順方向電圧となります。

上式の導出方法については、先ほど説明した「2.定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを使用)」と同様の手順で求めることができるため、省略します。

定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを2つ使用)

定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを2つ使用)

上図はNPN型バイポーラトランジスタQ1とツェナーダイオードDZ1,DZ2と抵抗R1,R2で構成された定電流回路です。

この回路の定電流値IOUTは次式となります。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=\frac{V_{Z2}-V_{BE}}{R_2}{\mathrm{[A]}}
\end{eqnarray}

上式において、VBEはNPN型バイポーラトランジスタQ1のベースエミッタ間電圧、VZ2はツェナーダイオードDZ2のツェナー電圧となります。

次に上式の導出方法について説明します。

定電流値IOUTの導出方法

定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを2つ使用)の定電流値の導出方法

NPN型バイポーラトランジスタQ1のベースにはツェナーダイオードDZ1のツェナー電圧VZ1が印加されます。

A点の電圧VAは、ツェナー電圧VZ1にNPN型バイポーラトランジスタQ1のベースエミッタ間電圧VBE(約0.65[V])を引いた値になるため、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
V_{A}=V_{Z1}-V_{BE}\tag{5-1}
\end{eqnarray}

また、B点の電圧VBは、ツェナー電圧VZ1にツェナー電圧VZ2を引いた値になるため、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
V_{B}=V_{Z1}-V_{Z2}\tag{5-2}
\end{eqnarray}

(5-1)式と(5-2)式より、抵抗R2にかかる電圧VR2は次式となります。

\begin{eqnarray}
V_{R2}=V_{A}-V_{B}=(V_{Z1}-V_{BE})-(V_{Z1}-V_{Z2})=V_{Z2}-V_{BE}\tag{5-3}
\end{eqnarray}

したがって、NPN型バイポーラトランジスタQ1に流れるエミッタ電流IEは次式となります。

\begin{eqnarray}
I_{E}=\frac{V_{Z2}-V_{BE}}{R_{2}}\tag{5-4}
\end{eqnarray}

この回路において、エミッタ電流IEと出力電流IOUTは等しいため、次式が成り立ちます(ツェナーダイオードDZ2に流すツェナー電流IZ2は小さいため無視しています)。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=I_{E}\tag{5-5}
\end{eqnarray}

(5-4)式と(5-5)式より、出力電流IOUTは次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=I_{E}=\frac{V_{Z2}-V_{BE}}{R_{2}}\tag{5-6}
\end{eqnarray}

なお、抵抗R1はツェナーダイオードDZ1に流すツェナー電流IZ1、ツェナーダイオードDZ2に流すツェナー電流IZ2、NPN型バイポーラトランジスタQ1に流すベース電流IBを十分に供給できる値を選定します。

補足

定電流回路(MOSFETとツェナーダイオードを2つ使用)

NPN型バイポーラトランジスタではなく、MOSFETを用いても定電流回路を構成することができます。この場合、定電流値IOUTは次式となります。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=\frac{V_{Z2}-V_{GS}}{R_2}{\mathrm{[A]}}\tag{5-7}
\end{eqnarray}

上式において、VGSはMOSFETQ1のゲートソース間電圧、VZ2はツェナーダイオードDZ2のツェナー電圧となります。

定電流回路(PNPトランジスタとツェナーダイオードを使用)

定電流回路(PNPトランジスタとツェナーダイオードを使用)

上図はPNP型バイポーラトランジスタQ1とツェナーダイオードDZ1と抵抗R1,R2で構成された定電流回路です。

この回路の定電流値IOUTは次式となります。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=\frac{V_{Z}}{R_2}{\mathrm{[A]}}
\end{eqnarray}

上式において、VZはツェナーダイオードDZ1のツェナー電圧となります。

次に上式の導出方法について説明します。

定電流値IOUTの導出方法

定電流回路(PNPトランジスタとツェナーダイオードを使用)の定電流値の導出方法

PNP型バイポーラトランジスタQ1に流れるエミッタ電流をIE、エミッタベース間電圧をVEBとすると、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
V_{Z}=R_{2}I_{E}+V_{EB}\tag{6-1}
\end{eqnarray}

ここで、PNP型バイポーラトランジスタQ1のエミッタベース間電圧VEBはツェナーダイオードDZ1のツェナー電圧VZより小さいため(VEB≪VZ)、エミッタベース間電圧VEBを無視すると、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
V_{Z}&{\;}{\approx}{\;}&R_{2}I_{E}\\
{\Leftrightarrow}I_{E}&{\;}{\approx}{\;}&\frac{V_{Z}}{R_{2}}\tag{6-2}
\end{eqnarray}

また、PNP型バイポーラトランジスタQ1のコレクタ電流IC、ベース電流IB、エミッタ電流IEの関係は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{C}=I_{E}-I_{B}\tag{6-3}
\end{eqnarray}

ここで、PNP型バイポーラトランジスタQ1のベース電流IBはエミッタ電流IEより小さいため(IB≪IE)、ベース電流IBを無視すると、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
I_{C}{\;}{\approx}{\;}I_{E}\tag{6-4}
\end{eqnarray}

また、この回路において、コレクタ電流ICと出力電流IOUTは等しいため、次式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=I_{C}\tag{6-5}
\end{eqnarray}

(6-2)式、(6-4)式、(6-5)式より、出力電流IOUTは次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{OUT}=I_{C}{\;}{\approx}{\;}I_{E}{\;}{\approx}{\;}\frac{V_{Z}}{R_{2}}\tag{6-6}
\end{eqnarray}

ツェナー電圧VZと抵抗R2は一定なので、出力電流IOUTが定電流となります。言い換えれば、定電流値IOUTはツェナー電圧VZと抵抗R2の値で決まります。

また、負荷が出力抵抗ROUTの場合、上図の定電流回路には下記の式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
V_{IN}&=&R_{2}I_{E}+V_{EC}+I_{OUT}R_{OUT}\\
&{\;}{\approx}{\;}&V_{Z}+V_{EC}+I_{OUT}R_{OUT}\tag{6-7}
\end{eqnarray}

ここで、出力抵抗ROUTが大きい場合、IOUTROUTがVINを超え、定電流性が保たれなくなるなるので、出力抵抗ROUTの上限には使用環境(電源電圧VINと出力電流IOUTの値)によって制限を受けます。また、出力抵抗ROUTが小さいほど、PNP型バイポーラトランジスタQ1のエミッタコレクタ間電圧VECが大きくなります。

補足

定電流回路(PNPトランジスタとツェナーダイオードを使用)の損失対策

この定電流回路にはPNP型バイポーラトランジスタQ1のエミッタコレクタ間に抵抗R3を接続している場合があります。この抵抗R3はトランジスタの損失を抑えるために接続しています。

抵抗R3にはPNP型バイポーラトランジスタQ1のエミッタコレクタ間電圧VECが印加されています。そのため、抵抗R3に流れる電流IR3は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
I_{R3}=\frac{V_{EC}}{R_3}\tag{6-8}
\end{eqnarray}

この電流が流れることで、PNP型バイポーラトランジスタQ1に流れる電流が減り、トランジスタの損失を抑えることができます。

しかし、エミッタコレクタ間電圧VECが最大になる時(電源電圧VINが最大、出力抵抗ROUTが最小の時)において、流したい定電流IOUT以上に抵抗R3から電流が供給されると、定電流性を保てなくなります。

そのため、抵抗R3の下限は使用環境(電源電圧VIN、出力抵抗ROUTの値)によって制限を受けます。したがって、電源電圧VIN、出力抵抗ROUTの変動が小さい場合には、有効なトランジスタの損失低減手段となります。

まとめ

この記事ではトランジスタを用いた『定電流回路』について、下記の回路に関する説明をしました。

  • 定電流回路(NPNトランジスタを2つ使用)
  • 定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを使用)
  • 定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードとダイオードを使用)
  • 定電流回路(NPNトランジスタとLEDを使用)
  • 定電流回路(NPNトランジスタとツェナーダイオードを2つ使用)
  • 定電流回路(PNPトランジスタとツェナーダイオードを使用)

お読み頂きありがとうございました。

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