目的
・パーツボックス自体が導電性なので、静電気がたまらない。そのため、パーツボックスにほこりがくっつかない。また、パーツボックスに近い場所にある電子部品や基板の誘導帯電を防止できます。
・パーツボックスにいれる部品自体の帯電を防止することができます。
つまり、静電気に弱い部品やチップを安全に保管することが可能になります。これは導電性コンテナや導電性バッドも同様です。
材料
導電性のポリプロピレン製を使用しているものが多いです。ポリプロピレン自体に導電材(カーボン等)を混入させることで、抵抗値を下げています(2点間表面抵抗値:10^3~10^6Ω/cm)。一般にABSポリエチレン、ポリプロピレンを材料としたボックスは、絶縁性で抵抗値が非常に高いです。そのため、静電気がたまります。したがって、この絶縁性のボックスに、電子部品、感光性フィルムなどを入れると、静電気破壊を起こす可能性があります。また、ほこりが付着してしまいます。
ボックス自体が導電性であるメリット
帯電防止材を表面に塗布しているのではなく、ボックス自体が導電性です。つまり、導電層が表面だけでなく、樹脂全体にわたっています。これによって、
①帯電防止とともに静電除去効果があります。
②性能が半永久的です。
③表面を拭き取ったり、洗浄しても性能に変化が生じません。
使用上の注意点
・基本的に温度、湿度の影響をほとんど受けませんが、直射日光の当たるところや、温度、湿度の著しいところでの使用はさけること。変色や変形の原因となります。
・パーツボックスのキャビネットが金属製である場合、ボックスとキャビネットが触れるように設置すること。そしてキャビネットがESDの接地設備に接続されていること。つまり、導電性ボックスをアースと接続するということです。
・パーツボックスのキャビネットが金属製でない場合またキャビネットがないため接地が困難な場合、ESD接地設備に接続された導電性マット上に設置すること。これも、導電性ボックスをアースと接続するということです。
お手入れ方法
■汚れが少ない場合
・乾いた柔らかい布でふきましょう。
■汚れが激しい場合
①薄めた中性洗剤につけた布をかたく絞ってボックスを拭く。この時、シンナー系の溶剤、アルカリ性の洗剤等を使用しないこと。表面材が損傷する可能性があります。
②水につけた布を絞って中性洗剤が残らないように拭く。
③乾いた柔らかい布で、水分が残らないように拭く。
その他
・サビが発生せず、金属製に比べ軽量です。
・導電性ではないパーツボックスを使用する場合には以下のことを行うこと。
■ボックスが拡散性材料の場合
部品が直接触れる部分には導電性の材料で覆うこと。
■ボックスが絶縁材料の場合
静電気シールド材料で絶縁材料の周囲を全て覆うこと。また、部品が直接触れる部分には導電性材料で覆うこと。