【コンデンサ】片側だけを接地した場合の電位・帯電について

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開放状態で帯電しているコンデンサの片側だけを接地

①初期状態
初期状態
コンデンサの状態を模擬するために、まず、2つの導体(金属板)に誘電体(絶縁体)を挟みます。この状態では、2つの導体の電位はゼロなので、電位差もゼロの状態です。

②GNDを接続して電圧を印可する
GNDを接続して、電圧を印可
導体BをGNDに接続し、導体Aに電圧を印可します。今回は一例として1400Vの電圧を印可します。すると、導体BはGNDに接続されているため、電位はゼロ、導体Aは電圧源に接続されているため、1400Vの電位となり、電位差が1400Vとなります。また、導体Aには+の電荷が、導体Bには-の電荷が蓄えられ、誘電体内は誘電分極を起こします。さらに、+の電荷と-の電荷はクーロン力によって引力が生じている状態です。

③電圧源とGNDを取り外す
電圧源とGNDを取り外す
この状態で、電圧源とGNDを取り外しても、+の電荷と-の電荷はクーロン力によって引力を生じているため、電荷は固定され、減少しません。その結果、電圧も保持しています(Q=CVのQが不変だということ!)。

④導体AのみGNDに接地する
導体AのみGNDに接地する
ではここで導体A のみGNDに接続した場合はどのようになるでしょうか。導体AをGNDに接続することで、導体Aの電位が確定します(0Vになります)。この時、+の電荷と-の電荷は引力を生じているため、GNDには+の電荷は流れません。なお、コンデンサの電位差は一定のため、導体Bの電位は-1400Vとなります。
*実際は導体AにGNDを接続することで、多少+の電荷が放電してしまいます。その結果、導体Bの-の電荷の一部は引力を失うため、徐々に空気中に出ていきます。その結果、電荷(Q)が減り、電位差(V)が減ります。

⑤導体BのみGNDに接地する
導体BのみGNDに接地する
次に導体AのGNDを取り外し、導体BのみGNDに接地します。この場合も同様に、導体BをGNDに接続することで、導体Bの電位が確定します(0Vになります)。この時、+の電荷と-の電荷は引力を生じているため、GNDには-の電荷は流れません。なお、コンデンサの電位差は一定のため、導体Aの電位は+1400Vとなります。
*実際は導体BにGNDを接続することで、多少-の電荷が放電してしまいます。その結果、導体Aの+の電荷の一部は引力を失うため、徐々に空気中に出ていきます。その結果、電荷(Q)が減り、電位差(V)が減ります。

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