セラミックコンデンサとは?『特徴』や『極性』について解説!

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この記事では『セラミックコンデンサ』について

  • セラミックコンデンサとは
  • セラミックコンデンサの『特徴』・『極性』・『用途』

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

セラミックコンデンサとは

セラミックコンデンサとは

セラミックコンデンサは、誘電体にセラミックを使用している無極性のコンデンサです。

セラミックコンデンサは、単板型積層型があり、単板型はリード部品(ラジアル部品)しかありませんが、積層型はリード部品(ラジアル部品)とチップ部品があります。それぞれ上図に示したような形状となります。

また、セラミックコンデンサは誘電体に使用するセラミックの種類によって、

  • 低誘電率系(種類1,Class I)
  • 高誘電率系(種類2,Class II)
  • 半導体系(種類3,Class III)

に分類されます。下表に各種類と特徴を示しています。

セラミックコンデンサの種類と特徴

主に低誘電率系高誘電率系を用いることが多いです。

低誘電率系

  • 静電容量が小さい
  • 温度による静電容量の変化が小さい

という特徴があります。

一方、高誘電率系は低誘電率系と異なり、

  • 静電容量が大きい
  • 温度による静電容量の変化が大きい

という特徴があります。そのため、大容量が必要な箇所には高誘電率系のセラミックコンデンサを使用します。

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リード部品には「ラジアル部品」と「アキシャル部品」があります。

ラジアル部品は、部品の一方向からリードが出ている部品です。一方、アキシャル部品は部品の両方向からリードが出ている部品です。

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セラミックコンデンサの特徴

下記にセラミックコンデンサの特徴(メリットデメリット)を示しています。

メリット

  • 極性がない(無極性)
  • 高周波特性が良い(ESRが小さい)
  • 高耐熱
  • 長寿命

デメリット

  • 印加電圧によって静電容量が変化する
  • 温度によって静電容量が変化する
  • 高周波による振動で音鳴きが発生する可能性がある
  • 機械的ストレス等でクラック(ひび割れ)が発生する可能性がある

このように、セラミックコンデンサは他のコンデンサ(電解コンデンサやフィルムコンデンサ等)と異なり、交流電圧を印加すると、「ジー」・「キー」・「ピー」といった音(音鳴き)が聞こえたり、機械的ストレス等でクラックが発生するので、取り扱いに注意が必要な部品となります。

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セラミックコンデンサの極性

セラミックコンデンサの極性

セラミックコンデンサには極性がありません。無極性のコンデンサです。そのため、電圧が高い方をどちらの端子に接続しても正常に動作します。

また、フィルムコンデンサも無極性のコンデンサです。

一方、電解コンデンサやスーパーキャパシタなどは有極性のコンデンサとなります。そのため、プラス(+)とマイナス(-)を間違えて接続すると、発熱し、最悪の場合、破裂する可能性があります。

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セラミックコンデンサの用途

セラミックコンデンサは主に

  • カップリング
  • デカップリング
  • 平滑
  • フィルタ

に用いられています。これから各用途について順番に説明します。

【セラミックコンデンサの用途】カップリング

セラミックコンデンサの用途(カップリング)

直流成分+交流成分』から『交流成分』のみを取り出す用途でセラミックコンデンサを使用することがあります。この用途で使用しているコンデンサは「カップリングコンデンサ」と呼ばれています。

なお、カップリングとは「2つのものを結合させる」という意味があります。その名の通り、カップリングコンデンサは回路を結合させる用途で用いられています。

【セラミックコンデンサの用途】デカップリング

セラミックコンデンサの用途(デカップリング)

カップリングとは逆に『直流成分+交流成分』から『直流成分』のみを取り出す用途でセラミックコンデンサを使用することがあります。この用途で使用しているコンデンサは「デカップリングコンデンサ」と呼ばれています。

デカップリングコンデンサは不要なノイズ成分を削除する時に使用します。回路の入力部に接続することで、「ノイズ等の交流信号」をグラウンド(GND)に流すことができるため、安定した電源電圧を回路に供給することができるようになります。

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【セラミックコンデンサの用途】平滑

セラミックコンデンサの用途(平滑)

セラミックコンデンサを整流回路の後段に接続することで、交流電圧を整流した後の電圧リプルを抑え、直流状態に近くなるように信号を平滑化することができます。

【セラミックコンデンサの用途】フィルタ

セラミックコンデンサの用途(フィルタ)

セラミックコンデンサを抵抗やインダクタと組み合わせて用いることで、不要な周波数帯域の信号を除去し、特定の周波数帯域の信号のみを通過させるフィルタを作成することができます。

上図に示しているのは、インダクタLとコンデンサCで構成されているLCローパスフィルタです。LCロ―パスフィルタにより、入力された信号の高周波成分を除去し、出力には低周波成分のみを通過させることができるようになります。

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まとめ

この記事では『セラミックコンデンサ』について、以下の内容を説明しました。

  • セラミックコンデンサとは
  • セラミックコンデンサの『特徴』・『極性』・『用途』

お読み頂きありがとうございました。

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