この記事ではセラミックコンデンサに印加する交流電圧の周波数と振幅が変化した時において静電容量がどのように変化するか(セラミックコンデンサの交流電圧特性)を説明します。
セラミックコンデンサの交流電圧特性
セラミックコンデンサの交流電圧特性(AC電圧特性)とは、セラミックコンデンサに印加する交流(AC)電圧の周波数と振幅によって静電容量が変化してしまう現象のことを指します。
ではこれからセラミックコンデンサの周波数特性とセラミックコンデンサの交流電圧振幅特性について説明します。
セラミックコンデンサの周波数特性
上図にセラミックコンデンサの周波数特性を示しています。
周波数に対する静電容量の変化具合はセラミックコンデンサに使用する材料によって異なります。
- 誘電体に酸化チタンやジルコン酸カルシウム系等を用いている低誘電率系(Class1)のセラミックコンデンサ(温度補償用のセラミックコンデンサとも呼ばれている)では交流電圧の周波数が変わっても静電容量の変化はほぼありませんが、高周波領域では静電容量が増加します。
- 誘電体にチタン酸バリウム系等を用いている高誘電率系(Class2)のセラミックコンデンサは周波数が高くなると静電容量が低下します。
上図のセラミックコンデンサの周波数特性はあくまでイメージ図なので、実際に使用するセラミックコンデンサの周波数特性を知りたい場合には、データシート等を参照してください。
セラミックコンデンサの交流電圧振幅特性
上図にセラミックコンデンサの交流電圧振幅特性を示しています。
- 低誘電率系(Class1)のセラミックコンデンサ(温度補償用のセラミックコンデンサとも呼ばれている)は交流電圧の振幅が変わっても静電容量の変化はほぼありません。
- 高誘電率系(Class2)のセラミックコンデンサは交流電圧の振幅が変わると静電容量も変化します。
上図はあくまでイメージ図なので、実際に使用するセラミックコンデンサの交流電圧振幅特性を知りたい場合には、データシート等を参照してください。
補足
高誘電率系のセラミックコンデンサをLCRメーターで測定するときに、公称容量通りの静電容量とならない場合があります。これは先ほど説明したセラミックコンデンサに印加する交流(AC)電圧の周波数と振幅によって静電容量が変化してしまうためです。公称容量を得るためには、データシート等に記載されている測定条件、もしくは、公規格JIS C 5101-1-1998の静電容量に規定されている測定条件に基づいて測定する必要があります。
まとめ
この記事ではセラミックコンデンサの交流電圧特性(周波数特性・振幅特性)について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- セラミックコンデンサの周波数特性
- セラミックコンデンサの交流電圧振幅特性
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