【コンデンサの直並列接続】静電容量の『計算』と『例題』について!

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この記事では『コンデンサの直並列接続』について

  • 直並列接続されたコンデンサの合成静電容量の『計算方法』・『例題』

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

コンデンサの直並列接続

コンデンサの直並列接続

図1に示す回路は、コンデンサ\(C_2\)とコンデンサ\(C_3\)が並列接続され、それにコンデンサ\(C_1\)が直列接続されています。このような接続方法を「コンデンサの直並列接続」といいます。

ポイント

直列接続』と『並列接続』を組み合わせた接続方法が『直並列接続』です。

上図に示しているような直並列接続されたコンデンサの場合、合成静電容量\(C\)は以下の手順(ステップ1,2)で求めることができます。

合成静電容量Cを求める手順

  1. 並列接続されているコンデンサ\(C_2\)と\(C_3\)の合成静電容量\(C_{23}\)を求める。
  2. コンデンサ\(C_1\)と\(C_{23}\)の合成静電容量\(C\)を求める

ステップ1

まず、並列接続されている「静電容量が\(C_2{\mathrm{[F]}}\)のコンデンサ」と「静電容量が\(C_3{\mathrm{[F]}}\)のコンデンサ」の合成静電容量\(C_{23}{\mathrm{[F]}}\)を求めます。

並列接続されたコンデンサの場合、合成静電容量\(C_{23}\)は各コンデンサの静電容量の和で計算することができ、次式で表されます。

\begin{eqnarray}
C_{23}=C_2+C_3{\mathrm{[F]}}\tag{1}
\end{eqnarray}

並列接続されている「静電容量が\(C_2{\mathrm{[F]}}\)のコンデンサ」と「静電容量が\(C_3{\mathrm{[F]}}\)のコンデンサ」は「静電容量\(C_{23}\)の1つのコンデンサ」と見なせるので、図2のように変形することができます。このように変形すると、コンデンサ\(C_1\)と\(C_{23}\)が直列接続されているようになります。

ステップ2

次に、直列接続されている「静電容量が\(C_1{\mathrm{[F]}}\)のコンデンサ」と「静電容量が\(C_{23}{\mathrm{[F]}}\)のコンデンサ」の合成静電容量\(C\)を求めます。

直列接続されたコンデンサの場合、合成静電容量\(C\)の逆数\(\displaystyle\frac{1}{C}\)は各コンデンサの静電容量の逆数の和で計算することができ、次式で表されます。

\begin{eqnarray}
\frac{1}{C}=\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_{23}}=\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_2+C_3}\tag{2}
\end{eqnarray}

したがって、(2)式を変形すると、合成静電容量\(C\)は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
C=\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{C_1}+\displaystyle\frac{1}{C_{23}}}=\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{C_1}+\displaystyle\frac{1}{C_2+C_3}}{\mathrm{[F]}}\tag{3}
\end{eqnarray}

合成静電容量とは?

複数のコンデンサをまとめて1つのコンデンサとした時の静電容量を合成静電容量と呼びます。

合成静電容量は「合成容量」や「合成コンデンサの静電容量」などとも呼ばれています。

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【コンデンサの直列接続】静電容量の『計算』と『証明』について!
【コンデンサの並列接続】静電容量の『計算』と『証明』について!

コンデンサの直並列接続の例題

例題

コンデンサの直並列接続の例題

上図に示した回路において、コンデンサ\(C_1\)が\(10{\mathrm{[F]}}\)、コンデンサ\(C_2\)が\(2{\mathrm{[F]}}\)、コンデンサ\(C_3\)が\(8{\mathrm{[F]}}\)の時、コンデンサ\(C_1\)~\(C_3\)の合成静電容量\(C\)は何\({\mathrm{F}}\)でしょうか。

解答

コンデンサ\(C_2\)と\(C_3\)は並列接続されているので、合成静電容量\(C_{23}\)は各コンデンサの静電容量の和で計算することができ、以下の値となります。

\begin{eqnarray}
C_{23}=C_2+C_3=2+8=10{\mathrm{[F]}}\tag{4}
\end{eqnarray}

コンデンサ\(C_1\)と\(C_{23}\)は直接接続されているので、合成静電容量\(C\)の逆数\(\displaystyle\frac{1}{C}\)は各コンデンサの静電容量の逆数の和で計算することができ、次式で表されます。

\begin{eqnarray}
\frac{1}{C}=\frac{1}{C_1}+\frac{1}{C_{23}}\tag{5}
\end{eqnarray}

したがって、(5)式を変形すると、合成静電容量\(C\)は以下の値となります。

\begin{eqnarray}
C=\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{C_1}+\displaystyle\frac{1}{C_{23}}}=\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{10}+\displaystyle\frac{1}{10}}=5{\mathrm{[F]}}\tag{6}
\end{eqnarray}

まとめ

この記事では、『コンデンサの直並列接続』について、以下の内容を説明しました。

  • 直並列接続されたコンデンサの合成静電容量の『計算方法』・『例題』

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