この記事ではバイポーラトランジスタの入力特性(IB-VBE特性)について詳しく説明します。
バイポーラトランジスタの『入力特性(IB-VBE特性)』とは
バイポーラトランジスタの入力特性(IB-VBE特性)とは、コレクタエミッタ間電圧VCEを一定とした時のベース電流IBとベースエミッタ間電圧VBEの特性のことです。
ベース(B)とエミッタ(E)間はPN接合部分となるため、ダイオードの順方向電圧特性(IF-VF特性)と同じになります。
シリコン(けい素,Si)を素材としたシリコントランジスタの場合、ベースエミッタ間電圧VBEが0.6~0.8V以上になるとベース電流IBが大きく変化し、ゲルマニウム(Ge)を素材としたゲルマニウムトランジスタの場合、ベースエミッタ間電圧VBEが0.2~0.3V以上になるとベース電流IBが大きく変化します。
なお、ダイオードの順方向電圧特性(IF-VF特性)については以下の記事で説明していますので、参考にしてください。 続きを見る 続きを見るツェナーダイオードの温度特性について!
【ダイオードの静特性とは?】グラフの見方や特徴などを詳しく説明します!
バイポーラトランジスタの『入力特性(IB-VBE特性)』の温度特性
バイポーラトランジスタの『入力特性(IB-VBE特性)』は温度によって変わります。データシート上には、温度が-55℃、-40℃、-25℃、25℃、100℃、125度など異なる温度の時の『IC-VBE特性』が記載されています。
『入力特性(IB-VBE特性)』は温度が高くなると、特性は左側にシフトします。すなわち、温度が高くなると、同じベース電流IBを流すために必要なベースエミッタ間電圧VBEが減少します。
上図は東芝製の2SC1815の『入力特性(IB-VBE特性)』です。コレクタエミッタ間電圧VCEが6V、温度が-25℃、25℃、100℃の時の特性が描かれており、温度が高くなると、特性は左側にシフトしていることが分かります。
まとめ
この記事ではバイポーラトランジスタの『入力特性(IB-VBE特性)』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- バイポーラトランジスタの『入力特性(IB-VBE特性)』とは
- バイポーラトランジスタの『入力特性(IB-VBE特性)』の温度特性
お読み頂きありがとうございました。
当サイトでは電気に関する様々な情報を記載しています。当サイトの全記事一覧には以下のボタンから移動することができます。