この記事では『静電容量の読み方』と『許容差(誤差)の記号』について説明します。
コンデンサの静電容量の読み方
コンデンサの静電容量は一般的には数字3桁で表します。また、後ほど説明しますが、許容差はアルファベット1文字で表します。
単位は『pF(ピコファラド)』か『μF(マイクロファラド)』で表します。電解コンデンサ等の大容量のコンデンサを除けば『pF(ピコファラド)』が一般的です。
そして、静電容量の読み方は
- 静電容量が100pF以上の場合
- 静電容量が100pF未満の場合
- 数字ではなくRを使用している場合
で読み方が異なります。
静電容量が100pF以上の場合
最初の1桁目が第1数字、2桁目が第2数字、3桁目が乗数(10のN乗)を表します。
例えば、「473」の場合、
となります。
静電容量が100pF未満の場合
数字3桁ではなく1桁や2桁の場合があります。この場合は、そのまま読みます。
例えば、「22」の場合、
となります。
数字ではなくRを使用している場合
数字以外に「R」を使用している場合があります。この「R」は小数点を表しており、「R」の箇所を小数点に置き換えて読みます。
例えば、「1R5」の場合、
となります。
以下にコンデンサの表示とその静電容量の一覧を示します。
補足
- 通常販売されているコンデンサはE6系列(10、15、22、33、47、68)となっています。
- 1μFを超える大容量のコンデンサはそのまま容量値を表示してある場合がほとんどです。
- 電解コンデンサは通常はそのまま容量値が表示されています。
コンデンサの許容差(誤差)の記号
コンデンサは静電容量を示す3桁の数字に続けて、アルファベット1文字で許容差を表します。
アルファベットのKは±10%を表し、Mは±20%を表します。
例えば、コンデンサに「101K」と表示されていた場合、
となります。すなわち、100pFのコンデンサで許容差が「K(±10%)」の場合、90pF~110pFまで静電容量がバラツクということになります。
上図は許容差を表すアルファベットとその意味の一覧表です。静電容量が10pF以下の場合と静電容量が10pF以上の場合でアルファベットの意味が異なるので注意してください。
- 静電容量が10pF以下の場合
- 静電容量が10pF以上の場合
「B」、「C」、「D」、「F」、「G」で許容差を表します。許容差の単位は「%」ではなく、「pF」となります。
「B」~「Z」で許容差を表します(「I」や「L」など未使用のアルファベットもあります)。許容差の単位は「%」となります。
補足
- 通常販売されているコンデンサは「J(±5%)」か「K(±10%)」か「M(±20%)」になります。
- フィルムコンデンサ、マイカコンデンサ、温度補償用セラミックコンデンサなどでは「F(1%)」よりも高い精度のものも作られています。
- アルミ電解コンデンサや電気二重層コンデンサは精度が悪く「K(±10%)」以上のものが一般的です。
- コンデンサの小型化により数字が部品に書ききれなくなり、簡略化した3桁の数字やアルファベットが印刷されるようになりました。
- 高精度の部品ほど値がバラつかないため、高い信頼性がありますが、その分、部品コストが高くなります。
- 許容差は精度を表す用語で、静電容量の誤差を表したものです。
- 「K(±10%)」は「毛糸」のように語呂合わせで覚えると覚えやすくなります。
まとめ
この記事では『静電容量の読み方』と『許容差(誤差)の記号』について、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- 静電容量の読み方と一覧表
- 許容差(誤差)の記号と一覧表
お読み頂きありがとうございました。
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