この記事では『PTCサーミスタ(ポジスタ)』について
- PTCサーミスタ(ポジスタ)とは
- PTCサーミスタの特徴・種類・分類・用途
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
PTCサーミスタ(ポジスタ)とは
PTCサーミスタは、ある温度を超えると、温度の上昇に対して急激に抵抗値が増加するサーミスタです。村田製作所さんではPTCサーミスタを「ポジスタ」という名称で登録商標を取得しています。
PTCサーミスタのPTCはPositive Temperature Coefficient(正の温度係数)の頭文字となります。「正の温度係数」という名の通り、温度の上昇によって抵抗値が増加するということが分かります。
補足
- 抵抗値が急激に増加する温度は『キュリー温度(キュリー点)』といいます。
- キュリー温度(キュリー点)はメーカーによって定義が異なります。例えば、村田製作所さんでは「25℃時の抵抗値の2倍になる温度」、大泉製作所さんでは「最小抵抗値Rminの2倍になる温度」をキュリー温度と定義しています。
その他のサーミスタ
サーミスタには『PTCサーミスタ』以外にも、『NTCサーミスタ』や『CTRサーミスタ』と呼ばれるものがあります。
- NTCサーミスタ
- 温度が上昇すると、抵抗値が緩やかに減少するサーミスタです。
- CTRサーミスタ
- ある温度を超えると、温度の上昇に対して急激に抵抗値が減少するサーミスタです。
サーミスタの中で最も一般的なサーミスタは『NTCサーミスタ』となります。
各サーミスタの特徴や違いについては、下記の記事で詳しく説明しています。興味のある方は下記のリンクからぜひチェックをしてみてください。 続きを見るサーミスタとは?『種類』や『用途』などを解説!
PTCサーミスタの種類・分類
PTCサーミスタは構造によって、『セラミックPTC』と『ポリマーPTC』に分けられます。
- セラミックPTC
- チタン酸バリウムに添加物を加えたセラミックを用いたPTCサーミスタです。
- ポリマーPTC
- 低融点のポリマー中にカーボンブラックやニッケル等の導電性粒子を分散させたPTCサーミスタであり、「ポリスイッチ」や「セミヒューズ」などと呼ばれています。
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『ポリスイッチ』については下記の記事で詳しく説明しています。興味のある方は下記のリンクからぜひチェックをしてみてください。 続きを見る【ポリスイッチとは】ヒューズとの違いは?
PTCサーミスタの用途
PTCサーミスタは温度によって抵抗値が変わるため、温度を検出するセンサに用いられています。
また、電流が流れると自己発熱により抵抗値が増大することで、電流が流れにくくなるため、電流制限素子としても用いられています。
さらに、PTCサーミスタに一定電圧を印加し続ければ、時間が経過するとともに流れる電流が減少し、一定の温度を保つようになるため、ヒーターなどの加熱素子としても利用することができます。
まとめ
この記事では『PTCサーミスタ(ポジスタ)』について、以下の内容を説明しました。
- PTCサーミスタ(ポジスタ)とは
- PTCサーミスタの特徴・種類・分類・用途
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