サーミスタとは?『種類』や『用途』などを解説!

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この記事では『サーミスタ』について

  • サーミスタとは
  • サーミスタの種類
  • NTCサーミスタ、PTCサーミスタ、CTRサーミスタの説明

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

サーミスタとは

サーミスタとは

サーミスタは、温度が変わると抵抗値が変化する電子部品です。

この特性を利用して『温度を検出するセンサ』に用いられています。例えば、「電子体温計のように温度を測定するもの」や「スマホなどの内部温度の加熱検知用」など私たちの身の回りにある様々な製品にサーミスタが使われています。

また、サーミスタにはリードタイプやチップタイプなど様々な形状があります。

補足

  • サーミスタは英語では「Thermistor」と書きます。
  • Thermistor(サーミスタ)という名称は英語のThermal(温度)とresistor(抵抗)の混合語です。

サーミスタの種類・分類

サーミスタの種類(NTCサーミスタ・PTCサーミスタ・CTRサーミスタ)

サーミスタは抵抗値の変化の仕方によって、以下の3種類に分類することができます。

  • NTCサーミスタ

温度が上昇すると、抵抗値が緩やか減少するサーミスタ。

  • PTCサーミスタ

ある温度を超えると、温度の上昇に対して急激に抵抗値が増加するサーミスタ。

  • CTRサーミスタ

ある温度を超えると、温度の上昇に対して急激に抵抗値が減少するサーミスタ。

この中で最も一般的なサーミスタはNTCサーミスタとなります。次にPTCサーミスタです。CTRサーミスタはNTCサーミスタやPTCサーミスタほど一般的ではありません。

NTCサーミスタ

NTCサーミスタ

NTCサーミスタは、温度が上昇すると、抵抗値が緩やかに減少するサーミスタです。ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、鉄(Fe)などの酸化物を混合して焼結させたセラミックスが材料となります。

NTCサーミスタのNTCはNegative Temperature Coefficient(負の温度係数)の頭文字となります。「負の温度係数」という名の通り、温度の上昇によって抵抗値が減少するということが分かります。

NTCサーミスタの用途

NTCサーミスタは温度を検出するセンサ以外にも、電源回路の突入電流防止用や温度補償用にも使われています。

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電源回路の突入電流を防止する回路については別途下記の記事で説明していますので、ご参考になれば幸いです。

NTCサーミスタの式とB定数

周囲温度\(T_0{\mathrm{[K]}}\)の時のNTCサーミスタの抵抗値を\(R_0{\mathrm{[{\Omega}]}}\)とすると、周囲温度\(T{\mathrm{[K]}}\)の時のNTCサーミスタの抵抗値\(R{\mathrm{[{\Omega}]}}\)は次式で表すことができます。

\begin{eqnarray}
R&=&R_0e^\left\{\displaystyle{B}\left(\displaystyle\frac{1}{T}-\displaystyle\frac{1}{T_0}\right)\right\}\\
\\
{\Leftrightarrow}B&=&\frac{{\ln}\left(\displaystyle\frac{R}{R_0}\right)}{\displaystyle\frac{1}{T}-\displaystyle\frac{1}{T_0}}
\end{eqnarray}

このように、NTCサーミスタは温度と抵抗値の関係を簡単な近似式で表すことができます。

また、上式の\(B\)はB定数と呼ばれ、サーミスタ毎にそれぞれ異なります。B定数は温度変化に対するサーミスタの抵抗値変化の傾きを示しており、B定数が大きいほど温度変化に対する感度が高くなります。

PTCサーミスタ

PTCサーミスタ

PTCサーミスタは、ある温度を超えると、温度の上昇に対して急激に抵抗値が増加するサーミスタです。ポジスタとも呼ばれています。

PTCサーミスタには、チタン酸バリウムに添加物を加えたセラミックを用いたセラミックPTCや、低融点のポリマー中にカーボンブラックやニッケル等の導電性粒子を分散させたポリマーPTCなどがあります。なお、ポリマーPTCは「ポリスイッチ」や「セミヒューズ」などと呼ばれています。

PTCサーミスタのPTCはPositive Temperature Coefficient(正の温度係数)の頭文字となります。「正の温度係数」という名の通り、温度の上昇によって抵抗値が増加するということが分かります。

PTCサーミスタの用途

PTCサーミスタは温度を検出するセンサ以外にも、電流が流れると自己発熱により抵抗値が増大することで、電流が流れにくくなるため、電流制限素子としても用いられています。

また、PTCサーミスタに一定電圧を印加し続ければ、時間が経過するとともに流れる電流が減少し、一定の温度を保つようになるため、ヒーターなどの加熱素子としても利用することができます。

CTRサーミスタ

CTRサーミスタ

CTRサーミスタは、ある温度を超えると、温度の上昇に対して急激に抵抗値が減少するサーミスタです。バナジウムの酸化物に添加物を加えて焼結したものが材料となります。

CTRサーミスタはNTCサーミスタと同様に負の温度係数を持ちますが、PTCサーミスタのようにある温度を超えると、温度の上昇に対して急激に抵抗値が減少します。

CTRサーミスタのCTRはCritical Temperature Resistorの頭文字となります。

まとめ

この記事では『サーミスタ』について、以下の内容を説明しました。

  • サーミスタとは
  • サーミスタの種類
  • NTCサーミスタ、PTCサーミスタ、CTRサーミスタの説明

お読み頂きありがとうございました。

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