この記事では『三端子レギュレータ』について
- 三端子レギュレータに接続する『コンデンサのESR』と『発振』の関係
などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。
三端子レギュレータに接続する『コンデンサのESR』と『発振』について
シリーズレギュレータは、3端子レギュレータを使うことで簡単に作ることができますが、接続するコンデンサに注意してください。
最近、『大容量で低ESRのセラミックコンデンサ』や『低ESRの電解コンデンサ』が商品化されており、低ESRのコンデンサを3端子レギュレータの出力部に使用すると、位相余裕を確保することができず、異常発振してしまう可能性があります。
例えば、前世代の三端子レギュレータ(NJM7805など)は、従来の高ESRのコンデンサを出力に接続した状態で、三端子レギュレータ内部のエラーアンプの位相補償を設計しています。対応できるESRの大きさはデータシートの『安定動作領域特性(横軸が出力電流IO、縦軸がESR[Ω]の特性)』に記載されています。
上図に示しているのはNJM7805のデータシートに記載されている『安定動作領域特性』です。0.03Ω(30mΩ)より低いESRのコンデンサを使用すると、安定動作領域から外れるため、異常発振する可能性があります。
一方、次世代の三端子レギュレータ(NJM7805Sなど)では、低ESRのセラミックコンデンサに対応しています。NJM7805Sのデータシートに記載されている『安定動作領域特性』を見ると、0.01Ω(10mΩ)のESRを持つコンデンサでも安定動作領域に入っているため対応していることが分かります。また、データシート上に「セラミックコンデンサに対応」と記載がされています。
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3端子レギュレータの『使い方』や『メリット・デメリット』などは別途下記の記事で別途説明していますので、ご参考になれば幸いです。
【3端子レギュレータとは?】『使い方』や『型番(7805等)』などを分かりやすく解説!
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補足
- 「セラミックコンデンサに対応」と書いていない3端子レギュレータにはセラミックコンデンサを使わない方が無難です。
- ESRは等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance)の略です。コンデンサには、静電容量(C)以外に、抵抗成分(R)やインダクタンス成分(L)が存在します。この抵抗成分Rのことを等価直列抵抗、インダクタンス成分Lのことを等価直列インダクタンス(ESL)と呼びます。
まとめ
この記事では『三端子レギュレータ』について、以下の内容を説明しました。
- 三端子レギュレータに接続する『コンデンサのESR』と『発振』の関係
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