【3端子レギュレータとは?】『使い方』や『型番(7805等)』などを分かりやすく解説!

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この記事では『3端子レギュレータ』について

  • 3端子レギュレータとは
  • 3端子レギュレータの『保護』
  • 3端子レギュレータの『型番(7805など)』
  • 3端子レギュレータの『使い方』と『コンデンサの接続』
  • 3端子レギュレータの『メリット』と『デメリット』

などを図を用いて分かりやすく説明するように心掛けています。ご参考になれば幸いです。

3端子レギュレータとは

3端子レギュレータとは

3端子レギュレータは、その名の通り3本の端子を備えた電子部品であり、入力端子(IN)、出力端子(OUT)、グラウンド端子(GND)の3端子から構成されています。

入力端子(IN)を入力電圧\(V_{IN}\)に、出力端子(OUT)を負荷に、グラウンド端子(GND)をグラウンドに接続します。また、電圧安定化のために『入力端子(IN)-グラウンド(GND)』と『出力端子(OUT)-グラウンド(GND)』にコンデンサを接続することでシリーズレギュレータを作ることができます。

このように、3端子レギュレータを使えばシリーズレギュレータを簡単に作ることができます。

3端子レギュレータはトランジスタと同じ形状をしており、『TO-220』や『TO-92』や『TO-252』などのパッケージ形状があります。

そもそもシリーズレギュレータって何だっけ?」「動作原理とか忘れちゃったな?」という方は下記の記事にシリーズレギュレータの基本的な内容を説明していますので、ご参考にしてください。

補足

  • 3端子レギュレータは英語では『3-Terminal Regulator』と書きます。

3端子レギュレータの『保護』

3端子レギュレータの『保護』

『3端子レギュレータの入力端子(IN)に定格を超える高電圧が印加される場合』や『出力電圧\(V_{OUT}\)が入力電圧\(V_{IN}\)よりも高くなる場合』には、3端子レギュレータが破壊してしまう可能性があるので、上図に示すように保護回路を接続することが必要となります。

  • Aの保護回路
  • 上図に示しているAは『入力端子(IN)に定格を超える高電圧が印加される場合の保護回路』です。この場合には、入力端子(IN)に抵抗\(R\)とツェナーダイオード\(D_Z\)を接続する必要があります。

  • Bの保護回路
  • 上図に示しているBは『出力電圧\(V_{OUT}\)が入力電圧\(V_{IN}\)よりも高くなる場合の保護回路』です。「入力端子(IN)のGNDへのショート」や「電源のOFF」など入力電圧\(V_{IN}\)が急低下する場合、出力電圧\(V_{OUT}\)は大容量のコンデンサが接続されているため維持されており、一時的に出力電圧\(V_{OUT}\)が入力電圧\(V_{IN}\)よりも高くなることがあります。この場合には、入力端子(IN)と出力端子(OUT)の間にダイオード\(D\)を接続する必要があります。

  • Cの保護回路
  • 上図に示しているCは『出力電圧\(V_{OUT}\)がマイナスになる場合の保護回路』です。負荷がインダクタンス成分を含む場合、出力電圧\(V_{OUT}\)がマイナスになることがあります。この場合には、出力端子(OUT)とGNDの間にダイオード\(D\)を接続する必要があります。

3端子レギュレータの『型番(7805など)』

3端子レギュレータの『型番(7805など)』

上図に3端子レギュレータの型番の付け方を示しています。

3端子レギュレータの最大電流容量が1Aの場合、3桁目のアルファベットが無いので4桁となります。

3端子レギュレータで定番なのは『78**シリーズ』と『79**シリーズ』です。『78**』と『79**』の違いは、『78**』が正電源用(プラスの電圧を出力)、『79**』が負電源用(マイナスの電圧を出力)となります。

『**』の部分には出力電圧\(V_{OUT}\)が入ります。例えば、出力電圧\(V_{OUT}\)が5Vの3端子レギュレータは『7805』、出力電圧\(V_{OUT}\)が-5Vの3端子レギュレータは『7905』となります。出力電圧\(V_{OUT}\)としては、3.3V~24V程度のバリエーションがあります。

3端子レギュレータの最大電流容量が1A以外の場合、3桁目のアルファベットが有るので5桁となります。

下記に示すようにアルファベットで最大電流容量を表しています。

  • M:0.5A
  • N:0.3A
  • L:0.1A
  • アルファベット無し:1.0A

例えば、7805、78M12、78L05の『出力電圧\(V_{OUT}\)』と『最大電流容量』は下記のようになります。

  • 7805
  • 出力電圧\(V_{OUT}\)が5V、最大電流容量が1A

  • 78M12
  • 出力電圧\(V_{OUT}\)が12V、最大電流容量が0.5A

  • 79L05
  • 出力電圧\(V_{OUT}\)が-5V、最大電流容量が0.1A

可変3端子レギュレータの『型番』

可変3端子レギュレータの『型番』

3端子レギュレータには出力電圧\(V_{OUT}\)が可変できるタイプがあり、GND端子がADJ端子になっています。可変3端子レギュレータの出力電圧\(V_{OUT}\)は外付けの抵抗により変化させることができ、次式で表されます。

\begin{eqnarray}
V_{OUT}=V_{REF}×\left(1+\frac{R_2}{R_1}\right)+R_2×I_{ADJ}
\end{eqnarray}

可変3端子レギュレータの型番としては、正電源用(プラスの電圧を出力)では『**317(LM317やNJM317など)』、負電源用(マイナスの電圧を出力)では『**337(LM337など)』があります。

3端子レギュレータの『使い方』と『コンデンサの接続』

3端子レギュレータの『使い方』と『コンデンサの接続』

3端子レギュレータを使い方を下記に示します。

  • 入出力端子にコンデンサを接続する
  • 入力電圧\(V_{IN}\)は『出力電圧\(V_{OUT}\)+最小入出力間電圧差』以上を印加する
  • 発熱するため必要に応じて放熱器(ヒートシンク)を取り付ける

これから各項目について説明します。

入出力端子にコンデンサを接続する

入出力端子にコンデンサを接続する

3端子レギュレータは発振防止や電圧変動を抑えるために、上図に示すようにコンデンサを接続して使います。各コンデンサを接続する理由を下記に示します。

  • 入力平滑コンデンサ\(C_{IN1}\)
  • 入力平滑コンデンサ\(C_{IN1}\)は、入力電圧\(V_{IN}\)のリプルや変動を防止するために接続します。比較的大きな容量(10uF~100uF以上)を取り付けます。

  • 発振防止用入力コンデンサ\(C_{IN2}\)
  • 発振防止用入力コンデンサ\(C_{IN2}\)は3端子レギュレータの発振防止のために接続します。『入力端子(IN)-グラウンド端子(GND)間』にできるだけ配線が短くなるように接続します。コンデンサの容量は3端子レギュレータの仕様書で規定されていますが、一般的に0.1uF~0.3uF程度の容量を接続することが多いです。

    このコンデンサは電源インピーダンスが高い場合や、入力端子(IN)やグラウンド端子(GND)の配線が長くなった場合の発振を防止する効果があります。

  • 出力平滑コンデンサ\(C_{OUT1}\)
  • 出力平滑コンデンサ\(C_{OUT1}\)は、出力電圧\(V_{OUT}\)のリプルや変動を防止するために接続します。比較的大きな容量(10uF~100uF以上)を取り付けます。

  • 発振防止用出力コンデンサ\(C_{OUT2}\)
  • 振防止用出力コンデンサ\(C_{OUT2}\)は3端子レギュレータの発振防止のために接続します。『出力端子(OUT)-グラウンド端子(GND)間』にできるだけ配線が短くなるように接続します。コンデンサの容量は3端子レギュレータの仕様書で規定されていますが、一般的に0.1uF~0.3uF程度の容量を接続することが多いです。

    このコンデンサは3端子レギュレータに内蔵されているエラーアンプの位相補償をする効果があります。

入力電圧\(V_{IN}\)は『出力電圧\(V_{OUT}\)+最小入出力間電圧差』以上を印加する

入力電圧VINは『出力電圧VOUT+最小入出力電圧差』以上を印加する

3端子レギュレータは入力電圧\(V_{IN}\)が出力電圧\(V_{OUT}\)よりも高い回路です。入力電圧\(V_{IN}\)の最小値は『最小入出力間電圧差\(V_{DIF}\)』で決まります。

例えば、出力電圧\(V_{OUT}\)が5Vの3端子レギュレータで、最小入出力間電圧差\(V_{DIF}\)が2Vの場合、入力電圧\(V_{IN}\)は7V以上必要となります。一般的な3端子レギュレータは最小入出力間電圧差\(V_{DIF}\)が2V程度となっています。

この最小入出力間電圧差はデータシートに記載されている場合があります。上図に示しているのはルネサス製μPC7805Aのデータシートの一部です。最小入出力間電圧差\(V_{DIF}\)が1.8Vということが分かります。

補足

最小入出力間電圧差VDIFが低い3端子レギュレータ

  • 最小入出力間電圧差\(V_{DIF}\)が低い3端子レギュレータ(1V程度)もあります。このタイプでは3端子レギュレータ内部の出力部が『PNP型バイポーラトランジスタ』や『Pチャネル型MOSFET』になっています。なお、一般的な3端子レギュレータは出力部が『NPN型バイポーラトランジスタを2つ使ったダーリントン接続』になっていることが多いです。

発熱するため必要に応じて放熱器(ヒートシンク)を取り付ける

発熱するため必要に応じて放熱器(ヒートシンク)を取り付ける

3端子レギュレータには『ICの消費電流\(I_Q\)による損失\(P_{LOSS1}\)』と『入力電圧\(V_{IN}\)と出力電圧\(V_{OUT}\)の電圧差による損失\(P_{LOSS2}\)』があります。各損失は次式で表されます。

\begin{eqnarray}
P_{LOSS1}&=&V_{IN}×I_Q{\mathrm{[W]}}\\
\\
P_{LOSS2}&=&(V_{IN}-V_{OUT})×I_{OUT}{\mathrm{[W]}}
\end{eqnarray}

したがって、3端子レギュレータ全体の損失\(P_{LOSS}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
P_{LOSS}&=&P_{LOSS1}+P_{LOSS2}\\
\\
&=&V_{IN}×I_Q+(V_{IN}-V_{OUT})×I_{OUT}{\mathrm{[W]}}
\end{eqnarray}

なお、\(P_{LOSS1}\)は\(P_{LOSS2}\)と比較すると非常に小さいため無視すると、\(P_{LOSS}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
P_{LOSS}{\;}{\approx}{\;}(V_{IN}-V_{OUT})×I_{OUT}{\mathrm{[W]}}
\end{eqnarray}

例えば、入力電圧\(V_{IN}\)が12V、出力電圧\(V_{OUT}\)が5V、出力電流\(I_{OUT}\)が0.5Aの場合は、損失\(P_{LOSS}\)は次式となります。

\begin{eqnarray}
P_{LOSS}&{\;}{\approx}{\;}&(V_{IN}-V_{OUT})×I_{OUT}\\
\\
&=&(12-5)×0.5\\
\\
&=&3.5{\mathrm{[W]}}
\end{eqnarray}

この損失\(P_{LOSS}\)が3端子レギュレータからの発熱となるため、『出力電流\(I_{OUT}\)が大きい場合』や『入出力電圧差が大きい場合』には放熱器(ヒートシンク)を取り付ける必要があります。

3端子レギュレータの『メリット』と『デメリット』

3端子レギュレータの『メリット』と『デメリット』を下記に示します。

メリット

  • 回路構成が簡単(部品点数が少ない)
  • 安価
  • 放熱が小さい場合は省スペース
  • スイッチングレギュレータと比較すると、設計が簡単
  • 品揃えが豊富で負電源用(マイナスの電圧を出力)の3端子レギュレータもある
  • 3端子レギュレータ内部に加熱保護や過電流保護回路等を内蔵している
  • 低ノイズ
  • →3端子レギュレータはスイッチング動作をしないため

  • 電圧リプルが小さい

デメリット

  • 効率が悪い
  • →入出力電圧差が大きいほど効率が悪くなります。

  • 放熱が大きい場合は実装面積が大きくなる
  • 降圧しかできない

まとめ

この記事では『3端子レギュレータ』について、以下の内容を説明しました。

  • 3端子レギュレータとは?
  • 3端子レギュレータの『保護』
  • 3端子レギュレータの『型番(7805など)』
  • 3端子レギュレータの『使い方』と『コンデンサの接続』
  • 3端子レギュレータの『メリット』と『デメリット』

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