この記事ではリレーについて
- 『シングルスティブル型』と『ラッチング型』の違い
- 『シングルスティブル型』の特徴
- 『ラッチング型』の特徴
- 『1巻きラッチング型』について
- 『2巻きラッチング型』について
を図を用いて説明しています。
『シングルスティブル型』と『ラッチング型』の違い
リレーの機能は『シングルスティブル型』と『ラッチング型(キープ型)』の2種類あります。
各種類について簡単に説明すると、以下のようになっています。
- シングルスティブル型
- ラッチング型(キープ型)
電流が流れている間だけ接点が切り替わるタイプのリレー
電流が流れ終わっても接点を保持するタイプのリレー
ではこれから各種類の特徴と動作について詳しく説明してきます。
『シングルスティブル型』の特徴
シングルスティブル型はコイルに一定以上の電流が流れている間だけ、接点がON(またはOFF)するリレーです。このタイプのリレーが一般的となっています。
シングルスティブルの動作タイムチャートは上図のようになっています。
リレーには「コイルに電流を流すとON状態となる端子(a接点)」と「コイルに電流を流すとOFF状態となる端子(b接点)」があります。
a接点の場合、コイルに一定以上の電流を流すことでa接点がONします。一方、b接点の場合、コイルに一定以上の電流を流すことで、b接点がOFFとなります。電流が流れ終わると、接点が切り替わります。
なお、a接点とb接点については以下の記事に詳しく説明していますので、参考にしてください。
【リレー】「a接点」・「b接点」・「c接点」の違いや記号について!
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補足
『シングルスティブル型』は『ィ』が大きくなった『シングルステイブル型』とも呼ばれることがあります。
『ラッチング型』の特徴
ラッチング型はコイルに電流を流すことで、接点がON(またはOFF)し、その後、電流が流れ終わっても、接点の状態を保持(キープ)するリレーです。コイルへの連続通電の必要がないため、『シングルスティブル型』よりも消費電力が小さくなっています。
このラッチング型のリレーにはコイルが1個の『1巻きラッチング型』とコイルが2個の『2巻きラッチング型』があります。
1巻きラッチング型
1巻きラッチング型は1個のコイルを持つラッチングリレーです。
1個のコイルに対して、正の電流や負の電流を流すことにより、『動作状態(セット状態とも呼ばれる。a接点がONの状態)』や『復帰状態(リセット状態とも呼ばれる。a接点がOFFの状態)』となります。
直前に正負どちらの電流を流したかで接点の状態が決まり、電流が流れなくなっても、状態は保持されます。
1巻きラッチング型の動作タイムチャートは上図のようになっています。
2巻きラッチング型
2巻きラッチング型はセット用コイルとリセット用コイルの2個のコイルを持つタイプのラッチングリレーです。
セット用コイルに電流を流すことで、接点は『動作状態(セット状態)』となり、リセット用コイルに電流を流すことで、接点は『復帰状態(リセット状態)』となります。
直前にどちらの電流を流したかで接点の状態が決まり、電流が流れなくなっても、状態は保持されます。
2巻きラッチング型の動作タイムチャートは上図のようになっています。なお、2巻きラッチング型ではセット用コイルとリセット用コイル同時に電圧を印加してはいけません。
2巻きラッチング型の原理
2巻きラッチング型では、鉄芯、継鉄、接極子などの材料が半硬質磁性材料(磁気特性的に永久磁石と軟質磁性材料の中間の性質を示すもの)となっています。そのため、電流が流れなくなっても、半硬質磁性材料の残留磁束による電磁力によって、鉄片を引き寄せています。したがって、接点を保持することができているのです。
まとめ
この記事ではリレーついて、以下の内容を説明しました。
当記事のまとめ
- 『シングルスティブル型』と『ラッチング型』の違い
- 『シングルスティブル型』の特徴
- 『ラッチング型』の特徴
- 『1巻きラッチング型』について
- 『2巻きラッチング型』について
お読み頂きありがとうございました。
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