【トランス】巻線(マグネットワイヤ)の種類について!

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この記事ではトランスやコイルに用いる『巻線(マグネットワイヤ)』について

  • 巻線(マグネットワイヤ)の種類
  • エナメル線の絶縁皮膜の厚さの種類

を図を用いて説明しています。

巻線(マグネットワイヤ)の種類

巻線(マグネットワイヤ)の種類

巻線(マグネットワイヤ)とは、トランスやコイルなどに巻かれている電線の総称です。マグネットワイヤの表面は電気を通さないように絶縁されています。

巻線(マグネットワイヤ)は様々な種類があり、エナメル線横巻線油性エナメル線などがあります。各巻線の特徴は下記となってます。

各巻線の特徴

  • エナメル線
  • 導体に絶縁性の塗料(樹脂)を塗って焼き付けることで絶縁(皮膜絶縁)している。

  • 横巻線
  • 導体に紙、ガラス、フィルム、絹、綿などを巻き付けることで絶縁(繊維質絶縁・フィルム絶縁)している。

  • 油性エナメル線
  • 乾性油等の天然樹脂を被膜することで絶縁している。

この中で最も多く使われているのがエナメル線です。

また、エナメル線は絶縁性の塗料(樹脂)の違いにより様々な種類があり、各種類により許容最高温度が異なります。一般的に許容最高温度が高いほど高価で使い勝手が悪くなります(UEWは直接はんだ付けできるが、PEWになるとはんだ付けができなくなる等)。

そのため、巻線(マグネットワイヤ)の用途に合わせて使用するエナメル線を変えています。

エナメル線の中で最も多く使われるのがポリウレタン銅線(UEW)です。ポリウレタン銅線(UEW)は直接はんだ付けができ、耐熱クラスはE種(最高使用温度120℃)となっています。

なお、各エナメル線する特徴等は以下の記事に詳しく説明していますので、参考にしてください。

エナメル線の種類について!PVF,UEW,PEW,EIW,AIWの違いなど!
エナメル線の種類について!PVF,UEW,PEW,EIW,AIWの違いなど!

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耐熱クラスとは

トランスやコイルは安全規格でも最重要部品に指定されています。トランスやコイルは寿命が長く、信頼性が高い部品ですが、長時間使用すると温度の上昇によって、電線の皮膜や絶縁物が劣化し、絶縁破壊をもたらすことがあるからです。そのため、トランスやコイルには許容最高温度が定められています。

この許容最高温度によって階級化したのが耐熱クラスです。下表は耐熱クラスを示したものであり、許容最高温度により「Y種」から「250」まで分類されています。

なお耐熱クラスについては以下の記事に詳しく説明していますので、参考にしてください。

トランス(変圧器)の耐熱クラス(絶縁階級)について!A種やB種ってなに?
【耐熱クラス(絶縁階級)のまとめ】『A種』や『B種』ってなに?

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エナメル線の絶縁皮膜の厚さの種類

エナメル線の絶縁被膜の厚さの種類

エナメル線は「塗料(樹脂)の違い」だけでなく「絶縁皮膜の厚さの違い」によっても種類が分かれています。

絶縁皮膜の厚さはJIS規格で規定されており、0種から3種まであります。0種が最も絶縁皮膜が厚くなっており、1種→2種→3種になるにつれて絶縁皮膜が薄くなっており、以下のようになっています。一般的には2種の電線を使用することが多いそうです。

絶縁皮膜の厚さの種類

  • 0種:絶縁皮膜が最も厚い
  • 1種:絶縁皮膜が厚い
  • 2種:絶縁皮膜が薄い
  • 3種:絶縁皮膜が最も薄い

例えば、ポリウレタン銅線(UEW)の絶縁皮膜の厚さが2種の場合、2UEWという呼び方になります。

一例として、導体の径が0.1mm~0.5mmの時における0種から3種の『最小皮膜厚さ』と『最大仕上外径』を上図に示しました。0種が一番絶縁皮膜が厚くなっていることが確認できると思います。

補足

  • 絶縁皮膜が厚いほど耐圧等の絶縁性能が良くなりますが、巻数を多くすることができないというデメリットがあります。
  • トランスを小型化すると、温度上昇が大きくなります。このような場合、許容最高温度が155℃のPEWのエナメル線を使うことで対策を行うケースがあります。

まとめ

この記事ではトランスやコイルに用いる『巻線(マグネットワイヤ)』ついて、以下の内容を説明しました。

当記事のまとめ

  • 巻線(マグネットワイヤ)の種類
  • エナメル線の絶縁皮膜の厚さの種類

お読み頂きありがとうございました。

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